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米アラスカ:ロシアへの再編入へ?!

2014-03-26 | 北極圏ニュース
ロシアのプーチン大統領は3月18日、ウクライナのクリミア自治共和国のロシア連邦への併合を宣言した。クリミアではロシアのパスポートへの切り替えが始まり、ロシア移民局は3ヶ月以内にクリミアの住民全てのパスポートが切り替わるよう計画している。

一方、昔ロシア領だったアメリカのアラスカ州では、ロシアへの再編入を求める「請願署名」が行われている。現在、既に22000人もの署名が集まっているらしい。

アラスカ最大の都市、アンカレッジのある市民が「アラスカをロシアに返す」という呼びかけを公表したのは、クリミアがウクライナを離脱し、ロシアに編入されて2日後だった。
請願の根拠としてこの人物は歴史を紐解き、1732年、アラスカの地に初めて足を踏み入れたヨーロッパ人はロシアの船「聖ガヴリエル」号の船員だったことを指摘している。
米国はアラスカをロシアから手に入れたのは1867年。たった20万ドルを支払い、条件付でこれを入手したのだが、その条件の履行を米国は何度も破ってきた。
このため請願書の作成者は、アラスカ州の市民に対し、「アラスカの米国離脱とロシアへの編入」に署名するよう呼びかけているということだ。

3月21日、アラスカのロシア編入についての請願書が米大統領府のウェブサイトに掲載されたが、米政権はこの請願書を隠蔽した。
請願書への支持を表明するにはサイト上のページを訪問せねばならないが、サイトの冒頭のページにこの請願書が掲載されたのはたった数分だった。
現在は同サイトの検索マシーンを用いても請願書を見つけることはできない。サイト規則によれば、米国行政は請願書への法的な回答義務を負ってはいないものの、インターネットユーザーによって30日間に10万回以上の支持を得られた請願書には行政は回答する計画だと書かれている。すべてのサイト訪問者が閲覧できるようにするには、請願書は最低でも150票を集めねばならない。だがこの請願書はサイトの検索でも見つけることができないため、支持を集められない仕組みになっている。

「民意こそ、政府が何よりも真剣に受け止めるべきもの。私が当選したら大統領府を、史上最大に開かれたものにする。」2008年に当選したオバマ大統領はそう提言し、ウェブサイトに新たなセクション「We the people(我々国民)」を設けた。米国民が最も懸念する問題をホワイトハウスに直接訴えられるようにするためにだった。
そして「州政府が連邦から独立する許可を求める請願書」が、50州全てで提出され、うち7州では2万5千筆以上も集めてしまった。中でも10万筆を超える最大数の署名を集めたテキサス州は請願書の中で、国の経済を悪化させ続ける政府の不適切な財政政策と、建国理念に逆行し国民主権を侵害する数々の悪法を批判している。