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グリーンピース:北極を保護区に

2013-09-24 | 北極圏ニュース


国際環境保護団体グリーンピースは9月19日、北極海の石油採掘に対する抗議を行っていた同団体の船舶にロシアの武装部隊が突入し、全乗員が一つの部屋に監禁された、と発表した。

同団体の船舶「アークティック・サンライズ」上から電話取材に応じた活動家の一人は、自分を含む乗員29人が食堂に監禁されていると話した。また、先にロシア沿岸警備隊に拘束されていたメンバー2人も同じ部屋に入れられているという。2人は6月18日、ペチェラ海にあるロシア国営エネルギー大手ガスプロム所有の石油プラットホームによじ登ろうとして、後に拘束されていた。

同団体は、マシンガンで武装した集団がヘリコプターからロープをつたって船に乗り込んできたと述べている。

グリーンピースは、ガスプロムが石油漏れ事故を起こす危険があり、ホッキョクグマやセイウチの生息地である自然保護区が3か所ある同地域に壊滅的な被害をもたらす恐れがあると主張している。ガスプロムは、この石油プラットホームでの生産を2014年に開始する予定。

グリーンピースは、2012年6月ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議「リオ+20」の会場で、北極を資源開発から守るためのキャンペーンを発表した。このキャンペーンは、どの国の領土、領海にも属していない北極点周辺の公海をグローバル保護区に設定することを目指すというスケールの大きいものだ。グローバル保護区とは、その海域内での資源開発や漁業を国際的に禁止することを言う。

現在、南極大陸は、環境保護に関する南極条約議定書により1998年から鉱物資源の開発が禁止されている。この時もグリーンピースが、南極に基地を設置するなどして、開発の禁止を各国に同意させるきっかけを作ったということだ。

グリーンピースは、北極海を航行できる船を所有しており、北極での調査活動や、現在北極海で石油資源の掘削を始めようとしている企業に対して開発見直しを迫っている。

ロシア・ノボシビルスク諸島における軍事基地再建

2013-09-23 | 北極圏ニュース
欧州とアジアを結ぶ最短ルートである北極海航路。ソ連時代、外国の船舶は北極海航路を利用できなかった。北極海航路が国際航海のために開かれたのは1993年だ。だが外国の船舶が初めて北極海航路を航行したのは2009年になったからだった。
ロシア運輸省の試算によると、2020年までに北極海航路の輸送量は、年間3000万トンに達する可能性があるという。その半分は北極圏で採掘された資源、それ以外は、ほかの場所から輸送される貨物となる。
ロシアは今も、世界最強の砕氷船団を有している。船団は6隻の原子力砕氷船を含む40隻の船舶で構成されている。ロシアの造船所では、2020年までに新たな砕氷船が3隻建造される予定である。

イタルタス通信が、国防省で発言したウラジーミル・プーチン大統領の声明を引用して伝えたものによると、ロシアは北極海のシベリア東部沿岸、ラプテフ海と東シベリア海の間にあるサハ共和国に属する最果ての島嶼、ノボシビルスク諸島にある軍事基地および飛行場を再建するということだ。
プーチン大統領は、「1993年にロシア軍はそこから撤退したものの、北部北極海にとっては重要な拠点であり、北極海航路開拓にとっても新しい段階となる。」と指摘したらしい。

2013年9月12日、北極艦隊に所属する軍艦および測量船の乗組員が、ノヴォシビルスク諸島を構成する島の中での最大の島コテリニイ島に上陸し、放棄された飛行場の再建作業を開始した。飛行場「テンプ」の滑走路は約20年使用されたことがない。
ノボシビルスク諸島における軍事基地再建は、北極におけるロシア軍のプレゼンスを確保するための国防省による大規模計画の一環。12日には他の艦船がフランツ・ヨーゼフ諸島最北部のルドルフ島にも上陸していた。ソ連時代には地震観測所として使用されており、地震のほか、核実験やミサイル発射を観測していた。