図書館へ行こう!

 本は私の人生の友・・・

映画 『ディア・ドクター』

2009年07月30日 | 映画
『ゆれる』の西川美和監督が、笑福亭鶴瓶を主演に迎え、僻地医療を題材に描いたヒューマンドラマ。
都会の医大を出た若い研修医・相馬が赴任してきた山間の僻村には、中年医師の伊野がいるのみ。
高血圧、心臓蘇生、痴呆老人の話し相手まで一手に引きうける伊野は村人から大きな信頼を寄せられていたが、ある日、かづ子という独り暮らしの未亡人から頼まれた嘘を突き通すことにしたことから、伊野自身が抱えていたある秘密が明らかになっていく・・・。

『きのうの神さま』の中の『1983年のほたる』という短編は映画の内容と関係ないと思っていましたが、舞台や登場人物が映画と重なるものがありました。
余貴美子さん演じる子持ちの看護師さんは、離婚した夫が医師だったそうで、『きのうの神さま』に収録されていた『ノミの愛情』という短編の中の主婦を思い浮かべてました。 
映画の中では、伊野と父親との関係がくわしくは描かれていませんが、本を読んでいなくても充分察することができるように描かれています。
『きのうの神さま』を読んでいなくても、読んでいても、どちらでもとても面白く観られる映画であると思いますよ。
笑福亭鶴瓶、瑛太、八千草薫、余貴美子など、皆さんそれぞれ、いい持ち味を出してました。
笑いをさそう最後の場面は、観客を暗い気持ちになることから救ってくれたのではないでしょうか・・・。

『もう私のことはわからないのだけれど』

2009年07月28日 | 
著者 姫野カオルコ

全国から13人の普通の介護する人が、ふともらした心の奥をつづった掌編小説集。

『同窓会』 本多彩子(掛川市・44) 
『やきめし』 長森美智子(藤岡市・53)
『エリザベス一世』 内藤伸治(小田原市・49)
『ハッスル』 保木本ゆり(Q市・44)
『次男なのに』 水野千春(名古屋市・45)  
『衣斐さんと、衣斐さんの奥さんのこと』 匿名希望(岐阜市・22)
『年をとってよかったこと』 佐伯理恵(さいたま市・50)
『横浜なんかに住んでてすみません』 赤江朋子(横浜市・43)
『偽善者』 越智淑絵(新居浜市・47)
『ぱたぱた』 菊池典子(花巻市・44)
『スペイン語』 続木宏美(釧路市・46)
『嫁』 橋口洋子(日置市・53)
『三十六年』 コメノオ・ヒカル(大阪市・50)

著者も伯母の介護、伯母の死、病気療養を経験しているようです。
『三十六年』は、男性にしてありますが、並びかえれば著者の名前になりますね。

タレントの清水由貴子さんが自殺したとき、インタビューを受けています・・・
「清水由貴子さん、死ぬことなかったのに・・・。
欽ちゃんの番組でころころと笑っていた清水さん。
明るい笑顔の陰にはきっと辛い気持ちがいっぱいあったのでしょうね。
聞いてあげられたらよかったのにと思います。」
私もですが、姫野さんも清水さんのことがショックだったそうです。

姫野さんの長編恋愛小説『ツ、イ、ラ、ク』は、とってもとっても良かったですよ。
先日から手術のため入院しているようですが、ご快癒をお祈りいたします。
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夜明け

2009年07月24日 | Weblog
先日、二階の窓から見た夜明けがきれいだったので、写真に撮りました。
空に浮かぶ三日月が、どうしてこんなに小さく写るのだろう?
ズームで撮れば三日月は大きくなりますが、朝焼けが写りません。

日食の日に参加した科学技術館のイベントで、疑問が解消!
肉眼で見る太陽の大きさは、本当は小指の先の爪ぐらいの大きさしかない、ということを知りました。
関心があったり、心惹かれたりするものは、実際より大きく見えるそう。
大きく見える夕陽も、ホントは小指の爪ぐらいの大きさ。

帰宅して、やっと雲間から姿を見せた太陽を、小指の爪で隠してみたら・・・太陽が隠れました!
使わなかった日食グラスでも太陽を見てみたら、グラスで見た太陽は小さいものでした。
だから、普通に写真を撮ったら、月は小さいのね・・・。
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皆既日食

2009年07月22日 | Weblog
硫黄島からの画像(国立天文台撮影)


東京は朝から小雨が降っていたので、仕方なく夫が向かうという九段下の「科学技術館」へお供しました。
「東京で見よう 立体ドームで体感する皆既日食2009」というイベントは、62人限定・・・開館1時間前に着いたのに、55番と56番の整理券。あわや、というところでセーフ。アッという間に後ろには200人以上の人の列ができていました。
南西諸島などからの日食画像の中継を見たり、コンピュータシミュレーションにより日食の起こる仕組みを立体的に見たりしました。
晴れていれば、部分日食の観察を自分自身でしたかった~。

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『きのうの神さま』

2009年07月19日 | 
著者 西川 美和

医療現場の綿密な取材から生まれた、現在公開中の映画『ディア・ドクター』。
この本には、映画の中では語りきれなかったアナザーストーリーズが収められています。
『1983年のほたる』・・・このお話だけ違っていて、辺鄙な田舎から町の塾へバスで通う小学生の女の子の心模様が詳細に語られていて、とても面白かったです。
『ありの行列』『満月の代弁者』・・・映画はまだ観ていませんが、映画の内容に近いように感じました。
『ノミの愛情』・・・小児心臓外科医としては名医であるが、家庭内では自我むきだしの夫を持った妻の心情がとても面白かったです。
『ディア・ドクター』・・・医師の父を尊敬しながらも、うまく接することができない兄のことを、弟の言葉で語っています。
以上、5つの短編が収録されていますが、どれも面白かったですよ。

