離職した派遣労働者が、離職と同時に住む場所も失い、年末年始にハローワークも休業のため行き場所を失い都心の派遣村に集まった事態は既に社会問題化しています。こういう事態が起こった時のために対策を取るべき政府関係機関として、厚生労働省傘下の独立行政法人の「雇用・能力開発機構」があります。
この機関は1960年代初頭の炭鉱離職者対策のために設置された「雇用促進事業団」が前身です。60年代初頭の石炭から石油へのエネルギー革命は、数万人以上の炭鉱離職者を生み出し、三池炭鉱争議などの深刻な社会問題を生み出しました。そうした炭鉱離職者の転職斡旋、職業訓練、低家賃の雇用促進住宅の提供などをミッションとしていました。私の親しい先輩もここに勤めていたことがありますし、恩師の一人は付属研究機関(労働政策研究・研修機構、今は独立した法人になっている)で研究をしていたこともあります。
今回の事態で、この機関は派遣離職者への雇用促進住宅への入居斡旋を行っています。雇用促進住宅は日本全国に700箇所、約1万3千の空き部屋を有しており、離職者への住宅提供ではかなり重要な意味を持っています。
ところが、この雇用・能力開発機構は、つい3週間ほど前の昨年12月24日に閣議決定で廃止されることになったのです。職業訓練、その他の業務は別法人に移管し、雇用促進住宅は、民間等への譲渡・廃止となることになったのです。この機関は「私のしごと館」など税金無駄遣いの典型として槍玉に挙げられていました。
しかし私が思いますに、派遣労働が一般化し、不安定雇用が常態化した現在こそこの機関の存在意義が出てきたと思えるのですが、皆さんどう思われますか。
雇用・能力開発機構はJR中野駅前の「中野サンプラザ」をはじめ、全国に○○プラザとか△△テルサという名前が付いた宿泊施設を有しています(ちなみに労働政策研究・研修機構の前身は、以前は中野サンプラザの中にあった)。派遣離職者に一時的な宿泊施設として、これらの施設を提供すれば派遣村は必要なかったでしょう。・・・と思っていたら、中野サンプラザは何と2004年に雇用・能力開発機構から切り離されて民営化されていたのでした。つい最近まで誰もこういう事態が起こると予測していなかったということでしょう。しかしいつでも都合のいい時に雇用できて都合が悪くなると雇用契約を解除できる派遣労働者という制度から便益を受ける存在は、雇用・能力開発機構のような社会的セーフティネットに費用を払うべきではないでしょうか。
この機関は1960年代初頭の炭鉱離職者対策のために設置された「雇用促進事業団」が前身です。60年代初頭の石炭から石油へのエネルギー革命は、数万人以上の炭鉱離職者を生み出し、三池炭鉱争議などの深刻な社会問題を生み出しました。そうした炭鉱離職者の転職斡旋、職業訓練、低家賃の雇用促進住宅の提供などをミッションとしていました。私の親しい先輩もここに勤めていたことがありますし、恩師の一人は付属研究機関(労働政策研究・研修機構、今は独立した法人になっている)で研究をしていたこともあります。
今回の事態で、この機関は派遣離職者への雇用促進住宅への入居斡旋を行っています。雇用促進住宅は日本全国に700箇所、約1万3千の空き部屋を有しており、離職者への住宅提供ではかなり重要な意味を持っています。
ところが、この雇用・能力開発機構は、つい3週間ほど前の昨年12月24日に閣議決定で廃止されることになったのです。職業訓練、その他の業務は別法人に移管し、雇用促進住宅は、民間等への譲渡・廃止となることになったのです。この機関は「私のしごと館」など税金無駄遣いの典型として槍玉に挙げられていました。
しかし私が思いますに、派遣労働が一般化し、不安定雇用が常態化した現在こそこの機関の存在意義が出てきたと思えるのですが、皆さんどう思われますか。
雇用・能力開発機構はJR中野駅前の「中野サンプラザ」をはじめ、全国に○○プラザとか△△テルサという名前が付いた宿泊施設を有しています(ちなみに労働政策研究・研修機構の前身は、以前は中野サンプラザの中にあった)。派遣離職者に一時的な宿泊施設として、これらの施設を提供すれば派遣村は必要なかったでしょう。・・・と思っていたら、中野サンプラザは何と2004年に雇用・能力開発機構から切り離されて民営化されていたのでした。つい最近まで誰もこういう事態が起こると予測していなかったということでしょう。しかしいつでも都合のいい時に雇用できて都合が悪くなると雇用契約を解除できる派遣労働者という制度から便益を受ける存在は、雇用・能力開発機構のような社会的セーフティネットに費用を払うべきではないでしょうか。