THE ARCTIC - オーロラの地を旅する

北欧北極圏、アイスランド、グリーンランドの旅行情報

日本の最北端 ①

2009-08-27 | 番外編
6月29日から7月8日まで北海道北部(稚内、礼文島、利尻島)へ行ってきた。

一応日本の最北端地方ということだが、北欧のラップランドに比べれば、かなり南だしオーロラも見えない(非常に大きなものなら見えるという話しだが)。
しかしラップランドとはまた違った最果てな雰囲気があり、日本の他の地方にはない独特の景観が楽しめる。
初めての北海道旅行だったが、非常に満足できる旅だった。

☆北緯45度31分22秒。日本最北端の地、宗谷岬。

宗谷岬には日本最北端の地と記された石碑が建てられているが、実は日本政府が領有権を主張する範囲における最北端の地は、ここではなく択捉島にあるカモイワッカ岬というところらしい。

そして日本政府の実効支配が及ぶ日本最北端の地としては、宗谷岬の沖にある弁天島という小さな島なんだそうな。

つまり何の変哲もないただの岬で、日本最北端の地というわけでもないんだが、結構観光客を集めている。
サハリンの西能登呂岬にわずか43kmと近いこともあり、晴れた日にはよく見えるらしいが、私の行ったときは曇りで猛烈な風。当然海のかなたに目を凝らしても何も見えない。

北海道遺産に選定されている、通称「宗谷丘陵」と呼ばれている地形が宗谷岬周辺の丘陵地帯に広がっている。このあたりは「周氷河地形」といわれている地形で、あまり日本の他では見れない独特の地形だ(礼文島でも見られる)。この地形を利用し牧場が経営されており、宗谷牛が放牧されている。また風の強い所なので、風力発電の風車があちこち建っている。

◎間宮堂

日本最北端のラーメン屋。ウニ丼なども食べられる。6月29日に行ったときはまだストーブ焚いていた。
塩ホタテラーメン700円が人気だが醤油もいける。ホタテがまるまる一つ入っている。
冬期間は店が閉まっているので注意。

☆北緯45度線の通る町、幌延

フィンランドから来たというトナカイとヒマラヤの青いケシの栽培で知られている町。最近は、海岸近くにある風力発電の風車群が、新しいビューポイントとして人気を集めている。

●宿

「ビジネス旅館光栄荘」 TEL:01632-5-1266 素泊まり3150円/人

駅そばの清潔な旅館。居酒屋「菜味季」を併設してて、今日のオススメに「トナカイ丼」とあった。トライしなかったが。

◎トナカイ観光牧場

幌延市街より少し北。間近にトナカイたちを見ることができ、餌付けも可能。羊たちもたくさんいた。ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス)が咲く花園があり、何百という青いケシが咲いていた。
ここでも、トナカイ料理が食せる(トライしてないが)。



◎稚咲内

道々106号線沿いに風力発電の風車が28基も並んでいる所があり壮観。晴れてれば利尻富士もきれいに見えるはずだが。。



☆サロベツ原野

豊富町と幌延町のビジターセンターがある。豊富町のビジターセンターに行ったが、雨で利尻富士は見えず。駐車場、自然教室、レストハウス、1周30分ほどの木道がある。ここのレストハウスの名物はあげいもといももちらしいが、特に普通だった。6月下旬から7月上旬にかけて一面に咲くエゾカンゾウ(ニッコウキスゲ?)が有名。近くの道路を走っていると、キタキツネを見かけた。エゾシカに遭遇するとこもあるらしい。



☆稚内

●宿

「稚内海員会館」 TEL:0162-24-1620 素泊まり3800円

南稚内駅前の宿。清潔でコストパフォーマンス高し。近くには、食堂街やコンビにもあり便利な立地だ。

●食事

「花いちもんめ」 (回転寿司) 

南稚内駅から歩いて30分かかった。地元の人たちで溢れていた。目の前に空港行きのバスが止まるので、ここで食事してから空港に向かえる。


皆既日食2009

2009-08-06 | 番外編


オーロラは何度も見たことあるのだが、同じく宇宙現象である日食は、以前日本で部分日食を一度観察したことあるぐらいで、皆既日食には一度もまだ遭遇していなかった。皆既日食を追って世界中を旅する人もいるぐらいだし、見たという人に会うと、みんな「すごかった!!」みたいな答えが返ってくるので、やっぱり一度見てみないと、オーロラファンの私としてはちょっと片手落ちだ。

