http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=303687&g=132108
日本語を第一母国語として処理する日本人の脳は、外国人の脳と比べて、音声の処理の仕方が若干違うようです。 それは日本語が他の言語と本質的に違うからだそうです。日本語のようにすべての言葉に母音がついている言語は、おそらく他には見当たらないでしょう。 具体的には、言語を処理するのは左脳(言語脳)、音楽を処理するのは右脳(音楽脳)、ここまでは外国人も日本人も同じですが、日本語にとって重要な母音も日本人は左脳で処理する一方、外国人は言語的に重要でない母音を“機械音”として右脳で処理します。しかも日本人は“母音的なもの”として自然の音も左脳で処理します。つまり日本人にとって虫の“音”はあくまで虫の“声”なのです。 さらに“言語情報優先の原則”というものがあります。世の中の音声は言語音と非言語音が混在しているわけですが、脳は言語情報を優先的に処理します。その際日本人は母音も子音も左脳処理しますが、外国人は母音は右脳で処理するのでたとえ歌詞のある音楽でも日本人よりは右脳優位に処理しやすいわけです。日本人は歌詞を聞いたとたんに、たとえロックのリズムであろうと左脳で「言語」として処理してしまいます。 ようするに日本人にとって、洋楽のように、何歌ってるか分からない歌は“音楽”として右脳で処理され、言葉が明瞭な歌は“言語”として左脳で処理されるわけです。 *********
********* 角田教授の発見(上記の内容)では、虫の音だけでなく、そのほかの動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎまで、日本人は言語脳で聞いているという。これまた山や川や海まで、ありとあらゆる自然物に神が宿り、人間はその一員に過ぎないという日本古来からの自然観に合致している。 日本の子供が「ワンワン」と答えるのは当然である。親が犬を指して「ワンワン」と教えるのであるから。同様に猫は「ニャーニャー」、牛は「モーモー」、豚は「ブウブウ」、小川は「サラサラ」、波は「ザブーン」、雨は「シトシト」、風は「ビュウビュウ」。まるで自然物はすべて「声」をもつかのようである。
■人種ではなく、母語の違い こう考えると、西洋型か日本型かは人種の違いではなく、育った母語の違いである可能性が高い。「日本人の脳」というより、「日本語の脳」と言うべきだろう。角田教授の今までの調査では、日本語と同じパターンは世界でもポリネシア語でしか 見つかっていない。 昨年末、和食文化が世界無形遺産として認められた。この事に象徴される様に、日本文化は、全世界から注目されている。 日本人独特の繊細な感性が、世界から評価されているのだ。そうした日本人特有の感性は、どうやら日本人の脳の特徴によって齎されているらしい。日本人の脳は、自然の音を言語野で認識しているのだ。 こうした特徴は日本語を学ぶ事で形成されるという。だが、昨今の日本語環境は乱れている。小学校の英語教育はどんどん盛んになっているし、幼児期からの英語教育も注目を集めている。 独特の感性を持つ日本人脳が、日本語の習得によって作られるとすれば、幼少期からの英語教育は大変に危険に思われる。日本人型の脳の発達を阻害してしまう。 研究によれば、脳が西洋型か、あるいは日本型になるかは、人種の違いではなく、育った母語の違いであると分かっているからだ。略