THE ARCTIC - オーロラの地を旅する

北欧北極圏、アイスランド、グリーンランドの旅行情報

ホルンスン(Hornsund)

2009-04-08 | スヴァールバル諸島
スピッツベルゲン島の南部、ホーンスン・フィヨルドにあるポーランドの北極観測基地。位置は北緯77度、東経15度33分。1957年に建立され、通年観測を行っている。
 この観測基地は、非北極国が独自に運営する通年北極観測基地としては世界中で唯一のものらしい。ポーランドの運営する観測基地としても一番北にある基地だ。ポーランド人の研究者が8人住んでいる。

Polish Polar Station  http://hornsund.igf.edu.pl/


スヴェアグルーヴァ(Sveagruva)

2009-02-28 | スヴァールバル諸島


スヴェアグルーヴァはVan Mijenfjord(スヴァールバル諸島で3番目に長いフィヨルド。スピッツベルゲン島南部)の奥に位置する炭鉱の町。位置は北緯77度54分東経16度41分。

 今はここに定住する人はいないが、約300人の労働者がロングイェールビンで暮らし、週単位でスヴェアグルーヴァに通っている。

 町はスウェーデン人によって、1917年に初めて設立された。
 1944年にUボートによって破壊されたが1946年には再建され石炭を産出していたが1949年には再び閉鎖された。
 1980年からは80~100人ほどの労働者が従事するようになり町も発展したが80年末には石炭相場の下落により、ほとんど町は閉鎖されかけた。
 90年代中頃、再度炭鉱は開かれて、400万トンの石炭を毎年生産するヨーロッパで最大の地下炭鉱のうちの1つとして甦った。



ロングイェールビンとSvea空港を結ぶ便は旅行者には解放されていない。



定期便はない。



Sveagruva周辺

ニーオーレスン(Ny Alesund)

2009-02-20 | スヴァールバル諸島
ニーオーレスン(Ny-Ålesund)は、北緯78度55分、東経11度56分に位置し、スヴァールバル諸島のスピッツベルゲン島にある、人が定住する地としては世界最北に位置する町、というか小さな観測村である。

 1890年代からノルウェーによる炭鉱開発が進み、一時は炭鉱の町として栄えた。1962年の炭鉱事故により炭鉱は閉鎖されたが1968年ノルウェーの極地研究者に開放された。1980年代からは、ノルウェー人だけでなく世界中の研究者によって極地科学や極地生態研究の世界的拠点として活用されるようになった。
 現在はノルウェーの他、日本、アメリカ、オランダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、中国、インド、韓国がニーオーレスンに研究所を設置している。人口は季節にもよるが40人程度である。

 土産物屋、博物館、郵便局、売店などがあるが基本的に研究者のための町で個人旅行者が気軽に来れるところではない。アルコールは売店で購入可能でロングイェールビンと同じく無税なので比較的安い。
 このあたりの土地はKing Bay AS という会社の所有で訪問を希望する場合、詳しい問い合わせはその会社に尋ねることになる。

○国立極地研究所 北極観測センター  http://www-arctic.nipr.ac.jp/

日本の観測基地。北極圏の自然環境に関する様々な分野の研究を進めている。
ニーオーレスンの西に位置し、滑走路のすぐ近くにある。町の中心まで歩いて30分。
 
  

石炭の積み出しに使った機関車

宿

◇Nordpol Hotell

通常は研究者、技術者のみ宿泊可能。

シングル1520NOK ツイン1160NOK/人 1日5食!?付(コミュニティハウスで)

◇Ny-Ålesund Camping

町より1KM。設備はトイレのみ。コミュニティハウスでのバスルーム使用可。現在このキャンプ場の利用が可能かどうか未確認。



King Bay AS所有の空港とロングイェールビン間の便はKing Bay ASの管理下にある。
1人往復4200NOK。 夏期週2~3便、冬期週1便。



夏スヴァールバル諸島クルーズなどで上陸できる。

ビュルネイ島(Bear Island)

