271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

滑り台と体重(その1)

2007-06-02 17:36:34 | 遊具
「滑り台と体重」という課題は私がこのブログを始めるに当たって是非書きたいと思っていたことの一つです。ビデオカメラを持って現場で撮影していると「私は重いから速く滑れた」というような言葉をしばしば耳にします。一般の市民お方だけでなく私の身内(社員)でも「重いものは速く落ちる」と思っているのです。
高校生を対象とした中学時代の理科のアンケートを見ると物理が、特に力学がダントツの嫌われ分野であることが分かります。中学の頃は忘れましたが、私の高校時代の物理教育は酷いものでした。
滑り台の傾斜をどんどん傾けるとついには自由落下になります。空気の摩擦が無視できるほど小さければ「物体は質量によらず同じ速さで落ちる」ことは中学で習ったにもかかわらず身に付いていません。このように思っている人々も中学時代にはちゃんと試験を受けて「正しい答え」を書いたはずなのです。幸か不幸か私は本音を聞く機会に恵まれてしまったのです。
私よりずっと系統的に工学教育を受けた設計の若手に「これを説明しろ」と言ったら

微分方程式 mdv/dt=-mg の両辺をmで割ればよい

と答えてくれました。でもこの微分方程式を立てる前提は「質量に関係なく加速度は同じ」ということです。これは説明すべき事柄ですね。そして、動いている物体は力が加わらなければ等速運動を続けるという慣性の原理が分かっていなければならないのです。
この話題を(その2)、(その3)・・・と続けて行きたいと思っています。まず以下のYouTubeの動画をご覧下さい。これは私が最初にYouTubeに上げた動画です。体重が3倍違っても速度は3倍も違わないことが見て取れるでしょう。「論より証拠」というやつです。



以前のエントリーでgooでは動画を本文に埋め込めない、と書きましたが07/05/22から「ブログパーツ」を使えばこれが可能であることが分かりました。今日の投稿はこの実験の意味もあります。ブログの原稿はgooの編集画面にあるエディタではなく、まずフリーの軽いエディタ「メモ帳++」で書いています。参照すべきURLや画像のURLをここに書いて、後で貼り付けるだけです。

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(07/06/03追記)
この滑り台は前橋市宮城総合運動公園にある「竹の子タワー」を巻き込むようにして設置されています。設計のコンセプトは仮想的な円錐と設定してこれに描かれた対数螺旋を線形としています。そしてクロソイドで直線に接続しています。「かたちのココロ」を運営していらっしゃるSUBALさんに図面を送ったところ、スパイラルを調べるソフトで解析をして頂きました。こちらのエントリーをご覧下さい。改めて感謝申し上げます。
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4 コメント

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遊びの中の物理 (SUBAL)
2007-06-03 15:13:10
対数螺旋の滑り台での「遊びと科学」いよいよ始まりましたね。楽しみにしています。「もののことわり」を知らずに、計算だけが出来てもしょうがないですものね。
私のブログでも、簡単な話ですが、「運動会の物理」を掲載しました。
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基礎的なことは難しい (271828)
2007-06-03 19:29:12
SUBALさん こんばんは

コメントありがとうございます。実はこのような基礎的なことを納得してくれるまで説明するのが実に難しいのですね。
今回は動画を見てもらうことで手抜きをしています。

これからホタルを見に行きます!
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実用的なお話ですね^^ (えるだま)
2007-06-03 20:38:51
こういう身近なテーマで説明すれば分かりやすいんですけどね。学校の先生が下手なのかなぁ。
因みに、私は理学部物理学科卒業です。物理は大好きでした。^^
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身近な現象 (271828)
2007-06-04 10:43:42
えるだまさん こんにちは

タイの美しい花々の画像をいつも拝見しています。

物理大好き人間には質量や加速度は明白ですが、そうでない人々には厄介ものでしかありません。私は物理教育の失敗の数々を見すぎているのかもしれません。

身近な現象「なのに」理解されないのは何故か、と考えるよりも、身近な現象「だから」理解出来ない、と考えています。
難しいテーマですからどこまで突っ込めるか分かりません。発端のガリレオを多く読むことになりそうです。

金曜日から虹彩炎を患って本を読むのが辛いです。


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