THE ARCTIC - オーロラの地を旅する

北欧北極圏、アイスランド、グリーンランドの旅行情報

OqaatsutからIlulissatへ

2012-05-31 | 北極圏旅行2012初夏
朝遅めに、目覚めた。相変わらず、天気は最高にいい。
今日OqaatsutからIlulissatへ、フェリーの便があるのだが、昨日、宿の主人に聞くと、Oqaatsutでは、チケットの販売はないと言う。
インターネットで買うか、IlulissatのDisko Lineの事務所で買うかしかないらしい。
それで、昨夜、無理言って宿の主人にチケットをお願いしたのだった。
宿の主人に会いに行く。すると、チケットは取れたが、出発時刻が予定より早くなって、午後3時か4時になると言う。Disko Lineから、そのような電話があったらしい。スケジュールでは、19:45 Oqaatsut出航となっているが…



村をふらふら散策した後、宿に戻ってくつろいでいると、主人がやって来た。またDisko Lineから、電話があって、今度は午後2~3時の間に変更になった、と言う。とにかく、船が到着したら、到着を主人に電話で知らせてくれるらしい。
午後2時。港と宿は目と鼻の先なので、宿の外から港を眺める。
ずっと待つが、来る気配はない…
宿の中で、待つが、主人から連絡はないし、 氷山が邪魔して遅れてるのか?
3時。外に出て港を見るが、船は泊まってない…
すると、主人がやって来た。
どうやら港でなく、反対側の海岸に着岸してるらしい、と言う。なんで反対側の海岸やねん?そんなん聞いてへんで!
急いで、主人と一緒に反対側の海岸へ行く。向こうから、一人、こちらへかけて来た。主人がいうには郵便局員らしい。若い郵便局員と合流した。主人に礼を言って、お別れする。郵便局員について行って、船にたどり着いた。



10人乗りぐらいの小さい船だ。何人か見送りの人が集まっている。私が船に乗りこむと、エンジンをかけ、早速出航。郵便局員は乗りこまないみたいだ。
郵便局員や見送りの人達に手を振ってさよならする。
あまりに短い滞在だったが、Oqaatsutなんとなく楽しかったな…
氷山の間を縫って、船は進む…




Oqaatsut

2012-05-30 | 北極圏旅行2012初夏
寝不足気味だが、今日は長距離ハイクにチャレンジの日だ。宿をチェックアウトし、空港へ向けて歩き出す。
Hotel Arcticの道路はさんだ前がOqaatsutコース出発地点だ。



今度はオレンジ色の目印のようだ。トレイルを進んで行くと、空港手前で、一度道路に出るが、道路を進むと、ちょうど空港管制塔の向かいから、トレイルが再開する。しばらく滑走路横のフェンスの傍を辿る。ホステルのスタッフが言っていたように、かなり水浸しで、長靴でないと厳しい。しかし、雪は残っていない。想像よりは容易に歩ける。
滑走路の先、フェンスが途切れ、広大なツンドラの大地を独り進んでいく…
すると、なにやら遠くでざわざわ声がするぞ…
向こうに、小学生の団体だろうか、どうやら私と進む方向は、同じようだ。
どこに行くのか聞いたが、まだ英語は習ってないようだ…
彼らは、溝になって水溜りになってしまってるコースの上でなく、苔むしたコース外を勝手気ままに歩いてる…おいっ、脆弱なツンドラの自然を踏みにじっていいのか?!お前達の母なる大地じゃないか…
まあ、彼らは、ずっと昔から環境保護とか、そんな概念なしに、自然と調和して暮らしていたんですね…ツンドラの土地を踏まずして、狩や漁や、生活などできようか…

