すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

窮屈さに覆われないために

2016年12月12日 | 読書
Volume30

 「社員全員が必死に働いている状態では、どこかでトラブルが起きたときに『渋滞』が起こり、すべて止まってしまう。生産性を上げるには適切な『車間距離』が欠かせません」


 コンサルティング会社の社長である岩澤俊典氏は、「渋滞学」で著名な西成活裕氏と同級生であり、西成氏の研究を「学問と現実を結びつけました」と大きく評価している。

 岩澤氏が語る言葉は、企業などの会社組織でなくとも職場全般に当てはまるように思う。
 また、もしかしたら地域や個々の家庭にも適用できる場面があるのかもしれない。



 「一体感を持って」「チームとして」ということは容易い。
 また否定することではない。
 しかし、その内実を余裕のある目でとらえ、想定の幅を広げた認識を持っていないと、窮屈さで覆われていく。

 個々の生き生きした姿が失われていくということは、不測の事態に向かうとき、結束できない要素が増えていくことではないか。

 ある集団や組織の評価とは、全員が集う場の自由度の高さにあるような気がする。
 くっついている部分もあっていいが、ばらつきが適度にあるほうがいい。