Kaamanen

朝起きると、相変わらず窓の外はどんより曇っている。しかし、しばらくすると晴れ間が覗きはじめた・・・
黄葉の木々が朝日に当たって、黄金に輝いている。しかし、まだ黄葉してない木々も多く、これから本格的なルスカのシーズンになるのだろうか。
キャビンにあったコーヒーメーカーで、コーヒーをいれ、昨日ヘルシンキ空港で買ったブルーベリーや日本から持ってきた菓子で、軽く朝食を摂ることにする。
黄葉を楽しみながら、優雅な朝食・・・といきたかったが、みるみる天気が崩れ、雨がパラパラ降ってきた・・・

１２：００チェックアウトし、すぐそばのバス停で１２：３５のバスを待つ。ロバニエミからのバスで、乗客の乗降が激しかったのか、１５分ほど遅れてやってきた。
イヴァロまで、ほんの４ｋｍ、あっという間の到着だったが、運賃は３．２ユーロと高めだ。過疎のラップランドでは、しかたないか・・・
イヴァロのバスターミナルの近くに大きなスーパーがあった。今日の宿泊先の近くにはスーパーなど何もないので、食料を調達せねば。
都会のスーパーとまったく遜色ない品揃え。イヴァロはフィンランドの北部ラップランドで一番大きな、空港もある町だが、人口４０００人ほどの、日本でいえば村ほどの規模の、地の果ての町だ。



Ivaloのスーパー

スーパーを出ると、さっきまでの曇り空が嘘のように晴れ間が広がっている。どんより殺風景な町が、陽が差しただけで、雰囲気がまるで違ってくる。
１５：１５のバスで次の宿泊地のKaamanenに向かう。途中イナリで５分ほどのストップオーバーがあって、予定通り１６：２５前後に到着。
宿のレセプションで受付を済ませ、尋ねた。
「今日の天気は、どうですか？」
「うーん・・・晴れるかもしれないし、曇るかもしれないし・・・」
「オーロラは？」
「今日の予報では、オーロラ活動Levelが低いのでどうでしょうかね・・・」
自分がよくチェックするアラスカ大学のサイトを開いてそう言った。
「今週の月曜は大きなオーロラが出る予報でしたが、曇りだったんで見えませんでした・・・」



コテージ前の川

夕方近くになり、空はびっしり雲で覆われていく。しかし午後９時になってもまだ暗くならず、西の地平線上が帯状に明るい。
ほぼ、あきらめムードだったのだが、わずかな可能性を捨てきれない。他にやることもないし、まだ眠くもないので空をじっと観察することにする。
すると、おかしなことに西の地平線上の明るい帯の幅が、前より大きくなっている。午後１０時だというのに、そのせいで空は完全に暗くならない。
まだ陽は沈んでないのか？それとも月明かりが明るくさせるのだろうか？とにかく暗くならないし空の大部分は雲で覆われているのでオーロラが見える段階にはない。

午後０時。空の西半分が部分部分晴れている。星も輝いている。やはり月明かりだったのだろうか、やけに空が明るく感じられる。
眼を凝らしてよく見ると、うすーーい、もやっとしたのもが、頭上に帯状に分布している。
これって、雲っぽくないけど、ひょっとしてオーロラ？
帯状のもやっとしたものは、よーくみると揺らめいているようにも見える・・・
しばらく観察すると、やはりわずかに揺らめいている。こんな動きは雲には無理だ・・・それに、少々緑っぽい色を帯びている。
今まで見てきたオーロラのように、一目瞭然ではないが、確かにオーロラのようだ。
ということで、４年ぶりのオーロラとの対面は？？な感じとなってしまった・・・

午前２時。空の大部分が晴れ渡った。真上に帯状のオーロラが伸びている。そんなに揺らめかないし、非常に薄い。周りがもっと明るければ見落としてしまうだろう。
もうこれ以上、明るく大きなオーロラは今日は望めないだろなぁ、とあきらめ、寝床に付いた。

今日の宿　：　Hostel Jokitörmä

イヴァロからバスで１時間１０分。ユースホステル会員なら割引価格で利用できる。湖畔にコテージが並んでいて、コテージの窓からすばらしい景色を楽しめる。
コテージはYH会員割引はなく、４人用コテージ５５ユーロ。別に鍋や食器が必要なら４人分のセットで４ユーロ/日必要。ボートは無料で借りられる。
WiFiは、受付のある建物とその周辺で利用可。
売店とレストランは１．５ｋｍ北にあるらしい。