引率の先生に、いまどの辺なのか、ホステルのスタッフHenrikにコピーしてもらった地図を出して聞いてみた。
すると、先生は、Uujuk Killeqというところで、私達はあの家に2泊するの、と言う。見ると、遠くに家が見える。小学生の団体は全員で20人くらいか…20人も、あの小さな家に泊まれるのか…?
どうやらOqaatsutまでは行かないことが判明した。それもそうだな、Oqaatsutだと、Ilulissatから、20kmある。この団体、ほんの遠足って雰囲気だしな…
しかし、ということは、今いる地点はOqaatsutのコース上なのか?さっきからオレンジのマークがなく、そのうち出てくるだろうと思っていたが…
周りを見渡しても、オレンジのマークは見当たらない。ちょっと引き返して、探すが…ちゃんとよく踏まれたコース上を進んでいたので、てっきりOqaatsutへの道だと思っていた…
地図に目を凝らす。ここがUujuk Killeqだとすると、さっきの谷のところでコースが川に沿って上流へと向かっているな…
谷まで引き返す。結構滑りそうになりそうなところで、そこには、オレンジのマークがあったのは覚えている。
谷を降りた側にはオレンジのマークがあるが、対岸には見当たらない。上流の方へ目を凝らすと、オレンジのマークを発見。谷間の川を上流へと行く。



湖に出くわし、湖岸のマークを頼りに、雪で覆われた湖岸を歩く。湖から、上へと続く道があり、マークがあるのも見える。
やれやれ、乗り切った。見つからなかったら、どうしようかと思った。引き返すか、危険を承知で、コピーの地図頼りに続行するか、それとも、先生にお願いして、小学生の団体と一緒に合宿するか…
登ると、遠く海岸近くに、小学生の団体が泊まる家が見える。

先を独り歩いて行くと、Henrikが言っていた、川が見えてきた。そんな、幅はないが、結構流れ急だな…
ここに、橋が掛かっているはずだが、もう流されてるかもしれない…そうHenrikは言っていた。そうなると、なんとか渡れそうなところ見つけるか、引き返すしかない…
近づくと、木の板が岩に引っかかって、傾いて流されそうになっているのが見える…あれが橋?
確かに、ちゃんと川の上に固定されていれば、
あんな板でもその上を歩いて川を渡ることができる。しかし今は急な流れの下に、浸かっている…
とにかく、崖を降り、詳しく観察する。今にも流されそうに見えたが、急な流れの下、しっかり持ちこたえているようだ。人が載っても平気そうだ。流れの下といっても、長靴だと濡れずに渡れそうだ。
意を決して、足を載せる。橋はびくともしない。橋と一緒に流されることはなさそうだ。
全長4mぐらいの橋を、慎重にかつ、素早く渡る。よし、うまくいった。最難関をクリアした…

橋を渡った後から、極めてコースが分かり易くなった。ちゃんとオレンジのマークは視界にちょうどいい間隔で配置されていて、トレイルも、去年の夏は、よく通られているのか、はっきりしている。
適当なところで、昼食をとることにする。木陰で一息つきたかったが、ツンドラの大地に木陰などあろうはずはない。岩陰の残雪に瓶ビールを突っ込んで、近くの乾いたところに座る。
しかし、本当に快晴でラッキーだ。風もほとんどない。日向だと暑いくらいだ。
まさか、雪のSisimiutより北のIlulissatで、夏のような日が続くとは…

昼食後、先を急ぐ。まだ半分にも達してない。いくら24時間明るいといっても、遅くなると不安だ。気温も下がるし、若干暗くもなる。天気が急に崩れるかもしれないし、なにより宿を探さないといけない。

右手に潟が見えてきた。湖面はまだほぼ氷結している。海へと通じる水路があって、トレイルはその上を通っている。地図上でもちゃんと陸地と陸地が離れて描かれているが、そこは問題ない、とHenrikは言っていた。
実際、水路は岩で埋め尽くされていて、その上を通ればよかった。
水路を渡りきると、一本の流木が立てかけてある。Oqaatsutまであと5分の2ぐらいか。



ずっと山の斜面を行く。山といっても標高200mぐらいだし、トレイルも、アップダウンはほとんどない。道もわかり易く、オレンジのマークも順調に視界の範囲に常にある。
斜面の下に、家が、ポツリポツリと見える。人影はないが、誰か住んでいるのか?海も凍っているし、ボートもない。夏用の家なのか?



