図書館へ行こう!

 本は私の人生の友・・・

落 語

2009年04月29日 | Weblog


今頃の時期には毎年、お不動さんの五重塔地下ホールで落語があります。
今年は三遊亭圓窓さんでしたが、お不動さんは3回目なので工夫を凝らしたとかで、篠笛奏者の坂本真理さんとのコラボとなりました。
篠笛の独奏もあり、「さくら さくら」を編曲した「さくらによし」や「笛吹き童子幻想曲」など、ステキな音色が地下ホールに響きました。
地元の昔話を題材にした「虚空蔵鰻」というお話に、ときどき篠笛が入り、おもしろいものでしたよ。

ツツジや新緑が目を楽しませてくれますね。
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『あなたと共に逝きましょう』

2009年04月27日 | 
著者 村田喜代子

夫が動脈瘤破裂の危機を抱えた、妻の一人称で語られる、団塊世代の共働き夫婦のお話です。
                    
骨董世界を描いた『人が見たら蛙に化(な)れ』をとても面白く読んだことがあります。
陶器も含まれる骨董に興味があったこともあるかもしれませんが、小説のうまい作家さんだなぁと思いました。
今回読んだ本は、私の年齢が主人公たちに近いこともあって、なおさら面白かったこともあるでしょうが、それだけでなく、やはり小説がうまい作家さんだと思いました。
難解でなく平易な文章で、引き込まれるように読ませてくれます。
深刻なテーマなのに、面白く読ませてくれるんですよね。
時たま、こういう面白かった~と思える小説に出合えるので、読書はやめられません・・・。

>若い頃、五、六十代の人々を見ると先が短い印象を持ったが、自分がその歳になってみると一向に老人の気分はない。しかしいつまでも歳を取らないというわけにはいかない。来し方を振り返ると、自分の人生の消費してしまった時間のほうが、手付かずの時間より長くなっているようだ。後ろから腕を取られたようにハッとなる。
長いようで、短いのか。
短いようで、長いのか。
気を取り直して私は辺りを見る。まだまだ大丈夫だ。この世は六十歳を超えた人間たちで動かされているのだ。

>自分一人分の夕食を作る気が失せていた。
そうか、亭主は生活の止め金だったのだと気づいた。彼が家を空けて初めてそのことがわかる。旅行や出張の留守は、あんなものは不在でも何でもなかったのだ。 (夫が初めて入院した晩の妻の心模様)

>クラッカーをかじって、冷酒をなめる。チーズをかじって、煙草をふかす。がんにも動脈瘤にもならない自分が不思議。心は一つでも、体は二つ。夫が心臓を切られても、妻の体は痛まない。一緒に酒を飲んで一緒に煙草を吸っても、元気な者は元気だ。人の体の不思議はどうだろう。

>「でも私、正直言ってなるようになればいいと思っているんです。こうなるまでにはずいぶん不養生をしたんです。私は一生懸命とめて食事の面倒からすべてみたんですが、言うことを聞きません。飲んで食べて好き放題でした。自業自得。だから私、体は疲れてますけど精神的には大丈夫なんです」 (夫と病室が同じ、三回目の心臓手術を待つ男性の付き添いをしている、疲れきった女性の言葉・・・ソルトさんの夫にも聞かせたい)

>よく笑うこと。ゆっくりと話すこと。腕時計の針を進めない。他人を許すこと。自分の非を認めること。何が何でもかならず成果を出さねばならないとは思わない。自分の挙げた成果を、必ずしも他人は百パーセント認めるとは限らないことを知る。家族との穏やかな時間を作ること。 (病院でもらった『患者様の心がけ』)

>たった握り拳大の心臓がドクドクと打ち続ける奇妙。
その天然自然の拍動を手術で停めるという無謀。
人体こそ自然の極みだと思う。

>悲しいときはなぜか胸が疼く。
どうして脳が疼いたりしないのか。悲しみを堪えているとだんだん心臓が締め付けられてくる。脳が締め付けられることはない。もし魂というものが本当に人間の体の何処かに入っているとしたら、それは頭なんかではなくて、やっぱり胸の中ではないかと思う。
それに何より魂のような言うに言われぬ大事なものが、人間の体の天辺の頭みたいな落ち着かない所に乗っかっているものか。それはやっぱり胴体の中心の、背骨と肋骨のカゴに大事に収まっているのが自然に思われる。
その胸にこの世の風が通る穴を開け、手術用のゴム手袋をはめた手だとか、光るメスだとか、夥しい数の鉗子だとかが差し入れられる。私は胸がむかむかしてくる。医療を全否定する気はないが、とにかく現代人であることは胸糞が悪かった。

