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苦土石灰、有機石灰、消石灰の違い

2013-06-19 | 花、植物

http://www.h.chiba-u.jp/soudan/dojyo/sekkai.htmから

土壌を作るのに使う、苦土石灰、有機石灰、消石灰の違いを教えてください。

   
 

  石灰質肥料は石灰岩に由来する炭酸カルシウム(CaCO3)が主原料であり、これを高温で焼くと生石灰(CaO)になります。さらに生石灰を水と反応させると消石灰(Ca(OH)2)ができます。 これらが石灰質肥料の主たるものです。カルシウムは植物の必須栄養素ですが、養分の供給というよりは土壌の酸性度を矯正する目的で大量に使用されます。酸性土壌の多いわが国では、重要な土壌改良剤となっています。

  苦土石灰は苦土(マグネシウム)を含む石灰岩から作られたもので、苦土炭カルとも呼ばれます。これはマグネシウムの少ない土壌へマグネシウムの補給のために使用されます。

  有機石灰としては貝殻粉末、卵殻粉末など動物質原料の資材があります。石灰資材の使用量は資材の種類や土壌の性質によって異なりますが、土壌の表面に均一に散布して、すぐに作土全体に混ざるように耕します。施用後2-3週間あけて土とよく反応させてから元肥等の施肥作業に移ります。
 (回答者:渡邉 幸雄)

http://www.h.chiba-u.jp/soudan/hiryo/sekkai.htm

2.5m四方の家庭菜園を消毒しようと思い、苦土石灰を20kgも入れてしまいました。このまま家庭菜園を続けることができるのでしょうか。土を入れ替えた方が良いのでしょうか。
  表土から30cmはかくはんしました。
    
 
 
  まず、ご質問の内容に関連した質問が過去にもありましたので、こちらを参照ください。
  ・苦土石灰、有機石灰、消石灰の違いについて

  初めに、「消毒しようと苦土石灰を入れた」とありましたが、苦土石灰は土壌伝染性の病害や、線虫の防除には効果はほとんどありません。たぶん石灰窒素とまちがわれたのだと思います。石灰窒素(主成分:カルシウムシアナミド)は、施用すると土壌中で分解してシアナミドが生成し、病害虫雑草を防除する農薬的効果を発現します。その後、数日から10日ぐらいまでに尿素を経て、炭酸アンモニウムに変身して化成肥料になるのです。

  さて、菜園に使用されたのは苦土石灰ということですが、苦土石灰といってもよく似た3つのもの(苦土タンカル、焼成苦土石灰、顆粒苦土生石灰)があり、その他にも石灰質肥料として炭酸カルシウム、消石灰(水酸化カルシウム)、生石灰(酸化カルシウム)などがあります。また、苦土とはマグネシウムのことで、苦土石灰はpHの補正と同時にマグネシウムの補給も行う肥料というわけです。
  苦土石灰の施用量は、栽培作物や施用前の土壌pH、対照土壌の種類、目標pHにより大きく変わりますが、標準施肥量は200kg/10a程度が上限です。ご質問の家庭菜園の場合は、3200kg/10aを施肥してしまったことになり、およそ適量の16倍の施用量にあたります。従って、作物が出来るかどうかという質問ですが、結論から言えばかなり困難かと思います。苦土石灰は過剰害が出にくい肥料ではあるのですが、過剰に与え、土壌pHが6.5以上の値になるとマンガン、鉄などのヨウ素の欠乏症が発生します。
  実際には土壌サンプルを採取してpHを測定するのがよいのですが、手っ取り早いのは土壌の客土を行うと良いでしょう。客土が可能な状況であるかどうか分かりませんが、通路部分等の土壌を客土すればよいと思います。もし客土が困難な場合、或いは全面的な客土が困難な場合は、以下のことをするとよいでしょう。


 有機物の施用、腐葉土や堆肥などの大量施用で過剰施肥の影響はある程度緩和できます。


 pHを調整していないピートモス等を施用する。ピートモスは酸性ですので、植え穴に大量のピートモスを施用すると栽培できるかも知れません。


 栽培作物を変更する。アルカリ性が好きな作物としては、ホウレンソウ、レタス、ダイコン、ネギなどが挙げられます。度も比較的強い方の作物です。

(回答者:丸尾 達)

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