間違った意味で使われる言葉、1位は「ハッカー」
@DIME 10月15日(火)18時32分配信
株式会社小学館の国語辞典『大辞泉』編集部は、10月16日の辞書の日(米国の辞書編修者ノア・ウェブスターの誕生日/1758年)を記念し、「間違った意味で使われる言葉ランキング」と「言い間違いされる言葉ランキング」を発表した。大辞泉編集部が選んだ50の言葉について、「普段、あなたが次の言葉を使うとき、どのような意味で使っていますか? 本来の意味かどうかは問いません」という質問で、「よく見かける、本来と異なる意味」と「本来の意味」を二択で提示し、前者の回答が多かった順にランキングにしたもの。この調査結果について、大辞泉編集部は以下のように解説している。
■間違った意味で使われる言葉1位は「ハッカー」
1位の「ハッカー」には、本来、コンピューターで不正行為をする人という意味はない。そういう意味の言葉「クラッカー」と混同されていると思われる。しかし、新聞・テレビの報道などでも、悪い意味で「ハッカー」が使われている例が見受けられる。2つの言葉の知名度・浸透度の差から、分かりやすさを重視して、あえて「ハッカー」を使うケースも考えられる。新しいだけに、意味の変化が起きやすい言葉なのかもしれない。
2位の「確信犯」は、平成14年度「国語に関する世論調査」(文化庁発表)では、本来と異なる意味で使用される割合が57.6%だったが、今回の調査では73.0%という結果になっており、時間の経過とともに「誤用率」が大きくなってきている。
3位の「他力本願」は、自らの修行などによらず、阿弥陀仏の本願で救済されることという浄土教の言葉ですが、「人まかせ」という意味も定着してしまっているようだ。これに対し、浄土宗や浄土真宗の各宗派などが本来の意味の周知につとめている。
■言い間違いされる言葉1位は「○ 間が持てない」→「× 間が持たない」
大辞泉編集部が選んだ50の「意味」について、「次の意味を表す言葉として、あなたが普段使っている言葉を選んでください」という質問で、「よく見かける間違った言い方」と「本来の言い方」を二択で提示。前者の回答が多かった順にランキング。
1位の「間が持たない」は、「途切れがちの会話などを、うまくつなぐことができない」と言いたいときに7割近くの人が使っていますが、「間が持てない」が本来の言い方。平成22年度「国語に関する世論調査」(文化庁発表)では、「間が持てない」を使う人が29.3%で「間が持たない」を使う人が61.3%だったが、今回の調査では68.3%と、時間の経過とともに本来と異なる言い方を使用する割合が増加している。
2位の「声をあらげる」について、近年「声をあらげる」とすることもあるが、本来は誤り。正しくは、「声をあららげる」で、漢字にすると「声を荒らげる」と書く。しかし、最近は「あらげる」を使用する人の増加に伴い、放送現場では「あらげる」の使用も認められているようだ。3位の「足もとをすくう」は、「足をすくう」が本来の言い方で、「すくう(掬う)」は、「下から上へすばやく持ち上げる。また、下から持ち上げるようにして横にはらう。」という意味。「足もと」は間違いなのかどうか、といった議論がなされる言葉である。
両アンケートは、あえて「間違った意味」「言い間違い」としてランキングしたものだが、言葉というものは、それ自体も意味も、時代によって変遷していくのも事実。必ずしも「間違い」とは言い切れない場合もある。『大辞泉』は、そういった言葉の変遷を随時追跡し、辞書に反映する体制を整えているという。
■調査概要
・調査名 :本来と異なる意味・言い方で使用される言葉ランキング
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2013年9月20日~2013年9月23日
・調査対象:15歳以上の男女
・有効回答数:1200名<年代(15-19歳・20代・30代・40代・50代・60代以上)×性別 各100名>
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131022-00010000-shincho-soci
コンビニおでんの大根のヒミツ
Book Cafe 矢来町ぐるり 10月22日(火)15時50分配信
コンビニがおでん商戦に本格的に力を入れる季節がやってきました。店に入ったとたんに、ダシの強い匂いがしてくることもあります。
そのコンビニおでんの定番のタネのひとつが「大根」。数少ない野菜系のタネだし、カロリーも低そうだし、ということで買う人も多いことでしょう。セブン-イレブンは年間で5500万個も大根おでんを販売しているそうです。そのためには何と1200万本もの大根が使われています。
しかしあのコンビニおでんの大根、よく考えると不思議なところがあります。家庭で作るおでんの大根と比べて、形が整いすぎているのです。あんなにダシの味が染みているのに、綺麗な円柱形を保っていて、煮崩れていません。いつどこで買っても、同じくらいのサイズが保証されています。家庭で煮た場合は、もっと大きさもバラバラですし、少し時間が経つとすぐにグズグズの形になってしまいます。
なぜそんなことが可能なのか。実はあの大根、家庭で私たちが使っているのとは別の品種なのです。その秘密を明かしてくれているのが、『キレイゴトぬきの農業論』(久松達央 新潮新書)です。著者の久松さんによると、コンビニおでんで使われている大根は、俗に「客待ち品種」と呼ばれるもの。
特徴は「煮崩れないこと」「大きさ・断面が一定であること」「青首大根のように緑色にならず、どこも白いこと」などです。
この特徴がある大根をコンビニは専用の工場で特別な加工をしたうえで店舗に出荷しています。だから、グズグズにならないし、「俺のタネのほうが小さい」といった揉め事も起きないというわけです。
もっとも、そういう品種で大根の美味しさを十分に味わえるかどうかは別問題。自らの農園で有機野菜をつくっている久松さんは、「僕が考える冬の大根の美味しさは、トロっと煮崩れるあの食感と甘さです」と語っています。
もちろん、好みはそれぞれですが、家の煮崩れた「グズグズおでん」も胸を張って味わってよいということなのです。
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