2009年7月22日インド、中国、日本のトカラ列島や硫黄島で観察できる皆既日食は今世紀最大ということで私もかなり前から気にはなっていたが、せっかくのチャンスなんで今回はお隣の中国で、一度見てみることにした。

とりあえず皆既日食帯の中心に近い位置の杭州に宿を押さえておいて、22日の朝の天気予報の具合を見ながら場合によってはより条件のよさそうな場所に移動できるよう計画を立てておいた。

20日、杭州に到着。天気は晴れで異常に蒸し暑い。21日も晴れときどき曇りという感じだったが、22日の天気は上海、蘇州、杭州、武漢、成都など皆既日食帯にある都市はことごとく雨や雷、曇りなどと予報されている。
しかし21日の天気予報は曇にもかかわらず、実際は雲は多少あったが晴れ間が覗くことが多く、予報もそれほど当てにならないかもしれない。杭州に限っては降雨予報図を詳細に調べてみても、他の地域よりは希望が持てそうである。杭州より西の武漢などは一日曇りマークで降雨はないようだ。皆既日食帯から外れるが、杭州や武漢などの地方より南にいくと晴れているようで皆既日食帯の内側ぎりぎりまで南下するのも手かもしれない。しかし上海など杭州より東に行くと、日食が見れるどころか大雨で外にも出られない可能性が高い。

22日午前6時に起床し外を見上げると、空は案の定、厚い雲で覆われている。もうちょっと日が昇ればちょっとは晴れるかもしれないが、その薄い可能性にかけるよりちょっとでも条件の良いところに移動した方が利口と思い、昨日の計画どおり西へ向かうことにした。天気というものは地理的条件で、ちょっと離れるだけで劇的に変わる場合もある。

2時間かけてタクシー、バスを乗り継いで、杭州の60KMぐらい西の青山湖という湖の畔に到着。なかなか風光明媚な眺めのいいところで観測には絶好のポイントだ。薄い雲がまんべんなくかかっているが、厚い雲はなく、太陽ははっきり観察できそうだ。すでに地元の人が、黒いフィルムで観察している。外国人の皆既日食ツアーのバスかと思われる車両も見つけた。

上海で観察した場合

食の始め 08:23:21
皆既日食 09:36:28~09:42:18(皆既時間5分50秒)
食の終わり 11:02:02

となっていた。

ここ杭州の西60KMの地点でも、この時間はそう変わらないだろう。
湖畔の階段状の岸に座って、太陽が完全に月に隠れるのを待った。

しかし午前9時30分ぐらいになっても、まだ明るい。若干暗くなった気もするが、それは空が薄い雲に覆われているからかもしれない。

心配になって地元の人にフィルム借りてみると、すでに9割5分ぐらい欠けて、三ケ月状になっているではないか!

すると、みるみる辺りは暗くなってきて、完全に太陽が月に隠れる。
あたりは日没後ぐらいに暗くなった。
今まで直視できなかった太陽は、コロナを発して異様な様だ。
明るい星なら、ポツリポツリと輝くそうなのだが今回は目立ったものは見えない。
湖に浮かんでいる二隻の船は灯をつけた。
5分ぐらい真暗な状態が続いて、すこし西側の山々が明るくなってきたと思うと、太陽が、いわゆるダイヤモンドリング状態になり、周りにいた中国人たちも思わず歓声を上げる。
徐々に明るくなってきてもう肉眼で見れなくなったので、杭州へ引き返すことにした。

う~ん、これがうわさの皆既日食か。やはりオーロラと同じく宇宙現象は壮大さが違う。オーロラとはまったく違った趣だが、シュールで不思議で心奪われるイベントだった。時間とお金をかけても体験する価値はある。皆既日食を追っかける「日食ハンター」の気持ちはよく分かった。

杭州でも、雲の合間からなんとか見えたそうで、ビデオに撮ったのを見せてもらった。しっかりダイヤモンドリングも映っていた。しかし杭州より東にいた人はやはりだめだったようだ。

●皆既日食観測グッズ

日食観測用めがね:皆既日食だからいらない、と思って持っていかなかったんだが、どれぐらい欠けているんだろうと常に気になるので目を傷めないために持っていた方が良い。サングラスや黒い下敷きでは目を傷めてしまう。

カメラと三脚:カメラはオーロラのときと違って望遠の利くのが良い。暗いところで望遠使うので三脚は必須だ。