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 本は私の人生の友・・・

『存在のすべてを』

2024年01月30日 | 

著者 塩田 武士

 

平成3(1991)年に神奈川県下で発生した「二児同時誘拐事件」から30年。

当時警察担当だった大日新聞記者の門田は、令和3(2021)年の旧知の刑事の死をきっかけに、誘拐事件の被害男児の「今」を知る。

彼は気鋭の画家・如月脩として脚光を浴びていたが、本事件最大の謎である「空白の三年」については固く口を閉ざしていた。

異様な展開を辿った事件の真実を求め、地を這うような取材を重ねた結果、ある写実画家の存在に行き当たるが……。

 

>「だから あんな大きな家に住んでると、嘘みたいなんだよ。何て言うか、いい加減だよね、世の中。

母親に育てられるのと、お祖父ちゃん お祖母ちゃんに育てられるのとでは天と地ぐらいの差があってさ。

ちゃんとした理由なんてないんだよ。どっちで暮らすかなんか、子どもには決められないもんね、普通」

亮は豪邸に住み、類い稀なる絵の才能もある。しかし、里穂が羨望の眼差しで見ていた彼は残酷な落差の中で自分の存在に不安を覚え、善悪を超えて周囲の環境を嫌悪しているように見えた。

里穂は亮が写実画の世界へと突き進む必然性をおぼろげに感じ取った。

他者のさじ加減で翻弄される世の中で、本当に信じられるものとは何か。

目の前の実在こそが唯一、根を張って彼を見つめているのではないか。

 

>「これから世の中が もっと便利になって、楽ちんになる。そうすると、わざわざ行ったり触ったりしなくても、何でも自分の思い通りになると勘違いする人が増えると思うんだ。

だからこそ『存在』が大事なんだ。世界から『存在』が失われていくとき、必ず写実の絵が求められる。

それは絵の話だけじゃなくて、考え方、生き方の問題だから」

 

>「誘拐は子どもを拐うという時点で相当悪質な犯罪です。

事実を探し当て、司法やジャーナリズムが検証を重ねることで、最終的に捜査能力や防犯意識の向上につなげることは重要なことです。

口幅ったい言い方をすれば、真っ当な報道は社会の共有財産になり得ると考えています。

しかし、その視点のみで書いてしまえば、犯罪報道は『自分たちと縁遠い悪人たちによる出来事』で終わってしまう。

でも現実は被害者も加害者も皆人間です。

『空白の三年』を経て帰ってきた少年は、読み書きができ、きちんと挨拶ができる子どもになっていました。

彼の祖母の木島塔子は仲良くなった刑事に『情けないけど、生みの親より育ての親っていうのは本当ね』と漏らしています」

 

千葉県にある「ホキ美術館」は、主に現代の日本人画家による写実絵画を専門に収集・展示しています。

私は10年以上前、開館して まもない美術館に行ったことがありますが、素晴らしい作品の数々と建物でした。

小説の中では「トキ美術館」として登場してました。

 

久しぶりに良い小説を読むことができました ‼

 

下の写真は、先日の王将戦の勝者記念撮影です……


初 不 動

2024年01月28日 | Weblog

今日は初不動でダルマ市が開かれ、初詣のように混雑するので、朝早くに行ってきました。


八幡山駅

2024年01月13日 | 途中下車散歩

京王線八幡山(はちまんやま)駅の名前の由来は、1757年に建てられた八幡宮(八幡宮がある山)に由来……

八幡宮は駅から ちょっと遠かったので行きませんでした(^_^;)

「大宅壮一文庫」の存在は以前から知っていましたが、最寄り駅が八幡山駅だということを最近 知りました。

さっそく、大宅壮一文庫で毎月第2土曜日に開催される「見せます!雑誌のワンダーランド 迷宮書庫 探検ツアー」にakiさんを誘って参加してきました……

書斎……

書庫……

アサヒグラフ創刊号 1923年(大正12年)11月14日

写真週刊誌創刊号……

大宅壮一文庫の書庫は、まさにワンダーランドでした!!

 

見学後、akiさんとランチしました😋(サバのコンフィと焼きネギのカレー)


映画『レザボア・ドッグス』

2024年01月06日 | 映画

1992年に公開されたアメリカ映画のデジタルリマスター版

クエンティン・タランティーノ監督の第1作

宝石店強盗計画に失敗した男たちが たどる運命を描いたクライムドラマです

昨日、立川キノシネマで観ました

 

映画『アウトフィット』

1950年代のシカゴが舞台

仕立店を拠点にマフィア組織内の争いが展開

店主のイギリス人裁断師の演技と筋運びが素晴らしかったです

Netflixで観ました

 

今年 初めての富士山🗻です……