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三点リーダを忘れないで

2013年01月10日 | 雑記帳
 ちょっとびっくりした発言だった。

 「国語は,文学を読める子どもを育てるのがねらいだと思います」

 うーん,今聞くと逆に新鮮に思えてきたりする。

 きっと,その方の本音なのだと思う。
 その願い自体はもちろん批判されるべきではないだろう。
 しかし,そういう考えを持つ方が陥りやすいのは,言葉をしっかり見ないということでもある。

 「先ほど発表した方の資料に『言葉は心』というものがありました。私の学校でもまさしく,その『言葉は心』という考えで進めております。」

 このようなこともおっしゃったのだが,実はその発表資料には「言葉は心…」と書かれてあるのだ。

 「言葉は心」と「言葉は心…」,この違いは大きいのではないか。
 そして見落としてはいけないことではないか。
 表記に込めた大事な「心」を感ずることができないのではないか。

 自信のなさからか「…」を多用してしまう私などは,そんなことで文学を語れるか,などと穿った見方をしてしまい,そういった方々の願いの危なさを感じてしまうのである。


 蛇年の蛇足二つ。

 ○「三点リーダ」は「……」と二つ続けるのが一般的な用法だそうである。

 ○ある漫画家の発見。芥川龍之介は,死に近づくにつれて,文章の中に「…」が増えていったそうである。

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