博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

月を歩く

2009年05月28日 | 科学
 5月27日の朝日新聞の報道によれば、政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)が宇宙基本計画案で掲げた「二足歩行ロボットでの月探査」に対し、国民の意見を募るパブリックコメントで約80件の疑問や反対が寄せられたそうです。二足歩行ロボットによる月探査のアイディアは元宇宙飛行士の毛利衛さんの提案でした。同記事によると政府へのパブリックコメントとしては例外的に多かったそうです。ほとんどが反対意見で「(砂の多い)月面での歩行には向かない」「重力、温度など地球とまったく違う世界でできることは限られる」「ただのパフォーマンス」「子どもに夢を与えると思えない」といった意見が寄せられたそうです。
 
 私もそう思っていました。月面のような地球と比較して低重力の環境では、2足歩行よりも、カンガルーやノミのようにぴょんぴょん飛び跳ねるような移動システムの方が適しているのではないかと考えたのです。実際月面を歩行したアポロの宇宙飛行士はぴょんぴょん飛び跳ねて移動していました。その方が効率が良いので自然にそういう動作になるのだそうです。飛び跳ねるのであれば安定の良い3足(つまりトライポッド)の方が良いかもしれません。2足歩行にこだわる必要はない。そう思っていましたが、少し考えが変わりました。あえて月面のような異質な環境で機械による自律2足歩行を実現することにはそれ自体意味があるのではないかということです。低重力に適応した移動システムへの理解が深まれば人体の運動生理学などへの理解も深まるのはないかと考えたのです。毛利さんの意図もそうなのかどうかは分かりませんが、追求する価値はあるかもしれません。

写真は月面を飛び跳ねて移動するアポロ飛行士 「月面の足跡」http://www.abc.net.au/science/moon/footprints.htmから引用させていただきました。

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1 コメント

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Unknown (じゅんじ)
2009-05-31 08:32:52
70年代や80年代、鉄腕アトム、ロボっこビートン、ドラえもん…などなど、二足歩行ロボット=ばら色の21世紀科学文明未来の象徴、の時代なら、月面歩行ロボットはどんなに原始的でも少年にウケたでしょうが、ホンダやソニーが二足歩行ロボットを作って10年弱ですから、今の少年にとっては生まれたときから二足歩行ロボットがあるのがフツーなので、夢ではなく「現在技術をちょっと応用しただけ」に映るような。
しかも今の少年は、二足歩行ロボットが日常で活躍する近未来を予想はしても、ばら色の科学文明を夢想していないのではないかなと思ったりします。(ジジ臭いコメント?)
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