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ASSORT研究

2017年02月27日 | その他
米国の国際脳卒中学会(International stroke conference 2017)で私たちの研究を発表してきました。
脳梗塞の急性期にスタチンという薬が効くかどうかのランダム化比較試験(ASSORT研究)です。
この薬はコレステロールを下げる作用のある薬なのですが、他にも抗炎症作用や抗酸化作用などがあるため、動物実験などで脳梗塞に効くとされてきました。しかし、これまでヒトでは十分な比較がされていませんでした。
このため今回は、日本で使用できる最大量(アトルバスタチン20mg/日、ロスバスタチン5mg/日、ピタバスタチン4mg/日)を入院当日から投与する群と7日目から投与する群にランダムに割り付けてその治療結果を比較しました。
その結果、両群の治療成績には差がなく、入院当日でも1週間程度後でも変わらないという結果でした。

この研究結果はこの学会の最大のセッションであるlate-breaking sessionで発表させて頂きました。
大きな会場ですので大変緊張しましたが、何とかうまく終えることが出来ました。
早速、海外メディア(下記)に取り上げられましたし、国内でも神戸新聞、読売新聞に掲載して頂きました。

ある治療や薬が本当に有効かどうかを確認することはとても重要なことです。今回の用量設定や対象患者さんでは有効性が示せませんでしたが、同じ薬でも条件を変えれば有効性が示せる可能性もあります。また、別の薬にさらなる期待もかかります。
今後も機会があれば、治療の有効性を確認するための研究に取り組んで行きたいと思います。

TCT MD

healio

medpagetoday



コメント (4)
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