図書館へ行こう!

 本は私の人生の友・・・

『身の上話』

2009年09月29日 | 
著者 佐藤正午

物語は、最初から最後まで主人公ミチルの夫の独白で構成されています。
ある地方都市で書店員をしている平凡な独身女性ミチルが、昼休みに外出し、そのまま不倫相手を追って東京に行ってしまいます。
そして、高額宝くじの当選という出来事が彼女を思わぬ事件に巻き込んでいきます。
語り手の夫とは誰なのか、ラスト近くまで明らかになりません。
その夫が誰に向かって、何のためにミチルの身の上を語っているのかがわかるラストは重いですが、とても感動しました。

罪が発覚しなくても、自分が犯した罪は自分自身が知っています。
隠し通したとしても、自分の心は一生、罪から逃れることはできません。
人畜無害だとミチルが思っていた幼なじみの男性は、実はとてもイヤなヤツで恐ろしい人間だということが徐々にわかりますが、
それに対してのミチルの夫の決断、というよりも、著者・佐藤正午さんの物語の終わらせ方に、大々納得でした。

ミチルの優柔不断さにイライラしながらも、読むのをやめられませんでした。
身の上話が延々と続きますが、
読み終わったとき、なんてウマイ、面白い小説なんだろう、と感じ入りました。
とってもとっても良かったですよ~。
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机を占領中 ??

2009年09月27日 | Weblog


我が家のおじいさん猫レオは、長男の机の上でくつろぐのが好き。
なので、長男は机で勉強したことがほとんど無く、レポート書くのもパソコンするのも居間ですよ。
レオの両親はアメリカンショートヘアーとシャムということですが、要するに雑種です。
ペットは最後まで責任を持って飼わなければなりませんが、ここ数年、夏になると具合が悪くなり、医療費が大変です。
でも、レオが、家族、特に子どもたちに与えてくれたものの大きさを思うと、お金のグチは言えません・・・。

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萩のトンネル

2009年09月25日 | Weblog


府中市郷土の森博物館で「萩のトンネル」を見てきました。
我が家から多摩川の土手をサイクリングしながら30分程で行くことができますよ。
郷土の森近辺には市営の流水プール、ゴーカートや足漕ぎ自動車もある交通遊園などがあり、子どもが小学生の頃までは、よく遊びに行きました。



郷土の森にはプラネタリウムや古い家屋などもあり、水田までありますよ。






『 図地反転 』

2009年09月23日 | 
著者 曽根圭介

静岡県で起きた幼女殺害事件に、16年前の事件での冤罪を主張する男の話が絡み、警察の見込み捜査や目撃証言だけに頼る危険性の告発は、実際の冤罪事件を想起させます。

「ルビンの壷(ルビンの杯)」・・・
デンマークの心理学者ルビンが1915年に発表し、「図地反転図形」の存在を初めて紹介しました。
「図」とは、形として認識される部分、「地」とは、そのとき背景となる部分を指します。
壺が図として認識されるときは、その他の部分は地であり、2人の顔が図として認識されるときは、その他の部分は地です。
壺と2人の顔が同時に見えることはありません。
本の表紙の写真も、初めは白い壷しか見えませんが、黒い背景の部分に目を向けると2人の横顔が見えてきますよ。

敬老の日に母に会いに行きましたが、電車の中では本を読んだり、ウトウトしたり、景色を見たり・・・
出かけるとき持って行く本は重くなるので1冊と決めていますが、この小説は文章がうまくて読みやすく、あと少しで読み終わるところでしたので、小説の最後が気になって、今回は本を2冊持って行きました。
電車の最初の乗り換え前に読了・・・おもしろかったですよ~。
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フォーラム

2009年09月21日 | 講演会



先日、東京学芸大学で「学校図書館活用教育フォーラム」が開催されましたが、児玉清さんの講演「面白小説に魅せられて」を聴いただけで、用事がありましたので途中退席しました。

