https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181201-00058335-gendaibiz-bus_all&p=2略
我々は、糖鎖工学を用いて高純度の糖鎖を大量生産する革新的な技術開発に成功しました。
思い通りの糖鎖を作ることができるため、バイオ医薬品の創薬に貢献できます。
糖鎖を大量に作るといっても、その量はせいぜいキログラム単位です。なぜなら、糖鎖はごくわずかな量で効力を発揮するからです。
糖鎖を活用した医薬品の数少ない成功例として、Amgen社が開発した腎臓透析用「アラネスプ」があります。ヒトの糖タンパク質であるエリスロポエチンのアミノ酸配列の一部を改変し、活性に重要な役割を果たす糖鎖を付加した遺伝子組み換え糖タンパク質製剤です。
この薬は、1回あたり15~60μg(0.000015~0.00006g)を静脈投与します。だから年間生産量がわずかに170gであるにもかかわらず、売上は4500億円にもなるのです。
──糖鎖は、とてつもなく高額なのですか。
実験用に市販されている試薬で1mg(=0.001g)が5000ドルぐらいですので、1gならざっと5億円を超えます。これでは研究に使うのも難しい。
ところが我々は年間10kgぐらいを作れる体制を整えました。価格は公表できませんが、従来と比べれば驚くほど安価です。
糖鎖工学研究所ではこうした純度99%以上の糖鎖ライブラリーを用意しています。そして糖鎖をタンパク質のどこにでも組み込める技術も開発済みです。
これは生物学的な方法ではなく、純然たる有機合成つまり低分子薬を作るのと同じ方法論に基づいた手法です。
いよいよ創薬へ、臨床研究も
──創薬への利用が期待されますね。
ようやくそのレベルにまでたどり着きました。略