https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200330-00080274-chosun-kr
米国で医療保険に未加入との理由で救急治療を拒否され、死亡した後に新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けた10代の患者が、韓国系住民だったことが分かった。この患者は米国内で新型コロナウイルス感染症によって死亡した初の未成年者と推定される。
30日付の英紙ザ・サンなどによると、今月18日(現地時間)に死亡したウィリアム・ファン君(17)の死亡記録には、人種が「韓国系(KOREAN)」と表記されている。ファン君は死亡後に新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けた。しかし、具体的な死因については「追加の調査が進行中」と明記されている。
ファン君は救急治療施設に行ったものの、医療保険を持っていないとの理由で治療を拒否された。その後、公立病院であるアンテロープバレー病院の救急室に移送される途中で心臓まひを起こし、6時間かけて心肺蘇生術を受けたが死亡した。カリフォルニア州ランカスター市のパリス市長はユーチューブで「ファン君が病院に到着したときは『遅すぎる』タイミングだった」と述べた。ファン君の死因は敗血性ショックと推定されるとザ・サンは報じた。新型コロナウイルス感染症は敗血症を引き起こす可能性があるといわれている。
ファン君は死亡後に新型コロナウイルス感染症と診断された。パリス市長は「ファン君は数日間苦しんだが、基礎疾患はなかった」として「(今回の件を通じて)呼吸困難や発熱の症状があれば、早めに病院で治療を受けなければならないということが分かった」と述べた。
ロサンゼルス郡は今月24日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症による10代患者の死亡例が初めて発生したと発表した。ただし遺族はこの患者がファン君だということを全く知らなかったとのことだ。先週初めには葬儀まで行ったという。パリス市長はザ・サンに対し「遺族はファン君がニュースに出ている少年だということを知らなかった」として「新型コロナウイルス感染症についても知らず、葬儀で弔問客らと握手をしていた」と話した。
ファン君の父親は新型コロナウイルス感染症の検査を受けようとしたが「自己隔離をするように」としか言われなかったとパリス市長は付け加えた。パリス市長は「ファン君が(新型コロナ感染症の)検査を受けられる唯一のチャンスは、彼がこの世を去った後だった」と述べた。
しかし、米国疾病予防管理センター(CDC)は依然としてファン君を新型コロナウイルス関連の死亡者として公式に分類していない。防疫当局は「ファン君は陽性判定を受けたが、このケースは複雑で更なる調査が必要だ」と明らかにした。