直木賞は次点で受賞できませんでしたが、選考委員の浅田次郎さんが絶賛していました・・・
「今は映像におもねった小説が多いが、映画監督を本業とする方がはっきり文学を書かれたことに衝撃を受けた。
文章のセンスがいい。いい小説を子供のころから読んできたのではないかと直感した。
書き続けてほしい。これからは本を自分で買う」




ハンゲショウ(半夏生)・・・夏至から11日目の半夏生のころ花が咲くからとか、先端の葉だけが白くなるので「半化粧」だともいわれます。
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夏本番

2009年07月15日 | Weblog
関東甲信の梅雨明けが発表されました。
今日も暑~い。
夏のお花が咲いてます・・・







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『小説サブプライム』

2009年07月10日 | 
― 世界を破滅させた人間たち ―



著者 落合 信彦

ノンフィクションを超えるリアリティ!
9・11テロ、エンロン社破綻、リーマン・ショック・・・。
世界を震撼させた数々の事件の裏に隠された真実とは? 
ウォール街の若き起業家・荒木大河を主人公に、病める大国を描く書き下ろし長編小説。  (集英社BOOKNAVI より)

落合さんの著書は国際的なテーマがほとんどですが案外読みやすいので、面白そうなテーマの本を時々読んでいます。
9・11テロの裏側の話、サブプライムローンはなぜ破綻したかなど、興味を持って読みました。
登場人物が仮名であったり、実名であったりですが、アメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズは実名で登場しています。
「ビジネスは、もうけがすべてに先行すると人は言う。
だが、古い人間と思われるかもしれないが、おれはビジネスにも倫理がなくてはならないと思う」 (主人公・荒木大河の言葉)


『鬼の跫音(あしおと)』



著者 道尾 秀介

鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。
蝶に導かれて赴いた村で起きた猟奇殺人事件。
いま最も注目を集める新鋭・道尾秀介が満を持して送り出す、初の連作短編集!  (web KADOKAWA より)

この作品で、直木賞候補となってますね。
どんでん返しがあって面白いとも言えますが、なんともオドロオドロして暗い内容でした。
怖いもの見たさで最後まで読んでしまいましたが、読後感はスカッとはしません・・・面白かったんですけどね。

犬塚 勉 展

2009年07月07日 | 展覧会
―― 稜線の風の如く ――

五感を研ぎ澄ますために山に登り、全身であびる自然の息吹そのものを絵にしようとした画家・犬塚勉。
精密な絵の中に自然の全て(息吹、息遣い・・・)が塗りこまれているようです。
絶筆「暗く深き渓谷の入り口」を描いて1ヶ月後の1988年9月、もっと岩と水の流れを極めたいと谷川岳に登り遭難、38歳の若さで亡くなりました。
今、奥多摩町の「せせらぎの里美術館」で、犬塚勉展(~8月30日まで)が開催されています。

一昨日のNHK教育TV「日曜美術館」で、犬塚勉さんの存在を知りました。
さっそく今日行って来ましたが、小さな美術館の二人だけの女性スタッフは、殺到する全国からの問い合わせの電話の対応に追われ、TVの影響力の大きさを実感していました。
今度の日曜日(12日)午後8時から再放送がありますので、是非ご覧になってください。
ご覧になった人は、犬塚さんの絵を実際に観たいと、きっと思いますよ。

「梅雨の晴れ間」


「縦走路」


「山の暮らし」


「暗く深き渓谷の入り口」
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せせらぎの里美術館

2009年07月07日 | Weblog
中央線立川駅で青梅線に乗り、御嶽駅下車。
川沿いの遊歩道を上流へ20分ちょっと歩くと、築150年の奥多摩民家を解体し、その部材で建てたという「せせらぎの里美術館」があります。
落ち着いた雰囲気の小さな美術館ですよ。

せせらぎの里美術館


川には釣りをする人が沢山いて、カヌーの練習をする人も見かけました


アジサイやユリの花などを目にしながら遊歩道を歩きましたよ


御嶽駅の近くのお蕎麦屋さんで昼食

展覧会

2009年07月02日 | 展覧会
東京都美術館で開催されている「日本の美術館名品展」を観てきました。
今度の日曜日で終了だからでしょうか、平日なのに混んでましたよ。
上の画像は、ボナールの絵(愛媛県美術館)です。
モネ、ルノワール、ピカソなどなど、日本全国の美術館の有名画家の絵が、多数展示されていました。
岩手県立美術館で観た萬鉄五郎の絵や、高島野十郎展で観た「蝋燭」(福岡県立美術館)の絵などをまた観ることができて、とても嬉しかったですよ。
速水御舟の女性を描いた日本画(福島県立美術館)も素晴らしいものでした。

高山辰雄 「食べる」 (大分県立芸術会館)

一番観たかった絵です。片岡球子の「面構」(神奈川県立近代美術館)も大きい作品でしたが、この作品も大きかったですよ。

ミレー 「ポーリーヌ・V・オノの肖像」 (山梨県立美術館)

もうすぐ誕生日の長男が好きな画家なので、長男用に「落穂拾い」の絵柄のマグカップを購入。
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