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 本は私の人生の友・・・

『きのうの神さま』

2009年07月19日 | 
著者 西川 美和

医療現場の綿密な取材から生まれた、現在公開中の映画『ディア・ドクター』。
この本には、映画の中では語りきれなかったアナザーストーリーズが収められています。
『1983年のほたる』・・・このお話だけ違っていて、辺鄙な田舎から町の塾へバスで通う小学生の女の子の心模様が詳細に語られていて、とても面白かったです。
『ありの行列』『満月の代弁者』・・・映画はまだ観ていませんが、映画の内容に近いように感じました。
『ノミの愛情』・・・小児心臓外科医としては名医であるが、家庭内では自我むきだしの夫を持った妻の心情がとても面白かったです。
『ディア・ドクター』・・・医師の父を尊敬しながらも、うまく接することができない兄のことを、弟の言葉で語っています。
以上、5つの短編が収録されていますが、どれも面白かったですよ。

直木賞は次点で受賞できませんでしたが、選考委員の浅田次郎さんが絶賛していました・・・
「今は映像におもねった小説が多いが、映画監督を本業とする方がはっきり文学を書かれたことに衝撃を受けた。
文章のセンスがいい。いい小説を子供のころから読んできたのではないかと直感した。
書き続けてほしい。これからは本を自分で買う」




ハンゲショウ(半夏生)・・・夏至から11日目の半夏生のころ花が咲くからとか、先端の葉だけが白くなるので「半化粧」だともいわれます。
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