やるのは、お風呂に入ってから。やわらかくなっていていい。
筋肉はある程度引っ張られている感覚がなければ柔らかくはなりませんが、無理に伸ばすと筋断裂(肉離れ)を起こすことがあります。昔は、ストレッチは痛いほうが効果があると言われていたこともあり、特に50代以上の方は無理をしがちです。
しかし、無理に伸ばすのはご法度。では、どのくらい伸ばせばいいかというと、痛みを10段階で表現し、10が想像できる最大の痛み、8、9が涙が出るほどの痛み、5が顔が歪むほどの痛みだとすると、ストレッチに適した痛みは2、3くらい。これは「笑って我慢できる程度の痛み」です。
先に紹介した、開脚やヨガで体を痛めるケース以外に、ストレッチのお店で施術を受けて肉離れや疲労骨折を起こしたという事例もあります。体が柔らかくて、押すと難なく曲がるからといって施術者が一気に押したりすると、筋肉や関節を痛める場合もあるので、特に、人にストレッチをしてもらう場合は、一気に押したり、引っ張ったりしないよう注意してもらうことも大切です。
同じポーズを、長くやりすぎると伸ばしている箇所を痛めることがあるので、1回最大20秒程度にとどめるのがよいでしょう。
寝起きに伸びをするのはいいですが、いきなり前屈などの大きな動きをするのはやめたほうがいいでしょう。起きてすぐは寝姿勢で体が固まっているので、いきなり脊椎を動かすと筋肉や腱がびっくりして、痛みを感じることがあります。
立ち姿勢になり、歩いたりしているうちに徐々に腰椎がほぐれていきます。顔を洗ったり、いろいろな日常動作をしたりして徐々に体のエンジンをかけてから行うと安心です。体にエンジンがかかるまでの時間は年齢とともに長くなってきます。個人差はありますが、起きてから30分もすれば完全にエンジンがかかっているでしょう。
筋肉はトレーニングなどで刺激を受けると組織が破壊され、その後、新陳代謝により補強されてより強くなります。ですから、筋肉痛は悪いことではありません。しかし、筋肉痛のときにストレッチを行うかどうかは、痛みの程度によります。
軽く張ったような感じがするときは、筋肉の内圧が上がっているので、ストレッチで血液を循環させてリラックスさせるといいでしょう。一方、きついトレーニングの後でひどく痛む場合は、筋肉を伸ばし続けると損傷した組織をかえって痛めてしまい、回復を妨げることがあるのでストレッチは軽めにするか、もしくは控えたほうがよいでしょう。