文 ビクター・サントス
絵 アンナ・フォルラティ
訳 金原 瑞人
わたしは、ずいぶん長く生きてきた。
あなたが知っている だれよりも前から。
世界じゅう どこにでも、いろんな姿をした何千もの わたしがいる。
わたしは あなたを、つれていって あげられる。
過去へ、現在(いま)へ、未来へ。
わたしは なんでしょう?
「読者の みなさんへ」より……
いま世界で使われている7,164の言語のうち少なくとも半分は、2100年までに なくなると考えられています。
ひとつの言語が滅びると、文化も いっしょに滅びてしまいます。
その言語を使う人たちが言葉にして育んできた、文化的、地理的、哲学的な知識が永遠に失われてしまうのです。