博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

日本の0年

2008年08月15日 | 時事
 今日は戦後63回目の終戦記念日です。テレビやラジオのニュースのアナウンサーの第一声は皆一様にこのように切り出します。
 誰が書いたか忘れてしまったのですが、おそらく作家で東京都副知事の猪瀬直樹氏だったと思うのですが(ネットで調べたのですが分かりませんでした)、「『戦後○○年』という呼び方が、日本人にとって戦後新しい記年法になった」という記述がありました。
 確かに多くの日本人にとって新社会、新時代の到来として「終戦」が受容されたことは何となく分かります。実際に終戦直後の報道写真は、黙示録の挿絵のようです。一面焼け野原の東京、広島原爆ドーム、崩れ落ちた長崎浦上天主堂。その一方で校舎が焼けた跡の青空教室の授業風景とか、国会議事堂前の農作業の風景とか、エネルギッシュな闇市とか、乾いた明るさも並存しています。そこから戦後の民主主義とか平和主義とかいったものが出発したというイメージが湧いてきます。
 ほとんどの日本人にとって空襲の心配が無くなるというだけでも解放感があったでしょうし、戦地の肉親が生きて帰って来るかもしれないと言う希望を持つことができたことでしょう。
 そしてこの「戦後時代」は日本史上空前の経済的繁栄を達成した時代でした。この戦後時代はいつまで続くでしょうか?あと15年ほどで、明治維新から昭和20年までに経過した年数(約78年間)と「戦後」の年計が同じになります。この時が一つの分岐点になるような気がしますが、別に戦前回帰が始まるとも思えません。15年後は団塊の世代が後期高齢者になり、少子化はさらに進んでいますから20代の若年層は希少価値になります。軍事大国化は夢のまた夢になるでしょう。
 戦後生まれの私たちは、「後」戦後時代の見取り図を考えなければなりません。

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