しかし長いな。20kmだとちょうどよい距離だと思ったが、昨日の寝不足のせいか、だるくなってきた。
そんなことを考えていると、さあどうぞと言わんばかりに、次に見えるオレンジのマークの下辺りが、広い一枚の岩になっていて、大の字になって寝れるぐらいのスペースがある。
岩の上に、タオルやサンダルなどをひいて、仮眠をとる…

休憩後、てくてく歩き始める。前半戦に比べて、トレイルも分かり易く、アップダウンもないので楽だ。ひたすら歩を進めればOK…
トレイルが岩山の斜面になった。これじゃ、先に踏んだ跡が残らないので、オレンジのマークだけが頼りだ。まあ、もう海岸沿いに歩いて行けば、たどり着くのは分かっている。
それにしても、この岩山、さらさらの溶岩が固まってできた山なのか、山の頂上から麓まで、板のように平らな岩でできている。一度転んだら、下まで転がって行きそうだ。



海岸には、大量の氷山が静かに浮いている。なぜか分からないが、今年はIlulissatからOqaatsutまで、大量の氷山が群がっている、とHenrikが言っていたが、まさにその通りの状況だ。

遠くに、集落が見える。どうやら、あれがOqaatsutのようだ。ようやくたどり着いた…氷山がぎっしり浮いている海と、可愛らしいカラフルな家々がポツリポツリあるさまが、なんとも絵になる。港で人影も見える。ハイキングを開始して、初めて土地の人を見た。ああ、これでようやく足を休めることができる。



墓地を通って村に入る。ここで、もうオレンジのマークは終わってるようだ。
岩の丘の上にベンチが据えられてある。ひとまず休憩をとるか・・・
ベンチの背に簡単な地図が貼り付けられてあって、大体の町の概要が把握できた。

Henrikの言っていたH8という宿兼レストランを探す。右手の港の方を見渡すと、屋根に大きく“H8”と書かれた海岸に面した家を発見。なんて分かりやすいんだ・・・



H8に近づく。なんか悪い予感が・・・
扉をノックする。やはり留守のようだ。窓から覗き込んでも、誰もいないし、気配もない。
周りの建物も覗いてみるが、同様だ。
狭い村だ、誰かに聞いたら何か知っているだろう。
港に行って、日に焼けた顔のイヌイットのおじさんに聞いてみた。
すると、あの青い家が、宿の持ち主だから、ノックしてみろ、とグリーンランド語で言ったように解釈できた。
ドアをノックする。返事がない。もう一度強く叩く…しびれを切らせて、ドアを開けてみた。すると、難なく開いて、同時にデンマーク人のおじさんがヌッと顔を出した。
あの…宿探してるんですけど・・・

H8のオーナーは、気のいいおじさんだった。今日は休みだったらしく、レストランも休み。しかし、突然の来客のため、宿と食事を準備してくれた。
宿は、ドミトリー1泊280DKKと、寝袋を持ってこなかったため、プラス50DKK。食事は150DKK。Muskoxと、赤キャベツの煮たような物、ジャガイモ、氷山の氷を溶かした水・・・



Muskoxは初めて食べたが、柔らかく、やはり野性の牛という感じの味でなかなかうまい・・・
今は、シーズンがスタートしたばかりで、昨日は昼、30人の団体が来た、と言っていた。明日は5人ぐらいの団体が来るらしい。夏のシーズンになると、宿もレストランもフル稼働なんだろう。泊まり客は私1人で貸切状態だ。
宿も1階がリビングルームになってて、2階というか屋根裏部屋が8人泊まれる大部屋だ。しかし水道という物はない・・・
つまり、シャワーも無くて、トイレも水洗ではない・・・
シャワーは村共同のシャワールームがあるらしいが、もう遅くて閉まっている。手を洗うにも、ポリタンクの水を利用する。
食後、がらんとした部屋で休んでいると、急に疲れが感じられた。暖房ももちろんないので、身体も冷えてくる。歯を磨き、顔だけ洗って、早々に寝袋に入って就寝する。




