私が11年前の第1回の手術を受ける前に、ケーブルテレビの「ヒストリーチャンネル」で古代ローマで行われていた白内障手術の番組を見ました。医学の祖と呼ばれているガレノス(上の写真です)によって行われていた手術です。ガレノス(西暦129年頃 - 200年頃没)は、およそ1900年前のローマ帝国時代のギリシャ人の医師です。臨床医としての経験と多くの解剖によって体系的な医学を確立した人です。古代ギリシャ以来の医学知識の集大成を築いたとされています。ガレノスの医学体系は千年以上にわたって欧州とイスラム圏の医療に影響を及ぼしたのだそうです。
ガレノスの白内障手術は、水晶体の病変部(白濁した部位)に細い金属の管を差し込んで病変部を吸い出して除去することにより水晶体を透明にするというものでした。かなり難しい技術が必要で、ガレノス自身は得意だったそうですが、彼以降、同じことができた医師はいなかったようです。何と言っても当時は麻酔も抗生剤もありませんでしたから、患者にとっても恐ろしい経験だったと思います。今回私も麻酔注射を直接眼球に射たれましたが、その前に麻酔薬を点眼されていましたので、痛みは少ししか感じませんでした。
(注)ガレノスの肖像はウィキペディアから引用させていただきました。