ペット産業の裏で、大切な命が粗末に扱われている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150929-00000032-asahi-soci
犬猫2万匹、流通過程で死ぬ 国内流通で初の実数判明
2014年度に国内で販売されるなどして流通した犬猫の数は約75万匹で、その約3%にあたる2万3千匹余りが流通過程で死んでいたことが、朝日新聞とAERAの調査でわかった。犬猫の国内流通の実数が判明するのは初めて。(朝日新聞デジタル)
[記事全文]ペット流通のビジネスモデルとは
- 相次ぐ犬の大量遺棄事件――なぜ捨てられるのか? ペット流通の闇に迫る / 太田匡彦×荻上チキ
- 小売店、つまり食品スーパーとかホームセンターなどと同じ業態で生き物を売るわけですから、その先には大量消費という世界が広がっています。そして大量消費の裏側には、大量生産がある。その大量生産・大量消費をもとに成り立つ生体小売業を中心としたビジネスモデルが、日本にはあります。SYNODOS
http://synodos.jp/society/12723から少し 全部観ることをお勧めします
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小売店、つまり食品スーパーとかホームセンターなどと同じ業態で生き物を売るわけですから、その先には大量消費という世界が広がっています。そして大量消費の裏側には、大量生産がある。その大量生産・大量消費をもとに成り立つ生体小売業を中心としたビジネスモデルが、日本にはあります。そのために生まれたのが「パピーミル」と呼ばれるような子犬繁殖工場です。ここで大量生産を行っています
荻上 大量生産・大量消費があるという事は、賞味期限があるお弁当等のように大量廃棄もあるわけですよね。ペットは赤ちゃんの頃は売れるけれども年を取ると売れなくなってしまう。だから、そこには「処分」が発生してしまうと。
太田 仰る通りです。そもそも生産された商品を100%売り切ることができる小売業は、常識的に考えてありえません。どうしても不良在庫、売れ残りが出てきますよね。そうやって売れなかった子犬を、この業界ではずっと捨て続けてきたのです。
加えて申し上げると、大量生産している現場である工場には当然、生産するための「設備」が必要です。この場合の「設備」は、繁殖するための雄犬と雌犬なんですね。どんな商品を製造する工場だって、設備が古くなれば新しいものに取り換えます。犬という商品の工場の場合は、雌犬も雄犬も繁殖のために使えなくなったら捨てられてしまう。そうした構造が、生体小売業を中心としたビジネスモデルの背景にはあると言えます。
荻上 そもそもペットショップに来る前、繁殖の段階から遺棄は存在しているというわけですね。その手段が不法であるかないかの違いがある。
太田 昨年施行された改正動物愛護法において、犬の引き取り業務を行っている都道府県や政令指定都市などの全国の自治体は、犬猫などを販売している業者が犬猫を捨てに来た場合、引き取りを拒否できるようになりました。実はそれ以前は、自治体には業者からであろうとも引き取る義務がありましたので、業者は最寄りの自治体に捨てに行けば良かったんですね。
ただ、動物愛護法は改正されたのですが、ビジネスモデル自体はまったく変わっていません。設備の更新は相変わらず必要だし不良在庫の処分も必要なまま。でも自治体は引き取ってくれなくなった。じゃあ、じゃあどこに行くか、というわけで今回いくつもの「事件」として顕在化したと言えます。
荻上 つまり受け取れなかった「在庫」を、そこらへんに不法投棄したという格好になりますね。
太田 改正動愛法では業者に終生飼養も義務付けていますから本来はやってはいけない事ですけれども、どうしてもやってしまう業者が出てくるんです。
「処分」とはなにか
荻上 ここでリスナーの方からの質問を読みたいと思います。
『一般的にペットショップで売れ残ってしまった犬はどうなるんでしょうか。ショップの店頭にいる子犬が全部売れているとは思えません。成長するにつれて値段を下げて売りに出しているようですが、それでも売れない場合はその犬はどうなるんでしょうか。』
荻上 「処分」という単語が先ほどから出ていますよね。「処分」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
太田 ご質問にある通り、生体を小売りしているいわゆるペットショップのほとんどが、絶対に売り切ることはできません。ですから、従業員さんが引き取って育てているというようなペットショップチェーンもあります。
メールにもあるように、確かに値段を下げればもしかしたら売れるかもしれません。実際に、店頭で展示しながらどんどん値下げしているペットショップもあります。ですが、2万円でしか売れない犬と20万円で売れる犬が占めるスペースって一緒ですよね。2万円になってしまった犬は成長しているということだから、もしかしたらより大きなスペースが必要かもしれません。2万円の犬を置いておくよりも20万円の犬を置いておく方がビジネスとしては儲かる。
そうなると、売れなくなったらやっぱり捨てられると。動物愛護法が改正される以前は、業者は、売れなくなった犬を各自治体が運営する保健所や動物愛護センターなどに捨てていました。私が取材した大手ペットショップチェーンの中では、例えば生後6ヶ月のビーグルを殺して捨てていましたし、ほかにも売れなかった子犬をまとめて保健所に持っていく事例もありました。
荻上 棚を占有する分、ビジネスチャンスを失うことになると判断されるわけですね。改正される前は、保健所や愛護センターに持っていくということですが、行った先でその犬たちはどういう道を辿るのでしょうか。
太田 基本的には殺処分、殺されてしまう。もちろん動物愛護団体さんなどが努力されて譲渡、里親さん探しされるケースもありますし、自治体そのものが里親を見つける事もあります。ですが、私が取材を始めた7、8年前ごろは自治体が引き取った7割以上は殺処分してました。この1、2年は改善されてきましたが、それでも5割以上が殺処分されています。
荻上 逆に言えば2、3頭に1頭は誰かに飼われていると。
太田 動物愛護団体さんによる譲渡活動が一般化するに従って、新たな飼い主を見つけて命が救われるという事も徐々にですが増えてきてはいます。
荻上 『犬を飼いたいと思ったらペットショップではなく保健所や保護団体からもらうという選択肢がある事も多くの人に知ってほしいです』とあるのですが、殺処分の件数は把握されているんでしょうか。
太田 自治体で殺処分の件数は把握しています。2012年度ですと犬は、負傷犬も含めて39359頭でした。私が取材を始めた頃は、8万頭くらいでしたし、もっと遡れば10万、さらに遡れば20~30万、100万という時代もあった事を考えれば、減っていると言えるでしょう。
ただ問題は、行政で殺処分されている数がこのくらいだ、という事です。先ほど申し上げたように業者が闇で葬っている数については把握されていません。不幸な犬が減ったとは言えないんです。
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太田 パピーミルに行くと100頭200頭の単位で雌犬がいます。そして繁殖のための雄犬もいます。それだけの犬を終生飼養するなんて本当に大変な事ですよね。しかも取材をすると、だいたい一人か二人しか責任者がいなくて、後はアルバイトの女性がたまに来るみたいな状況なんですよ。略