博多住吉通信(旧六本松通信)

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悲劇のジェット旅客機

2024年07月27日 | 歴史
 本日7月27日は、イギリスの航空機メーカー、デ・ハビランド社が開発した世界で最初のジェット旅客機 コメット (de Havilland DH.106 Comet) が初飛行を行った日です。今から75年前の1949年のことでした。ジェット旅客機も結構長い歴史を刻んでいることが分かります。初飛行はジェフリー・デハビランド社長自身が行ったそうですが、この日は社長の57歳の誕生日でもあったそうです。初代のコメットは全長28.61 m、全幅34.98 m、巡航速度725 km/h、上昇限度約1万2千m、乗客数36人、航続距離2,415 kmといった仕様でした。乗客数だけ見ると日本のターボプロップエンジン機YS-11より少ないのですが(YS-11は56~64人)はスピードはさすがにジェット機です。1952年5月にロンドンと南アフリカのヨハネスブルグを結ぶ路線に就航しました。同年7月8日にはロンドンから羽田空港に飛来しています。世界で二番目にジェット旅客機の実用化に成功したのは旧ソ連のTu-104(ツポレフ104)ですが、こちらの初飛行は1954年で運用開始が1956年なので、コメットがかなり早い段階で実用化されていたことが分かります。
 しかしコメットは、この後悲劇に見舞われます。1954年1月にイタリア近海を飛行中のコメットが墜落し乗客乗員35人が全員死亡、さらに同年4月にもイタリア近海を飛行中のコメットが墜落し乗客乗員21名が全員死亡という大惨事を立て続けに起こしました。この後、原因の究明が進められ同機の構造上の問題が明らかになり改良改善が進められました。この結果、安全性が向上し乗客数の増加や航続距離の延長などに成功したのですが、後発のボーイング707やダグラス DC-8との競争に敗れてコメットは世界の空から姿を消していきました。1982年には全機が退役していますので30年の生涯でした。世界で最初ということ自体が、このようなリスクを内包しているのだなと思いました。
 上の写真はコメットの1/144 プラモデルのパッケージです(注)。奇しくもオリンピックのマークを尾翼に付けています(パリオリンピックの開会式が行われていましたね)。
(注)https://www.hlj.co.jp/product/AMM1449

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