白夜の氷山

2012-05-29 | 北極圏旅行2012初夏
午前中は、昨日行かなかった、発電所からオールドヘリポートへ辿るルートを行く。
発電所は、青い煙突が目印だ。発電所を過ぎたところに、ベンチと左に丘の上に続く階段があり、登って行く。黄色のマークを辿って進んでいく。右手には、氷山で覆われた海が美しい。ところどころ、まだ雪が残っていたり、水溜りになっていたりするので、長靴でないと濡れてしまうだろう。
そのうち、巨大氷山群が見えてきた。このコースが一番、巨大な氷山の全てを同時に眺めれるし、崖の上で、高所恐怖症でビクつきながら眺める必要もなく、ゆったり弁当食べながら、お茶しながら優雅な眺めを楽しむことができる。ただ、ベンチは設置されてないが。
Sersermiutには、ベンチが設けられてる箇所があるが、巨大氷山群全てを見渡せないので、今回のこのコースに私としては軍配を挙げたい。
ただ、大きな氷山群が、もっとフィヨルド内にあれば、話はかわるが。

…午後11時半。もう寝床に入ってもいいころだが、ゴソゴソ長靴を履いて、カメラの充電池をチェックし、帽子をかぶり、外出…
発電所の方へ向かうと、道の向こうに、黄金に輝く氷山の海が…空気も冷んやりしている…昼間は日差しも強く、暑いくらいだったが。
海は静まりかえって、鏡のように空を反射している。
水平線上に赤みがかった太陽が浮いているが、海に反射されて2重に眩しい。



氷山に、ほぼ真横から夕陽が当たるため、より立体感があり、昼間の白一色とは、また違った光景だ。
昼間と同じコースを辿る。巨大氷山群も黄金に輝き、陰影のコントラストが美しい。多少空が暗くなった分、コースも分かりづらい部分もあるが、夕陽の光で、ツンドラの大地も、哀愁感漂い、なにか映画の一シーンのようだ…


これぞグリーンランド!!

2012-05-28 | 北極圏旅行2012初夏
朝7時。快晴という感じではないが、晴れは晴れだ。早速、準備して出発。

昨日、ホステルのスタッフが言っていた、木道の整備されてる、Sersermiutまでの最短コースを行くことにする。
オールドヘリポートが3つのコースの起点となっていて、そこからSersermiutまで1kmだ。木道を進んでいくと、周りはツンドラの苔の大地。それだけでも、朝の陽の光を浴びて、十分美しい光景だ。
途中、雪で木道が塞がれてたりするが、Sisimiutで買った長靴で、雪の上を軽快に歩いて行く。向こうに、白く輝く氷山が海をぎっしり覆っているのが見えてきた。



木道が途切れて、視界を遮る丘を回りこむと、氷山で埋め尽くされた輝く海が広がっていた。無数の氷山の中で、際立って巨大な氷山が海側に見える。氷河の河口の方は、大きな氷山はないみたいだ。
それにしても、壮大な風景だ。我々がイメージするグリーンランドの風景とは、このような風景なのではないだろうか?
シーンと静まりかえる神秘的光景の中、ゴゴォー、と氷山の一部が崩れ落ちる音が遠くに聞こえる。
美しさに心打たれ、呆然と立ちすくんでいると、後ろから団体がやって来た。
みな、この光景に圧倒され、見入っている。
そばの男性が私に話しかけてきた。
「やあ、どこから来たんだい?」
「日本から来た。おたくは?」
「デンマークからだ。どうだい、この景色?」
「いや、まったく、すばらしい。」
「本当、すごい風景だ。ここは、いつ来たんだ?」
「昨日、船で来た。」
「昨日?俺もだ。NUUKから船に乗って来た。」

絶景を背後に話しがはずむ…

「バンクーバーにいたのか?あそこはすばらしいところだ…実は、カナダに移民しようと思ったことがあって…しかし、結局許可は降りなかった。移民するには、正当な理由が必要性だからな…」

そんな、移民したくなるほどバンクーバーが気にいったのか…?まあ、山のないデンマーク本土からすれば、山あり海あり、緑豊かで、ちゃんと都会のバンクーバーは、特に魅力的なのかも…壮大な風景に目をやりながら、考えた…

「バンクーバーは、確かに住むにはいいところた。しかし、物価がちょっと高い…デンマークほどではないかもしれんが…」
「デンマークは確かに物価が高い。税金がえらく高いからな。でも、トータルで考えると、結局高くないんだ。教育や医療は無料だし、失業しても失業手当が給付されて、実質、本当に貧しい人というのはいないんだ…」

デンマークだっていいところじゃないか。わざわざ移民する必要ないじゃん?

