THE ARCTIC - オーロラの地を旅する

北欧北極圏、アイスランド、グリーンランドの旅行情報

Jukkasjarvi

2012-09-18 | 北極圏旅行2012秋
昨日からずっと雨が降っている。天気予報では、ここは晩も雨又は曇りだが、近隣のキールナやムオニオなど、場所によっては午後から晴れるところもありそうだ。
明日はムオニオに宿を予約していて3連泊するし、明後日は車も返却しなければならない。今のうちにドライブを楽しんでおかなくては。
あまり頼りにならない予報だが、一番今晩の天気がよさそうなキールナに行くことにする。キールナから15km離れた郊外に湖に面したキャンプ場があって、そこだったらオーロラ観賞には最高の環境だろう・・・オーロラ予報は活動レベルが低いということだが、このオーロラ予報とやらも、当てにならないし、たとえオーロラの活動レベルが低くてもキールナまで行けばちょっとぐらい見えそうな気がする・・・それに、単にスウェーデンもドライブしたいし・・・
フィンランドのKaaresuvantoから川を超え、スウェーデンのKaresuandoに渡る。名前から察せるように、この2つの村は川を挟んで1つの町のようになっているようだ。橋を渡ってスウェーデン側のすぐ右の建物にインフォメーションが入っている。中に入るとスウェーデンのキールナなどのパンフがたくさん置いてある。



スウェーデンのKaresuandoから見た国境の橋

宿を出る前にキールナのキャンプ場に予約の電話を入れようとしたのだが、留守電に繋がってしまい、録音の声もスウェーデン語で理解できなかった。インフォメーションの女性に、そのキャンプ場が営業しているか聞いてみたのだが、わからないという。もう一度電話をかけ、留守電の内容を聞いてもらった。すると、どうやら今は留守らしいが、留守電に繋がるのなら営業しているのではということだ。
一抹の不安を抱え、インフォメーションをあとにする。まあキールナに行く途中、いいキャンプ場があればそこにすればいいし、直接行ってみるしかないか・・・
雨こそ降っていないが、雲が厚く空を覆っているKaresuandoから、さらに西へ進むと徐々に西の地平線の方が明るくなってきた。そして、みるみる明るさが増してきて、青空が広がっていく。東の方は、バックミラー越しに見ると、どんよりと灰色だ。