2009-01-31 | スヴァールバル諸島


北極圏のバレンツ海にあるノルウェー本土とスピッツベルゲン島との約中間地点に浮かぶ不毛の島ビュルネイ島
(Bjørnøya)。英名ではBear Islandとも言う。
 北緯74度31分、東経19度01分、面積178km2、スヴァールバル諸島最南端の島である。

 気候は北のスピッツベルゲン島よりマイルドだが霧が多く、降水量もノルウェー本土よりはずっと少ないが、他のスヴァールバル諸島の島々より多い。

 以前は石炭採掘、漁業、捕鯨のため一時人が住んでいたこともあるが、現在は気象観測所で働くスタッフが9人ほどいるだけの無人島である。

 北極グマやセイウチ、北極ギツネなど野生動物が生息していたが、北極グマやセイウチは捕獲され、いなくなってしまった。北極グマは冬流氷に乗ってたまにやってくる程度である。今は多くの海鳥と絶滅寸前の北極ギツネが生息している。
 2002年に気象観測所周辺以外の全ての土地が石油天然ガス業界の反対を押し切って自然保護区に指定された。



スヴァールバル諸島クルーズに参加すると寄ることがある。気象観測所ではちょっとしたお土産も買えるらしい。博物館もある。

スヴァールバル諸島って?

2008-11-01 | スヴァールバル諸島
スヴァールバル諸島(Svalbard Islands)をご存知だろうか?北極圏のバレンツ海に浮かぶ群島である。 北緯74度~81度、東経10度~35度の間、ノルウェーと北極点のほぼ中間に位置する。

 トロムソからスピッツベルゲン島にあるスヴァールバル諸島最大の町、ロングイェールビンまで飛行機で北へ1時間40分、約1000KMの距離だ。人が定住する地としては最北の場所である。
 総面積の半分以上が氷河におおわれているが、海流の影響で緯度の割には温暖と言える。

 ワタシは実際ここへ訪れたにもかかわらず、つい最近までスヴァールバル諸島はノルウェー領の島だと思いこんでいた。ノルウェーの通貨が使用されているし、住民の大半はノルウェー人だ。いろんな資料を調べてもノルウェー領として紹介されている。実際ここに住んでいる人もそう思っているんではないだろうか?
 しかし正確に言うと、ここは南極大陸と同じくどこの国にも属さないらしい。だが主権はノルウェーにあって、ノルウェーの法律が適用される(無法状態にさせて置くわけにもいかないので)。ノルウェー人はここが領土ではないので本籍をここに置くことはできない。主権がある、というのと領土であるというのはどう違うのか詳しくは知らないが。

 ここにはノルウェー人の他、ロシア人、タイ人!?など結構いろんな民族が住んでいて、最終的にノルウェー主権の土地となった経緯もややこしい。 

 1920年のスヴァールバル条約によって国際的にノルウェーの主権が承認されたが、日本を含む41のスヴァールバル条約締結国の国民の自由な経済活動を認めることとされた。つまりわれわれ日本人も労働ヴィザなしで働くことが出来るのだ。ノルウェー人がここで行っていることは基本的に、条約締結国の国民なら誰でも行っていいはずだ。タイなどは条約締結国ではないらしいのだが国籍によって排除するのはよろしくないということで受け入れているらしい。
 ソビエト連邦が同条約に加入したのは1935年になってからであり、現在主にここで経済活動を行っているのはノルウェーとロシアである。

 さらにここは極地科学研究の世界的な拠点となっており、オゾン層破壊や大気の研究など環境分野に関する研究も行われているということだ。ロングイェールビンには大学もあり世界各国からの学生で賑わっている。
 あとスピッツベルゲン島にはロシア人の町Barentsburgと、極地研究の拠点Ny-Alesundもある。

スヴァールバルインフォメーション http://www.svalbard.net/



スピッツベルゲン島