「メルボルン大学の経済学者らの発見によれば、ライセンシング効果が最も生じやすいのは、人々が悪い行いに対して"罪滅ぼし"のためにお金を払う場合です。
例えば、家庭の電力消費によって二酸化炭素が発生する罪滅ぼしに、木を一本植えるための費用として、2.5ドル負担するなど。
すると、環境に悪いことをしているということ意識が薄れ、その結果、さらにエネルギーを消費しても構わないと思いがちになります。
その他ペナルティ制度に関しても同じような傾向が見られます。例えば、保育園で子供のお迎えに遅れた保護者にチャージを請求することにしたところ、かえってお迎えに遅れる保護者の数が増えました。
保護者は時間に遅れる権利をお金で買ったつもりになり、遅れても悪いと感じなくなったのでした。
ところが、人々が自然エネルギーを使用するために電気代を10%多く支払うなど、そのような時はライセンシング効果は全く見られません。
もし人に地球に優しい行動をとってほしいと望むなら「私は環境問題に関心のある人間だ」というアイデンティティを抱かせるのが賢いやり方です。
まちがっても、北極や南極の氷冠を溶かす権利を買ってやった、などと思わせてはいけないのです。」
抜粋しましたが、要は「正しいアイデンティティ」を持たないといけない訳です。
最後の文を置き換えると「良い成績をとったのだから、いいじゃないか!」になってしまうわけです。