続き
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4361.htmlから転載
我々のこの結果は信頼できるのか?ということなんですが、可能性のある問題としてはがんになった方をみた場合
(動画切れる)
それほど違っていないと思います。
すべてのこういった調査というのは、測定のエラーというのは発生する可能性はあるわけです。
もちろんバイアスもあるかもしれません。
線量のバイアスもあるかもしれません。
私たちのモデルは年齢に関する感受性というものを明確に考慮しているために、より効率的にデータを利用できるということもあります。
ですからこの分析のほうがBMJよりも、より効率的な結果が出ていると、これは一貫した結果が出ていると言えますが、それ以外の可能性としては初期のがんというのは実際に遺伝的、もしくは確率的選択により最も感受性の強い人に発症しやすいということもあるかもしれません。
もう一つの可能性として考えるべきポイントとしては、この線量反応曲線の傾きですが、ERRは線量ということなんですが、これを見た場合低線量域のほうが、例えばCTスキャン、こういった低線量のほうですが、10mSv以下の部分、こちらの方が高線量のエリアよりもLSSにおけるERRmSvの数字よりも大きくなると。
で、こういった効果ですが、250mSvを超えるような線量にこのような差ができます。
ですからここでは驚くことではないんですけれども、この線量の反応ですが、実際の線量によって大きく変わってくると、この考え方をもう少し詳しく説明していきたいと思います。
その前に少し簡単ではありますが、新たな核医学という医療の領域における結果というものも出ているということでお話ししたいと思います。
端的にお話ししますと、全体の被ばくグループにおける、これも若年層の被ばくなんですけれど、被ばくの調査というのがこのように出ています。
核医学検査でがんの検知目的以外のものを除いた場合には少しその数値は下がりますが、けれども統計的に有意な数字というものがそれでも出ているという速報が出ています。
この研究に関しましては、逆の因果関係についてはまだ完全に調査が進んでいるわけではございません。
大変膨大な作業となるわけでありますけれども、このような速報が出ています。
CT、そして核医学検査ERR線量の主な相違でありますけれども、LSSよりも大幅に、ERR/線量の数値というものが大きくなっています。
ここには何か拡大をしているようなバイアスが存在するのでしょうか?
一つのあり得る可能性としましては、逆の因果関係があるというふうに言えます。
また被ばく群のCT線量の過小評価をしているという可能性というのも完全には否定できません。
けれども、どのように生物学的な差異というものを説明できるんでしょうか?
学術学的の観点からは低年齢の被ばくの方がセンシティブであると言えますし、初期のがん症例の方が最も影響を受けやすいということも言えるわけであります。
現行のモデルではそのような限定的な側面があるわけですけれども、それについても回避策というのをみつけています。
ここで焦点をおくべきは、低線量域におけるERR線量係数の方が大きいということなわけなんですけれども、
ここでのCTスキャンの線量の中央値というのはちなみにLSSより大幅に低いということを覚えておかなければいけません。
高線量においては細胞死という可能性もありますし、低線量においてはバイスタンダー効果の影響、そのたホメオパシー効果というのもありまして、これによって曲線が変わってくるという可能性も否めないわけです。
少し距離を置いた形で、被ばくということについて全体的に見ていきたいと思うんですけれども、
放射線治療というのはがんの治療に有効であるという考え方が一般化していきています。
そして大変高線量という、特定の臓器に照射して、ターゲットした形で照射しているわけでありますけれども、
これががんに当たるという治療でありますけれども、このグレイ(Gy)ごとの線量の範囲とそのリスクというものが原爆の生存者をCTスキャンした等々と比較してこのようにわかってくるわけです。
このような低い線量で最も急勾配になるという曲線でありますが、これを一つグラフにまとめるためにはこのようなグラフを作成する必要があるのですけれども、ここで明らかに負の相関関係というのが有意に現れています。
この結果というのをこのように、線量反応曲線モデルに置き換えることもできるわけです。
この曲線でありますが、これは直線ではない。
一つの可能性としましては、被ばくといっても低線量の被ばくの方に我々は可能性が高いと。
そして高線量においては細胞死、そして放射線保護という影響もあって、センシティビティ、その可能性が低まるという可能性があるということをこの曲線は示しています。
ということで、ブレナーやその他の研究者がBMJその他の論文で発表していますように、そして多くの研究者が言及していますように、この曲線、線量反応曲線というのは超線形のカーブであるということが示唆されるわけです。
それが我々の研究においても繰り返されました。
DNAの修復、バイスタンダー効果など、低線量においてはそのような影響が考えられるということもその影響の一つではないでしょうか。
結論の重要な一部としましては、単位線量、本当に低線量域における単位線量あたりの発がんリスクの方が大きいのならば、バックグラウンド放射線のがんのバックグラウンド発症率に影響を与えている可能性があるということ、これが大変重要な点であるわけです。
これが福島の汚染においても大きな意味を持つと言えるのではないでしょうか。
CT被ばくの被ばく量というのが大変低線量であるため、この長期的な影響というのをより長期間追跡調査することによりまして、低線量放射線の問題の答えを出すということに貢献すると大きく期待しております。
まとめでありますけれども、オーストラリアのCTスキャンの研究というもの、100ミリグレイ未満という低線量の放射線でみていきました。
ということで原爆生存者のLSSコホートよりも低い平均線量、そして低い平均年齢で被ばくした人々を対象とした調査でありました。
CTスキャン放射線照射の白血病のリスクに関しましては、原爆生存者のLSSのリスクとよく一致しているということが確認されました。
CTスキャンの約6割というのが頭部に照射されるため、平均臓器線量は40mGyでした。
これは4.5mSvということになりますけれども、これによってCTコホートによる脳腫瘍の増加というのは驚くことではないということがわかります。
またモデル化によりましてわかったこととしましては、CT後12ヶ月以降のほぼすべての過剰がんが実際にCTスキャン被ばくに起因することを示唆しています。
そして被ばく後初期の数年間の過剰がんというものは、おそらく確率的および遺伝的な理由で最も可能性が高い患者に発生するということがわかりました。
さらに放射線の曲線、線量反応曲線は低線量、そして短い遅滞期間で非常に急勾配になるということがわかります。
その理由としては様々ですかれども、
遺伝的感受性、確率的選択、バイスタンダー反応、ホメオパシスメカニズム、そして高線量における細胞死などがありうる。
そしてこれは今後の放射線防御において大変重要なことを示唆しているということが言えると思います。
私の発表に関しましては以上でおしまいとなります。
この結果について懐疑的な人々から幾つか鋭い質問というのが投げかけられていますので、それに関しましても私の方からパネルのディスカッションで例えば午後にでもお応えできると存じます、ありがとうございました。
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崎山比早子:
二つ質問があるんですけど、CT検査は機械によって随分動作が違うと思うんですが、オーストラリアでは1回の被ばくが平均で4.5mSvでしょうか?