>でもいっそ、お見舞いなら、私は香澄さんにしたいです。
亭主が大病して治ったら妻が鬱になってた、という話、いろいろ聞きます。 (友人からのメール)


印象に残った文章を長々とメモっちゃいました。
失礼しました~

(本の表紙は、東郷青児の絵です)
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『沈底魚』

2009年04月25日 | 
   『沈底魚』  著者 曽根圭介  

第53回江戸川乱歩賞受賞作

アメリカに亡命した中国外交官から、大物の沈底魚“スリーパー”が日本に潜っているという衝撃情報が伝わる。
流出する国家機密。公安部外事二課の極秘捜査が始まる・・・。

最近の乱歩賞受賞作はあまり面白くなかったので、この本も読まなくてもいいかなと思っていました。
でも、先日、曽根さんは『熱帯夜』(『あげくの果て』に収録)で第62回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞したので、『沈底魚』も読むことにしました。
面白かったですよ。
『熱帯夜』は、これから読む予定です。


   『冬のひまわり』  著者 五木寛之

儚げだが芯の強い麻子と、夢を追い続ける透。
そこに、奔放という鎧で身を固めた遙子と、愚直な良助という存在が深く関わってきます。
鈴鹿サーキットのスタンドのはずれ、海の見える場所で、麻子と透は出会い、年に一度の逢瀬を続けますが、ぎこちなく始まる恋から20年という時を経て、麻子はひとつの答えを出します・・・。

1988年に刊行されたものを改訂し、1985年に刊行された短編『浅の川暮色』を加え、2008年12月に出版されました。

『浅の川暮色』の舞台になった金沢の出身である唯川恵さんが2作品の解説をしていますが、次のように述べています・・・
「人生は選択の連続だ。それが良いでも悪いでもなく、正しいでも間違っているでもなく、選択するしかないのである。そして、選択の先に待っているものはまた選択であり、それが永遠に続いてゆく。」


他に最近読んだ本は、高樹のぶ子さんの『甘苦上海Ⅰ』(gan ku Shanghai)などですよ。
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映画 『スラムドッグ$ミリオネア』 

2009年04月21日 | 映画
インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。
しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。
彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。
ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。
そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった・・・。
                            (goo映画情報より)

ジャマールの子供時代を演じた少年は、可愛かったですねぇ。
イギリスの映画監督が、今のインドを舞台に、スラムで生まれ育った少年の「運命」の物語を撮りました。
スラムの凄さや、子供たちが酷い目にあう場面など、胸が痛みましたが、映画はジェットコースターに乗せられているような圧倒的迫力で、沈み込んでる暇がありませんでした。
映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が思い浮かびました・・・過酷な映画なのに、ミュージカルの場面では、音楽のリズムに乗せられていましたっけ。
有名なタージ・マハルは、今まで美しい所しか見ていませんでしたが、映画の中で荒れた土地の向こうに見えた建物は、タージ・マハルに似た別の物に見えました。
映画の最後がダンスで終わったのは、インドらしいなぁと思いましたよ。
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陶芸展

2009年04月17日 | 展覧会
大丸ミュージアム・東京で 『第20回 日本陶芸展』 を観てきました。


大賞・桂宮賜杯 「黒彩ノ器」(実用) 今泉 毅(30)埼玉県
高校時代に雑誌で初めて見た黒楽茶わんのイメージが原点。
「今度こそ」の覚悟で挑戦しました。
想いが炎によって形になる過程が楽しいですね。(ご本人・談)


準大賞・日本陶芸展賞 「銀の痕跡」(自由造形) 森 克徳(53)愛知県 
瓦製造の技法が評価され何よりうれしい。
受賞は大きな誇りです。(ご本人・談)

