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北極評議会:日中韓のオブザーバー参加承認

2013-05-16 | 北極圏ニュース
北極圏の豊富な天然資源に国際的な関心が高まるなか、北極海沿岸のロシアやアメリカ、ノルウェーなど8か国が、北極圏での環境に配慮した開発の進め方について話し合う「北極評議会(AC)」の閣僚級会合が5月15日スウェーデン北部のキルナで開かれ、資源開発に関心を寄せる日本、中国、イタリア、韓国、シンガポール、インドの6カ国が、評議会のオブザーバーとしての地位を認められた。

会合にはアメリカのケリー国務長官やロシアのラブロフ外相も出席し、北極海での資源開発や北極海航路の利用が進むなか、油の流出事故が起きた場合にいかに協力して対応するかなどについて意見が交わされた。

さらに、資源開発に関心を寄せる日本をはじめとする各国にオブザーバーとしての地位を認めるかどうかも話し合われ、協議の結果、6か国が新たにオブザーバーとして認められた。

日本としてはACのオブザーバーとして認められたことで、北極圏での資源開発や環境保護を巡る議論に深く関わる足がかりを得た形となり、今後、沿岸国などとの連携を強めながら積極的に関わっていくことになるだろう。

外務省は今年3月19日、地球温暖化の影響が大きい北極に関する政策を関係国と意見交換するため、「北極担当大使」のポストを新設した。西林万寿夫文化交流担当大使が兼務する。3月20日から21日にかけて西林大使は、スウェーデンのストックホルムにて開催されたAC高級北極実務者会合にアド・ホック・オブザーバーとして参加し、各国の出席者と意見交換を行い、特に我が国のACにおけるオブザーバー資格が今回のAC閣僚会合において承認されるようACメンバー各国に協力を求めていた。

北極評議会は1996年9月にカナダの首都オタワで設立された。北極圏に係る共通の課題(特に持続可能な開発,環境保護等)に関し,先住民社会等の関与を得つつ,北極圏8か国(カナダ,デンマーク,フィンランド,アイスランド,ノルウェー,ロシア,スウェーデン及び米国)間の協力・調和・交流を促進することを目的とした、ハイレベルの政府間協議体である。(なお,軍事・安全保障事項を扱わないことが明確に確認されている)
日本は,2009年にオブザーバー資格を申請。中国、インド、韓国、シンガポールもオブザーバー参加を正式に申請していた。