それで、どのくらいのバリエーションがあるか?ということが一つと、
それからCTを受けて1年以内の患者さんの、腫瘍ができた人を除くとおっしゃっていますけれども、腫瘍によってはすごく早く出るものと遅く出るのとがあると思うんですね。
で、1年以内に出たというのを除くのは、たとえば白血病とそれからたとえば脳腫瘍なんかで1年以内に出たのを除くというので、腫瘍によって影響が変わるかどうか?っていうことをお伺いしたいんです。
ジョン・マシューズ:
ありがとうございます、こういった質問は非常に重要な質問だと思います。
平均のCTスキャンの線量ですけれども、BMJのドキュメントの中では4.5mSvとなっています。
これは早い段階で受けた場合には高くなるんですが、数字は下がっています。
現在は個別の臓器ごとの実際の線量の影響をみているんですが非常に複雑なんですね、この環境をみるのは。
アルゴリズムを正しく出さなければいけない。
また様々なマシーンを使って、プロコトールもいろいろ使っていかなければいけないということで、我々としてはまだそこまでは文書化はまだできていません。
66万8000のマシーンの設定をすべて確認したということもまだやっていないんですけれども、ただこの推定ですが、こちらはベストケースということでその当時の機械、その当時使われた設定上の状況をベースに考えています。
ですからこれよりもより良い推定を出していくためには、コホートを集めて数年間かかってやっと意味のあるコホートを集めていって、それで線量の情報を集めていくことが必要になります。
その間は、ベストの見積もりという形で、我々はコホートの今ある推定値を使って出していくのがベストの数字だと思っています。
二つ目のご質問ですが、がんの種類によって遅滞期間が変わること、その逆因果関係の可能性があるのかどうかということだと思うんですが、その可能性もあります。
この文献を見ると多くの研究が行われて、そのなかで研究者の方が遅滞期間を見て最初の症状が出てから、最初の診断が出てから、たとえば脳腫瘍の場合は、1年以上の場合ですけれども、
まず脳腫瘍が一番大きな影響でデータが間違っていて影響が出てこの逆因果関係に合わせるような状況になっているのではないかと思っています。
35;38
瀬川:
瀬川と申しますけれども、広島長崎のLSSよりも大きくなるという理由は、黒い雨とか、丘のバックグラウンドとか、50年代になってから始めたとか、その寄与があり得るだろうというのは思うんですけど、もう一つ低線量率との関係。
CTは一回で10ミリあるいは4、5mSvということですから、決して低線量率ではないわけですね。
むしろ高線量率であると。
で、低線量率というのは自然放射線ですとか、まさに今の福島の状況で、1時間あたりにマイクロシーベルト単位であると。
そこにずっと暮らしていたり、そういうものを体内に取り込んで行ったりという低線量率だと思うんですね。
最近自然放射線のいろいろな結果が出ていて、それらとの比較はされているか?
その辺を今後どう考えるか?
なんか一見したところ変わらない感じが私の印象としてはあるんですが、何かお考えはあるでしょうか?
ジョン・マシューズ:
現在環境線量のデータはありませんので、今ご質問されているのは我々が使う言葉。
この10mSvというのは低線量なわけです。
それは環境線量と、福島の環境被ばくの部分を見た場合、その場合は確かにおっしゃるように10mSvは高いと思います。
我々として必要なのは、言葉、文言をちょっと変えていかないといけないと思います。
高い低いという部分ですね、この線量が。
ですがもう少し具体的にですね、(音声切れる)と思っています。
キース・ベーヴァーストック:
皆さんは1mSv/年間というのが低線量だと思うんですが、たとえば皆さんの子供が10歳になった時、10mSvになる。
これが環境、バックグラウンドの線量になるわけです。
線量は蓄積されていきますので、こういったものも低線量の範囲に入ります。
※通訳の方が3人(?)いらっしゃって、途中で何度か交代されています。その日本語訳をそのまま書き出しました。
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年間20mSvで避難指示解除「どうぞお帰りください」
帰ってしまっていいのでしょうか?
転載終了
きーこちゃん、ありがとございました。