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ツイートから4月7日の1 抗凝固療法中の大出血イベントのリスク&仙台で拡大E484K変異株&大阪はイギリス変異株が急速に拡大中 他

2021-04-07 | 医療、健康

1) 抗凝固療法中の大出血イベントのリスク
2) 仙台で拡大しているのはE484K変異株
3) 大阪はイギリス変異株が急速に拡大中
4) 日常を取り戻しつつあるイギリス
5) 米国は若者を中心に感染者が再び増加傾向
6) 米国は高齢者の55%で2回接種終了
7) ロックダウンも通用しない欧州でのイギリス変異株の脅威
8) オーストラリアとニュージーランドは4/19から隔離なしの往来再開

●抗凝固療法中の大出血イベントのリスク
→発症早期の抗凝固療法が予後を改善させる事は、病態から考えても恐らくは正しいかと思います。
まだガイドライン推奨となるレベルでのエビデンスは出ていないと認識していますが・・・

下記の報告では、以下の臨床的には重要な点を指摘しています。
・COVID-19では血栓イベントと出血イベントの発生時期に違いがあること。
・炎症の鎮静に伴い、経時的にフィブリノゲンが低下していくこと
・ヘパリンのoverdoseはかなり高頻度に起こっていること

フィブリノゲンを含む凝固系の定期的チェックが必要という事かと。
APTTでモニターしたほうが良さそうですが、論文ではそのような記載は特にありません。
Major bleeding complications in critically ill patients with COVID-19 pneumonia
https://t.co/yZUFi2q93q?amp=1
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・ICUに入院したCOVID-19患者は血栓症のリスクが高いため、高用量の血栓予防策が提唱されている。しかし、これに関連した出血リスクに関しては現時点で不明である。
・今回、ICU入院COVID-19患者における大出血(major bleeding)合併症を調べ、炎症や血栓予防策との関連を検討した。

・単施設の後ろ向き検討。人工呼吸器を要するCOVID-19肺炎でICUに入院した成人例を対象とした。年齢、性別、抗凝固療法の状況、血液凝固検査と、大出血や血栓イベントなどを含む予後のデータを収集した。

・ICU入院COVID-19患者56例のうち、10例(18%)で大出血、16例(29%)で血栓イベントが見られた。大出血はICU入室後、血栓イベントよりも遅い時期に起こった(17日(14-23) vs 9日(3-11), p=0.005)。

・フィブリノゲンはほぼ全例で出血の数日前(4日(3-5))に低下しており、d-dimerにも同様の傾向が見られた。すべての出血患者は抗凝固療法が行われており、6例(60%)では出血当日あるいは前日に抗凝固剤が過剰投与(overdosed)されていた。

・コホート全体では、抗凝固療法を受けている患者のうち、フィブリノゲン増加時に22%、フィブリノゲン減少時に78%で過剰投与が見られた(p<0.05)。

・COVID-19の凝固障害は二相性の経過をたどっていた。初期の高炎症状態では血栓イベントが起こり、出血性イベントは炎症が緩和され、フィブリノーゲンやd-dimerが減少する時期に発生していた。

・出血性イベントはヘパリンの過剰投与が原因であり、それは炎症の軽快とともに現れてくるため、治療期間中はヘパリン投与量を注意深くモニターする必要がある。

・血栓予防策はこの二相性の経過に合わせ、フィブリノゲンが減少したら、高用量から標準予防量に減少する事で、出血イベントを防ぐ必要がある。
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・出血イベントと血栓イベントの発生時期の違い
早期に血栓イベント、後期に出血イベントが起こっています。

画像

・大出血イベント10例の出血までのフィブリノゲンの推移
炎症が鎮静化するとともに値が低下しています。
赤丸の5例は出血時あるいは前日のヘパリンがoverdoseだったと。
overdoseの定義は体重あたりのヘパリン量で定義。
もともとoverdoseだったのか、経過中に体重が変化したのかは多分記載なしです。

●日本の状況
→東京都の推移
東京 新型コロナ 6人死亡 399人感染
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012958891000.html
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6日新たに399人が新型コロナウイルスに感染していることが確認
都の基準で集計した6日時点の重症の患者は5日より2人減って44人
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本日の全国の感染数・推移
大阪719人、兵庫276人、埼玉116人、愛知112人、宮城103人、神奈川100人、
沖縄98人、奈良78人、千葉62人、北海道63人、
京都55人、福岡51人、愛媛43人
4月6日 新たに確認された感染者数
https://t.co/90gSdETBQF?amp=1

→仙台で拡大しているのはE484K変異株
先月25日までの208件中167件(80%)がE484Kだったと。
確定にはシークエンスが必要ですが、恐らくは東京で最初に確認されたE484K単独変異株でしょう。
これまで変異株スクリーニングにE484Kを入れていなかったので、今まで分からなかったという事だと思います。

E484Kは免疫逃避変異であり感染力には影響がないと理解されていましたが、従来株を駆逐している様子からは感染力も強くなっている可能性を想定すべきかと。

実はE484KにACE2結合親和性増強があるのか、あるいはこの変異株にはspike領域のどこかに感染力に影響する追加変異があるのか?
仙台市 変異ウイルス「E484K」が80% 2月以降の新型コロナ感染
https://t.co/HLRN4Ssyem?amp=1

→大阪はイギリス変異株が急速に拡大中
この変異株の脅威は欧州の現状をみれば明らかです。
日本はワクチンなしでこれに対抗しなければなりません。
かなり怖い状況になっている事を日本の政治家は理解すべきです。
大阪で広がる変異ウイルス 感染力 最大1.7倍
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012959891000.html

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