男性の属する団体が次へと移動しだした…

「俺達はHotel Arcticに、木曜日までいるんだ。じゃあSee you!」
「See you!Have a nice day!」

もとの静寂が訪れた…

もうしばらく景色を堪能して、西へハイキング道を辿ることにした。Seqinniarfikまで、青い丸のマークがところどころしてあり、素直に辿っていく。Seqinniarfikからは、ヘリポートへ戻る道とさらに西へ辿る道に別れる。朝飯もとっていないので、宿に引き返すことにする。

昼食後、睡眠をとって、午後5時前、約7kmの5時間コースを行くことにする。
昨日、他の旅行者の話では、まだ雪が残ってるが、なんとか通れる、と言っていたコースだ。
地図でQuarry(採石場)となっているところがスタート地点のようだ。
行ってみると、コンテナが積んである広場に青い印があった。
辿っていくと、小山の斜面に続いている。雪で結構覆われているな…
恐る恐る、斜面を渡る。
雪が深く、何度も足が雪に深くめり込んで、バランスを崩す。
初っ端から難易度が高い…
長靴に雪が入るたびに、脱いで逆さにして雪を出す。
なんとか、横切って、谷間に入った。雪が残ってこのコース最難関の場所だ。



小川を登る感じで、登っていく。大部分はまだ凍結しているようだが、融けて流れている部分は浅いので、その部分を通る。雪が被さっていて、その上を歩くと、ズボッとはまった。膝の上まではまって、長靴の中まで水が入った。
岩に這い上がって、長靴を脱ぐ。長靴を逆さにし、中の水を出して、靴下を脱いで絞る。こうなるだろう、とは思っていたが…
幸い、今日は晴れで気温も20℃近い。濡れた靴下履いてまた歩き出したら、足は冷えることもなく、濡れたのも、気にならなくなった。
しかし、Sisimiutでは雪だったのに、今日はTシャツ1枚でもいけそうだ…
なんとか峠に辿り着く。最難関は突破したようだ。下りは厳しくなさそうだ…
綺麗な池が右横に見える。一息つきたいところだが、先を急ぐ。
下ると、湖が見えてきた。フィヨルドの河口は近いな…
湖とフィヨルドの河口が見渡せる岩の上で休息。フィヨルドの河口は、小さな氷山で埋め尽くされている。ここまで来れば、後は河を左手に進めば午前中に行ったところに合流する…



しかし、このコース、誰とも合わないな…まあ、例の谷間が通り辛いのでしょうがないが、シーズンの6、7月になってもまだ雪が残っていそうだが。

Sersermiutまで辿り着く。午前中は登らなかった、岩山に登ってみる。一応、よく踏まれた道があるのだが、登っていいんだろうか?




もう午後9時前だ。周りは誰もいない。日中より、氷山の陰影がはっきりして、美しい。
岩山の頂上に出ると、巨大な氷山全体が見渡せ、壮観な眺めだ。
大きな氷山で、高さ80mぐらいという。しかし、なぜ上流側に大きな氷山がないのだ?

…宿に帰るともう午後11時前だ。空には雲一つなく、太陽も燦燦と輝いている。



Ilulissat到着

2012-05-27 | 北極圏旅行2012初夏
朝5時に、目覚めた。
外を見ると、起伏の無い、雪でマダラ模様の土地が続いている。7時ぐらいになると、小振りの氷山が一つ二つと見えてくる。
Aasiaatの町が近づいてきた。わりと大きな町だ。港に氷山が浮かんでいるが、邪魔にならないのだろうか?



8時10分前、Aasiaatに到着。8時半に出港なので、それまで散策とする。
いわゆるオールドタウンは、港のそばにある。博物館や教会などもあるが、正直、外観はごく普通の家々…
神父らしき人が、教会の周りを履いていた。目が合うと、ドアを開け、中に入れてくれた。
そういえば、今日は日曜日か…



中は、暖かいが、シーンと厳かな雰囲気。祭壇に掛かってあるキリストと魚の絵がクールだ。
奥に掛かってある数枚の絵が、なかなかグリーンランドらしくて見入ってしまった。
しかし、イヌイットの世界観とキリスト教的世界観って、なんかかなりの開きがあるような気がするが…実際どうなんでしょう…



…浄化された気分で、教会を退去し、船に戻る。
Aasiaatを出港してしばらく進むと、氷山がみるみる増えてきた。
いよいよだな!

