goo blog サービス終了のお知らせ 

博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

未来の二つの顔

2010年07月14日 | SF
 SF作家のジェイムズ・P・ホーガン氏が、7月12日(月)にアイルランドの自宅で逝去されたそうです。69歳だったそうです。まだまだ作品を書いていただきたかったです・・・
ソースです ⇒ http://www.tsogen.co.jp/news/2010/07/10071314.html
 初めて氏の作品を読んだのは大学3年(20歳位)の頃でした。「星を継ぐもの」(創元SF文庫1980年)でした。あれから30年。新作が出るたびに氏の作品を読みついできました。一番最近読了したのが「仮想空間計画」(創元SF文庫1999年)で、昨年12月に読み終わったばかりでした。
 氏の本を読むといろいろ触発されるものがあって、例えば「星を継ぐもの」を読んで、進化生物学に対する興味が沸き起こって、その分野の本を読み漁った記憶があります。「断絶への航海」(ハヤカワSF文庫1984年)を読んでからは、19世紀以前のユートピア文学を読み漁りました(「太陽の都」、「ニューアトランティス」とか)。
 また、悪意とか敵意とかと全く無縁な知性のあり方が人類にとって恐ろしい脅威になりうるというセンスオブワンダーを感じた「未来の二つの顔」(創元SF文庫 1983年)ですとか。
 一昨年読了した「黎明の星」(創元SF文庫 2008年)は作風が一風変わっていて、疑似科学の典型の「衝突する宇宙」(イマニュエル・ヴェリコフスキー)のトンデモ主張(金星が木星から飛び出して生まれたという主張)を下敷きに、トンデモがもし事実であったらどうなるかという前提でストーリーを描いていました。氏一流の諧謔かと思って読み進めていくうちに、もしかして本気で信じているのでは・・・という疑いを抱かせるほどの迫真さでした。実際のところはどうだったのでしょう。氏はファシズムや権威主義への反発がその思想の根っこにあったことは明白なのでそういう文脈だったのかとも推測していますが。ともあれ冥福をお祈りします。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。