著書 桐野夏生
1999年に日本でピルが承認される約30年前に、ピル解禁と中絶の自由を訴える一人の女性がいた。
派手なパフォーマンスで一躍脚光を浴びるも、その激しい やり口から「はしたない」「ただのお騒がせ女」などと奇異の目で見られ、やがて世間から忘れ去られてしまう。
時代に先駆けてピル解禁を訴えていた女性は……突然、姿を消した。
謎多き女性をめぐる証言から、世の理不尽を抉りだしてます。
(オパールの最大の魅力は、赤、オレンジ、黄、緑、青色などの虹彩が角度によって多彩に変化する「遊色効果」と呼ばれる現象です。
この現象は、規則正しく配列した粒子に、光が当たるときに生じる独特の揺らめき効果により見られます。)
>私、実は石井さんに30年ぶりにお会いした時に、ふと、このオパールのことを思ったんです。
私が一緒にロシア語教室に通っていた時の石井さんは、ちらちらと綺麗な炎が燃えていたなと。
でも、30年後にお目にかかった石井さんは、変わらずお綺麗でしたけど、炎は消えていたように思います。
水分が抜けたのか、乾燥したのか。いずれにせよ、何か変化があったのだと思って寂しかったです。