10時過ぎ。進行方向左手遠くにDisko Island が見える。その手前に大小の氷山がプカプカ…
氷山のすぐそばを船は通るのだか、大丈夫なのか?海面の下には、海面上に見えてる部分の何倍もの氷塊が隠れているはずだが。ここで、タイタニックみたいになれば、私は数分も保たないな…しかし、イヌイットの人達なら、氷山が浮いている海でも、平気な顔して、いや、むしろ楽しんではしゃいで泳ぎだしたりして…などと、空想してみる…

12時。もうIlulissatは、目と鼻の先のはずだ。しかし、なぜか大きめの氷山は視界には見当たらなくなった…細かい氷塊が、一面に浮いてはいるが…



30分後…気がつくと、あれよあれよという間に、視界は、氷山だらけになっていた…
ドスッ、と船に振動が伝わったかと思うと、氷山に当たった衝撃だった。船に割かれた氷山が、横に押しやられる。やはり多少、小さな氷山ぐらいだつたら当たっても平気な造りのようだ。

Ilulissatの街が遠く、氷山の向こうに見えてきた。しかし一面氷山だらけでどうやって接岸するんだ?



氷山に当たる頻度が増してきた。氷山といっても、船に追突する氷山はたかが1mぐらいの高さなので、流氷といったほうがいいのか?しかし細かい振動が船に頻繁に伝わる。

完全に氷山に囲まれている…たどり着くの無理では…?

ゆっくりゆっくり、氷山をかわしながら、船は徐々に港に近づいてゆく。Ilulussatの街がはっきり見えてきた。まさに、「氷山の町」にふさわしい…

雨がパラパラ降っている。港に、出迎えの人達が大勢見える。
しかし、グリーンランドに来て、雨でも雪でも、傘をさした人を私は見たことない…

結局、午後1時到着の予定が、2時を大幅に超えて、ようやく上陸となった。

下船して、雨の中旅行代理店へ行って、とりあえず情報収集。エコノミーで良さげな宿どこ?と聞くといろいろ教えてくれたが体育館が一番安いと言う。Sisimiutで、もうIlulissatの体育館は宿やってないのは調べ済みだったが、荷物だけ置かせてもらってとりあえず行ってみる。

小さな村にしては立派な体育館だ。トレーニング室もちゃんとある。しかし宿はやはりやってないと言う。

船の中で調べてもらった宿でCafe HongKong というのがあった。これって宿なの?って聞いたら、分からない、と船の乗務員は言った。気になるので、行ってみる…
中に入ると、複数のグループが食事していた。わりと人気があるカフェなんだろう。メニューを見ると、タイ料理が最初書かれてあって、あとフライドライスや、ハンバーガーなどとなっていた…
グリーンランドでタイ料理か…
そういえばNuukにもタイ料理屋があって、タイ人がいる…とBirkeおばさんも言っていたな。
調理兼接客担当の従業員(働いてたのは、彼一人だったが)に、ここって宿もやってるの?と聞くと、昔やってたが、今はやってない、と言う。
「どこから来たんだ?」
「日本から。で、あんたは?」
「タイ」
「Sawadee kraup!!」
「Sawadee kraup!!」
タイ人おなじみの笑顔で彼は返答した。

結局、いろいろあたったが、ユースホステルに落ち着いた。
1泊シングルのスリーピングアコモデーションで400DKK。
建物は結構古そうだ。中は綺麗に保たれているが、明らかに傾いている。地盤が沈下したのか?これで400DKKは高いが、ここでの一番安い宿なのでしょうがない。
500DKKのB&Bという手もあったが、キッチンは使えない、と旅行代理店で言われた。

天気予報では、明日からずっと晴れらしい。もっとも晴れてほしかった場所で晴れなので、ラッキー。

今日は、とりあえず買い物行って、晩飯作って、明日に備えて早く寝るか…