東の方はまだ曇っている。

すっかり一面青空になって、さらに車を進めると、キャンプ場の標識を発見。E10から水溜りの点在する小道に入り、がたがた車を揺らしながら行くと心地よさげなキャンプ場が見えてきた。周りには外灯もなく人家も周りにまったくない。川がそばを流れ、対岸の黄葉が美しい。オーロラ観賞にはうってつけの場所発見!
しかし、各コテージに車が止めてあって、みんな使用中なのか?しかし何軒か、空いているコテージもありそうだ。レセプションに行ってみるが、案の定鍵がかかってだれもいない。しかし入り口の横に内線専用電話のようなものがあって、そこで連絡がつくようだ。
受話器をとり、張り紙に書いてあるとおりにプッシュする。繋がった・・・
しかし、受話器の奥で、今日はキャンプ場のコテージはクローズしている、という。やはりここは、なにか貸切で利用されているのか、シーズンオフで一般客は利用不可ということらしい。
キャンプ場を出て、集落に入る。白樺の並木道を通り、教会がある。湖があり、湖には噴水まである。家々は、大きく綺麗でよく手入れされている。美しい川がすぐそばを流れている。平和で静かでなんて素敵な村なんだ!
ここからキールナまで70kmぐらい、約1時間だ。この村を観光したいところだが、結構いい時間でそんな余裕はない。先を急がねば。
道路工事で予想以上に時間を食って、1時間後、徐々に建物が増えてきた。キールナの町はすぐそばだ。あらかじめトリップアドバイザーで調べておいたCamp Altaの位置に向かって車を走らす。しかし看板も何も現れないし、なんか工業地区という感じの場所になってきた・・・キャンピングして楽しいって場所には見えない・・・
あきらめて町のインフォメーションに行くことにする。しかしもう午後6時すぎで、営業時間終了ってなってるんじゃないだろうか・・・
久しぶりの街中での運転に手こずりながら、なんとかインフォメーションに到着する。しかしやはり門は硬く閉ざされ、ガラス越しに中を見ても、照明も消され誰もいなさそう。
5年前泊ったことがあるCamp Ripanに行ってみる。前泊ったコテージ近くの駐車場に車を留め、レセプションに向かう。ここは街中でオーロラ観賞するにはいい場所だが、せっかく車があるのだから、郊外の宿にしたい。しかも5年前と違ってグレードアップされて、おしゃれできれいになったが宿泊代は、普段泊るところの3倍ぐらいする。
受付の女性にCamp Altaの場所を知っているか?と聞くと場所を教えてくれた。どうやらトリップアドバイザーの地図が違っていたらしく、キールナに向かう、今通ってきた道沿いにあるようだ。しかし、そんなキャンプ場あったっけ?結構注意してドライブしているつもりだったが。
受付の女性は、わざわざウェブで調べ、Camp Altaに電話までしてくれた。我々は泊り客でもないのに、なんか申し訳ない。
しかし、相変わらずCamp Altaは留守らしく、直接行ってみないと営業してるのかわからないようだ。
キールナの町を離れ、もと来た道を、引き返す。アイスホテルのあるJukkasjarviへ行く道を通り過ぎてしばらく行くとあると、彼女は行っていたが、見当たらない。何度か引き返したりうろうろ探してようやく、Camp Altaの看板を発見。こんな小さい分りづらい看板なら迷うわな・・・
しかし立地は最高だ。目の前に広い美しい湖が広がっていて、コテージが湖畔に点在している。ちょっと古びて上品さはないが・・・車もあるし営業しているようだ。やっと一息つける・・・
レセプションのドアを開ける。しかし開かない・・・ベルのようなものもないし、受付スタッフはどこへ?キャンプ場内をうろうろしているうちに、他の客も来たようだ。
1軒、使用中のコテージがあり、私を見て中から若い男が出てきた。どうやらスタッフではなさそうだ。彼は、私に、ここのオーナーは、スペインにいるという。今から彼に電話してみる、という・・・スペイン?なんで・・・?
彼は電話を切って、申し訳なさそうに今日はここはクローズだという。他にこの辺に営業してるキャンプ場はないかと聞くと、キールナにCamp Ripanがあって、そこなら営業しているという・・・
もう暗くなってきた。暗くなる前になんとか今日のベッドを確保せねば・・・まあ、最終手段は少々高いがCamp Ripanという手もある。オーロラ観賞としてはベストの場所ではないかもしれないが、居心地はいいに違いない。
次の候補として考えていた、Jukkasjarviのユースホステルに行くことにする。ここは9月いっぱい営業しているはずだし、空きもあるだろう。村なのでオーロラ観賞にも向いているだろう・・・電話で確認したいところだが、遠くないので直接行く方が早い。空はだんだん暗くなってきた。しかしまったく雲がなくまさにオーロラ日和。これは、真暗なところに宿を取らないとわざわざ来た意味がない。
Jukkasjarviに入り、アイスホテルが見えてきた。なかなか静かでいい場所だ。Jukkasjarviのユースホステルの受付は、アイスホテルの受付が兼ねている。敷居が高そうなアイスホテルのレセプションのドアを開け、空きが、あるか値段はいくらか聞く。いろいろ迷って、少々高いがユースホステルではなく、アイスホテルのコテージにする。いままでの安いコテージとは違って、シャワーやトイレもコテージ内にあるし、テレビも付いている。電子レンジもあるが、こういう高級なところに限って、共用のキッチンなどというものはない。食事はレストランでどうぞ、ということだ。しかし周りも暗いし、清潔でおしゃれで広くて、財布には痛いがくつろげそうだ。
レセプションでWiFiでネット接続。早速オーロラ活動状況を見る・・・どうやら予報どうり活動レベルは低いのか?
ありあわせの食料で軽く食事して、すでに真暗になった空を確認・・・空には無数の星がきらめいている・・・
何度も何度も時間を置いて確認するが、どの方角を見ても、オーロラらしきものは見当たらない・・・こんな最高のコンディションなのに・・・流れ星が一つ満天の空を横切った。

今日の宿 Ice Hotel

冬のアイスホテルは超有名だが、夏も営業している。もちろん氷でできた建物ではないが・・・
ユースホステルだと3人の場合、ツインルームとツインルームのシングルユースで合計1200SEKという説明を受け、ここなら4人部屋のコテージを1200SEKで利用していいという風にいわれたので、Ice Hotelのコテージになってしまった。オーロラ観賞にはいい場所だが、道路からそれほど離れていないのでぼんやり北のほうが夜明るい。オーロラは北のほうに出ることが多いので、北の方にオーロラが出れば見えづらいだろう。