図書館へ行こう!

 本は私の人生の友・・・

『悪 の 芽』

2024年04月29日 | 

著者 貫井 徳郎

 

大手銀行に勤める41歳の安達は、無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。

40人近くを襲って その場で焼身自殺した男が、小学校時代の同級生だったのだ。

あの頃、俺はあいつに取り返しのつかない過ちを犯した。

この事件は、俺の「罪」なのか……。

懊悩する安達は、凶行の原点を求めて犯人の人生を辿っていく。

 

>人ってさ、結局は自分の周りのことしか知らないんだよね。

いくらネットでいろんな情報を仕入れても、それはあくまでデジタルの情報でしかないから、現実感がないというか。

私は自分が生きてる世界しか知らないから、中年になっても ちゃんとした職に就けない人がどんな人生を送ってきたのかわからない。

ネットで調べても、実際の辛さは絶対に想像できない。

 

>人間は脳の数パーセントしか使っていない、という話を聞いたことがある。

それは俗説だという反論もあるが、想像力は間違いなく備わっているはずなのに使われていない能力だ。

想像力は決して、特別な力ではない。

誰でも持っているにもかかわらず、使っている人はほとんどいない。

使われない能力は、ないも同然に錆びついていく。

 

>見知らぬ人に親切にするには、勇気がいる。

そのちょっとした勇気の欠如が積み重なり、冷たい社会ができあがってしまった。

斎木はこれを生物の欠陥と考え、数万年の時間しか解決できないと絶望した。

熊谷妃菜も、絶望しながら生きていくと言った。

だが、と安達は思う。人間の心には必ず、善の芽が宿っているはずだ。

その善の芽をひとりひとりが育てていけば、数万年も待たずとも斎木が望んだ社会が必ず現れる。

もちろん、短い時間で善の芽が育つなどと楽観はしていない。

もしかしたら何十年、あるいは何百年もかかってしまうかもしれない。

それでも人間は動物であるのをやめて社会を作ったのだ。

さらに もう一歩踏み出すことは、決して不可能ではないと安達は信じていた。

 


『沈黙の終わり』上・下巻

2024年04月27日 | 

 

著者 堂場 瞬一

七歳の女の子が遺体で発見された……。 その痛ましい事件から、

30年間隠されてきたおぞましい連続殺人の疑惑が浮かび上がった。

定年間近の松島と若手のホープ古山、二人の記者が権力の汚穢を暴くため、奔走します。

 


伊藤松三郎さんの思い出

2024年04月25日 | Weblog

先日、クリニックの待合室で、1977年に発行された古い本を見つけました……

「こけし」の本で、私は発行された数年前(50年以上前😁)に宮城県鳴子に行き、

鳴子こけし工人だった伊藤松三郎さん宅を訪れています。

本には伊藤松三郎さんや人里離れたお家の写真まで載っていました。

懐かしくなり、今年の誕生日(9月)の旅行は鳴子に決定です💕


新聞記事より

2024年04月23日 | Weblog

 

今日の朝刊「編集手帳」より……

「図書館で10冊 手に とれば 1冊は読みたい本に会える。

1ページ読んで面白いと思えば読み進め、

興味を持てなければ やめ、別のを手に とればよい」(那須正幹さんの言葉)

「私たちは肉体を維持するのに3食を正しく とるが、

心のために栄養をとっているだろうか。

食事をするように読書をすべきです。

適切なものを多すぎず少なすぎず、

休みをはさみながら読むのがよい」(ルイス・キャロル)

 

(サンザシ)


『プラスティック』

2024年04月21日 | 

著者 井上 夢人

 

54個のファイルが収められたフロッピイがある。

冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井詢子が書きこんだ日記だった。

その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる!

 

1994年に刊行された この本は、2024年本屋大賞「超発掘本!」として話題になってます。

小説の初めの方は あまり面白く感じられませんでしたが、読み続けると段々面白くなり

「最後まで読んで良かった~」「面白かった~」と なりました。

小説の最後の方に「可塑的(プラスティック)な身体と心を持つ生命の総体」という文章があり、なるほどと思いました。

予備知識を持たずに読むことをオススメします。

 

我が家の狭い庭にエニシダの花が咲きました(黄色も大好きな色です)

 

昨夜、藤井さんの将棋タイトル戦連勝が16で止まってしまいました😢


映画『陰陽師0(ゼロ)』

2024年04月19日 | 映画

監督・脚本 佐藤嗣麻子   主演 山崎賢人

平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明の活躍を描いたベストセラー小説「陰陽師」シリーズを原作に、

晴明が陰陽師になる前の物語を、原作者・夢枕獏の全面協力のもと完全オリジナルストーリーで映画化。

 

山崎賢人さん 相変わらず カッコいい〜💕

 


『板上に咲く』

2024年04月17日 | 

著者 原田 マハ

「ワぁ、ゴッホになるッ!」

1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。

しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、

弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。

そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていく……。

墨を磨り 支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描いてます。

 

(舞台上に立てられたような、まだ若い八重桜)


『それは令和のことでした、』

2024年04月15日 | 

著者 歌野 晶午

新しい価値観のゆらぎが生み出す7つの悲劇……

「彼の名は」(平凡な名前・太郎はタロウと読まないことが最後に分かります) 

「有情無情」 「わたしが告発する!」 「君は認知障害で」

「死にゆく母にできること」 「無実が二人を分かつまで」 

「彼女の煙が晴れるとき」(小説の1行目……藤井聡太は初手を指す前に茶を一服する。……藤井さん どこでも有名と思ったら、将棋指し?が主人公の短編でした) 

「花火大会」(ショートショート)

思い込みを利用していて面白かったですよ。

 

(薄ボンヤリの富士山と桜)


映画『プリシラ』

2024年04月13日 | 映画

監督 ソフィア・コッポラ   主演 ケイリー・スピーニー

プリシラはエルビス・プレスリーの元妻で、彼女の視点から大スターの半生を描いてます。

タイトル通り、プリシラ自身の物語です。

 


『天切り松 闇がたり』第一巻〜第五巻

2024年04月11日 | 

著者 浅田 次郎

夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で、遙かな昔を物語り始めた……。

時は大正ロマン華やかなりし頃、帝都に名を馳せた義賊「目細の安吉」一家。

盗られて困らぬ天下のお宝だけを狙い、貧しい人々には救いの手をさしのべる。

第一巻 闇の花道   第ニ巻 残 俠   第三巻 初湯千両

第四巻 昭和俠盜伝   第五巻 ライムライト

 

面白くて既刊すべてを読みました……浅田さんは お話がウマイです ‼

 

シリーズものは面白いと思うと追いかけて読んでます……

知念実希人著『天久鷹央の推理カルテ』シリーズも面白~い ‼