有名な招待作家の作品や新人作家の作品、実用から自由造形まで、素晴らしい作品の数々でした。


今日の夕刊で、上坂冬子さんが亡くなられたことを知り、驚きました。
曽野綾子さんとの対談を本にした『老い楽対談』を読んだばかりでしたのに・・・。
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『人生、捨てたもんやない』

2009年04月14日 | 
著者 俵 萠子

俵さんは、去年の11月、77歳で亡くなりました。
突然のことで驚きました。
この本は、亡くなる直前まで月刊『ベターホーム』に書き続けられたものに、「まえがきにかえて」を樋口恵子さん、「あとがきにかえて」を吉武輝子さんが書いたものです。

50代で陶芸を始め、赤城山の中腹に「俵萠子美術館」を作りました。
姉達と何度か美術館を訪ねたことがあります。
美術館で俵さんと直接話したことのある姉は、気さくな人だったと言っていましたが、エッセーや講演会での私の印象は、“頑張る強気の女性”的イメージでした。
でも、この本を読んで、印象が変わりました。
人間だれでも、弱い面もある、ということを思いました。

ずうっと前に個展で購入した俵さん作のお茶碗で、最近ご飯を食べています。
箸置きは、可愛がっていた犬の「クーちゃん」がモデルです。



>むかし、若かった頃、私は、健康と食欲は、あって当たり前だと思っていた。
最近は、違ってきた。
その日が健康で、食事を「おいしいな」と思えること。それは、とても幸せなことなのだ。そう思うようになってきた。
そうなると、幸せの量は増える。一日に何回も、幸せだと思うことができる。
ひょっとすると、年をとるということは、幸せの量が増えることなのかも知れない。それに気づく頃には、寿命が終わる。皮肉なお話である。

>五十五歳の免許挑戦。「もうダメだ。この年では・・・」途中、何百回も、そう思った。
そのたびに、でも、来年はもう一歳、年をとると思った。考えてみれば、きょうより若い日は、もう二度と来ない。

>いちばん美しい時、いちばん輝いている時には、自分で気がつかない。

>二十代ばばぁに七十代娘。つまりね、なんの好奇心も持たなくなった二十代はすでに老いの真っ只中。七十代でも好奇心満々は押しも押されぬ娘盛り。

ご冥福をお祈りいたします。
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八重桜

2009年04月11日 | Weblog
ここ数日、暑いですねぇ。
もう半袖の人を見かけます。

昨日、隣りの町のデパートへ自転車で行って来ました。
土手を通って行きましたが、途中に八重桜が咲いていましたよ。
クリーム色の八重桜は、初めて見ました。
最近、読書をする時間があまり無くて、写真投稿でお茶をにごして失礼しています・・・





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花祭り

2009年04月08日 | Weblog
今日はお釈迦様が生まれた日で、お不動さんで甘茶をいただき、花御堂の中の小さな仏像に甘茶をかけてきました。
甘茶は、ユキノシタ科の落葉低木ガクアジサイの変種であるアマチャの葉で作るそうですよ。





枝垂桜も満開でした・・・



読書が停滞ぎみです。
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お花見

2009年04月05日 | Weblog
今年は、近所でお花見・・・











お不動さんの山にも桜が・・・


林の中には、白い桜がチラホラ


ときどき小学校の辺りに来ている「小さな駄菓子屋さん」、今日は桜が咲いている土手に・・・
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かたくりの里

2009年04月03日 | Weblog
キッチンにある私専用の月めくりカレンダーには、4月1日の予定欄に「7:30PM夜空」とメモしてあります。
でも、その日は雨でダメでしたが、今夜は大丈夫でした~。
???・・・午後6時40分頃から数分間、若田光一さんの乗った国際宇宙ステーションを地上から見ることが出来ましたよ。
北西から南西の空へ、綺麗に輝く金色の星が通り過ぎて行きました。
外出する長男に「二人とも好きだねぇ」と言われてしまいましたが、次男と私とで「見ることが出来て良かったねぇ」と大感激しました。

そして昼間は、神奈川県相模原市にある「城山・かたくりの里」へ行って来ました・・・





黄色と白色のかたくりも少しだけ咲いていましたよ。





広範囲にかたくりが群生していますが、色とりどりのミツマタの花をはじめ、沢山の種類の花々も咲いていました。



雪割草


紅花ヤシオツツジ


黄花セツブン草


御殿場桜
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