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北極海への熱い視線

2010-11-22 | 北極圏ニュース
地球温暖化で海氷が少なくなったロシア沿いの北極海・北東航路を利用して欧州やロシアとアジアを結ぶ海上輸送が目立ち始めている。
北東航路はスエズ運河やマラッカ海峡を通るより航行距離が短縮でき、テロや海賊の心配もないため、以前から注目されている。
これまで分厚い海氷に閉ざされ、商業航路としては採算が取れなかったが、気候変動の思わぬ恩恵を得て、本格的な商業化の可能性が大きく膨らんでいる。

我々旅行者にとっては、まだまだ手軽に訪れる地域とは言えないが、観光開発も徐々に進んでいるようだ。
2011年7月23日にはスヴァールバル諸島のロングイェールビンから、ノバヤゼムリャとフランツ・ジョゼフ・ランドロンを巡るクルーズ船も出航する予定だ。
目玉は、冷戦時代には核実験場として名を馳せた、 ノバヤゼムリャへの航海だろう。ノヴァヤゼムリャは2009年には自然保護区に指定されている。
セイウチや白熊の宝庫であるフランツ・ジョゼフ・ランドにも5日間の日程を割くらしい。

ロングイェールビン→スヴァールバル諸島→ベアーアイランド→ノース・ケープ→ムルマンスク→ソロヴェツキー諸島→ノヴァヤゼムリャ→フランツ・ジョゼフ・ランド→ノヴァヤゼムリャ→ムルマンスク→ロングイェールビン

最先端の遠征船「ナショナル・ジオグラフィック・エクスプローラー」で巡る22日間の北極海クルーズ。お値段は、問い合わせとのこと。

2011年に予定されているクルーズでは他に、ロシア極東のアナディリから世界遺産のウランゲリ島、ノヴォシビルスク諸島、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島、フランツ・ジョゼフ・ランド、ムルマンスクと北東航路を西へ向かうロシア籍クルーズ船もある。

2011年夏には初のノバヤゼムリャ・レガッタ大会も行われるそうだ。
レースは、ムルマンスクを出発し、ノバヤゼムリャとフランツ・ジョゼフ・ランドを周回し、ムルマンスクでゴールとなる。