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偏った食事で発症する非アルコール性肝炎「NASH」 肝がん発症のリスク高まる

2020-07-22 | 医療、健康

https://news.yahoo.co.jp/articles/2416b0e1844277f57fa105505929a6df7b8e7191

 暑気払いなどで飲酒の機会が増える時期は、肝機能の低下に注意が必要だ。そこで、今回は2型糖尿病と非アルコール性肝炎(NASH=ナッシュ)について考えたい。

 多量飲酒をしなくても、C型やB型の肝炎ウイルスに感染していなくても、偏った食事で肝臓に脂肪がたまり、炎症を起こして肝細胞が変性していくのがNASHである。その発症と2型糖尿病の関係するメカニズムが、昨年2月に明らかになった。

 「肝臓の小胞体という細胞内の小さな器官では、食事の度にタンパク質が合成されています。質の悪いタンパク質も作られますが、正常な状態では分解されます。肥満やインスリン抵抗性があると、この仕組みが上手く働かず、2型糖尿病や脂肪性肝炎の発症リスクが高くなるのです。そのメカニズムが私たちの研究でわかりました」

 こう話すのは、国立国際医療研究センター研究所の植木浩二郎糖尿病研究センター長。糖尿病に関する数多くの研究を行っている。

 インスリン抵抗性は、食後高血糖や肥満に伴い、インスリンの作用が低下した状態。肥満とインスリン抵抗性があると、肝臓の「Sdf2l1」という分子が減少し、質の悪いタンパク質の分解がうまくいかなくなる。結果として、2型糖尿病やNASHになるという。

 「肝炎は肝がん発症のリスクを高めます。肝がんの原因の第1位は
C型肝炎ですが、C型肝炎の治療の進歩で肝がんになる人は減少しています。逆に増えているのが、NASHによる肝がんなのです」

 ここで、NASHの仕組みをおさらいしよう。

 食事をしたときに、余分なブドウ糖は中性脂肪に代わって脂肪細胞に蓄えられる。ところが、運動不足や暴飲暴食などで、中性脂肪が多すぎると肝臓にたまって
脂肪肝になってしまう。

 肝臓は、本来、脂肪をためる臓器ではないため、脂肪肝の状態が続くと炎症が起きやすくなる。結果としてNASHへ。NASHの状態が続くと肝臓の細胞が変性し、硬く線維化して機能しなくなる。

 変性した細胞はがん化しやすく、一方で、線維化が広がると
肝硬変につながってしまう。肥満やインスリン抵抗性が、NASHを後押しし、同時に2型糖尿病発症も発症させる。ただし、同時に解消することも可能だ。

 「2型糖尿病とNASHを合併している人では、2型糖尿病の治療薬『GLP-1受容体作動薬』(注射薬)と『SGLT2阻害薬』の服用で、NASHもよくなる可能性が近年示されつつあります」

 「GLP-1受容体作動薬」のGLP-1は、消化管ホルモンの一種で、インスリン分泌と作用を後押しする。SGLT2阻害薬は、尿と一緒に余分なブドウ糖を排出する作用を持つ。

 「NASHに対する有効な治療薬がありません。2型糖尿病の薬が応用できれば、肝がんリスクを下げることにも貢献できると思います」

 食生活の見直しも忘れずに。 (安達純子)

■NASHと2型糖尿病予防■

□BMI(体格指数=体重kg÷身長mの2乗)が「25」未満になるように、食生活を見直す(暴飲暴食からの脱却)

□ウオーキングなどの有酸素運動を1日30分~60分行う

□食物繊維が豊富な野菜や海藻を毎食ごとに摂る

□脂身の多い料理は控える

□腹八分目までを心掛ける

□間食は控える

□健診の異常値は放置せずに医療機関へ受診を

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