児玉さんは、やせられたようですが、背が高くステキでした。
現代は面白小説があふれているのに、本を読む人が少ないことを嘆いてました。
本を読むことで、自分を客観的に見ることができたり、
想像する力、考える力を持つことができる。
映像文化は刺激を受けるだけ。
小説を読むことで、たくさんの人生を重ね合わせられる。
見たものの裏側を想像する大切さ。
子どもたちが本を読まない社会に未来は無い。
司会をしているクイズ番組「アタック25」の解答者は、文学の問題にとても弱くなっているとか。


(近くの神社のお祭り)

陶芸展

2009年09月18日 | 展覧会
「魯山人の宇宙 美と食 北大路魯山人の陶芸」



食通として知られ、陶芸や書、絵画、漆芸など幅広い分野において、伝統に学びつつも、斬新で個性的な作品を生み出した魯山人。
展覧会では、アメリカ・サンディエゴから里帰りした秘蔵の名品、カワシマ・コレクションを中心に魯山人の陶磁器を紹介してます。
今年で没後50年になるそうです。
八王子市夢美術館で今日から11月8日まで開催されてますが、八王子に用事がありましたので、さっそく初日に観て来ました。
美術館のすぐそばには、歌手のユーミンさんのご実家がありますよ・・・


彼岸花

2009年09月15日 | Weblog


秋のお彼岸が近づくと、ある日突然、赤い彼岸花を目にします。
ホントに突然で、それは秋が近づくまで地表には何も生えてこないからのようです。
近くの川の橋を渡った所にある自然公園にも彼岸花が群生していて、白い彼岸花も咲いていましたよ。



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昭和記念公園 (2)

2009年09月13日 | Weblog
立川に用事がありましたので、また昭和記念公園に寄ってきました。
今回見たかったのは、このススキの根元に寄生して花を咲かせている・・・


ナンバンギセル


そして、おばけススキのようなパンパスグラス


まだセミが鳴いてました


たくさんのトンボも


コスモス


ハスの花


今日の和菓子名は「秋草」


園内には“パークトレイン”が走ってますよ。
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『クラスルーム』

2009年09月10日 | 
著者 折原 一

栗橋北中学校の卒業生男女7人に届いた、10年ぶりのクラス会の通知。
でも幹事の名前に見覚えがなく、会場は夜の校舎。
通知を受け取った人に不快な記憶を呼びさまします・・・。
以前読んだ『タイムカプセル』の姉妹編。

同級生のその後の人生に興味があります。
軽く読めて面白かったですよ。


先日の夕刻、土手沿いをサイクリングしていたら・・・


高圧線を目にしましたが・・・


たくさんの鳥がいてビックリ!
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シンポジウム

2009年09月06日 | 講演会
「首都東京の美しさや風格を考えるシンポジウム」
  ~ 都市中心部の水と緑、環境 ~

会場 東京都庁第一本庁舎5階 大会議場

開会挨拶 猪瀬直樹(東京都副知事)
基調講演 岡田新一(建築家)
その後、各分野の専門家5名によるパネルディスカッション

都心中心部におけるお濠の水や、皇居周辺の緑、江戸城外堀跡など、水と緑、環境、文化についての議論を通じて、首都東京の美しさや風格を考え、そのあるべき姿を探るシンポジウムが行われました。

中国では来年の上海万博に向かって緑を増やしているそうですが、日本は緑に対しては後進国とのこと。
街路樹はのびのび育てたいが、剪定し過ぎ。
景観は“もてなし”の心、地域の人の心を映す鏡。
広告がないと風景を美しく見せる。
広告は景観の中のアメーバー、ウィルス。
江戸時代は、たくさんの緑があり、たくさんの鳥がいる都市だった。
江戸以来の東京を壊してきたのではないか・・・。
美しい街を作るのは、人類普遍のテーマ。
都市の美しさは市民の心次第、一人一人の市民が作っていくもの。