大まかには書いてお伝えしてありますが、詳しく書き出してくださっています。
これを、説明しても神経質な人だとしか見られなかったり、大変なことになっていることが分かっていない人が多いです。
これも、マスコミや政府が誤魔化しているから、真実を知らされていないからです。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2714.htmlから
東日本の放射線管理区域~どのように日本が汚れたのか?~小出裕章氏12/22(内容書き出し)
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日時: 2012年12月22日(土)
場所:豊島公会堂
主催:「終焉に向かう原子力」実行委員会
講演内容
■小出裕章氏(00:03:25~)
『原子力を"即刻"終わらせたい』
■広瀬隆氏(2:07:15~)
『IAEA と ICRP 国際原子力マフィアによる被曝強制の歴史と福島県内の深刻な被曝の現実』
より小出裕章氏の講演の中から一部分ご紹介。
24:32~
福島から放出された放射能でどのように日本が汚れたのか?
大気中に放出された放射能でどんなふうに日本が汚れたか?ということを、
これも日本の政府が公開した地図です。
分かって頂けると思いますが、
日本というこの国は北半球の温帯という所に属していて、
その北半球の温帯では偏西風という風が卓越風で吹いている。
つまり、西から東へ基本的には風が吹いているのです。
そして福島原子力発電所はこの位置にあります。
東は全部海なんですね。
ほとんどの風が多分西から吹いていた。
放射能はみんな太平洋の方へまき散らされたという事になった筈だと思います。
でも、もちろん西の方には土地が広がっていた訳で、
そこがどんな風に汚れたか?というのがこの地図です。
原子力発電所を中心に、点線の縁が二つ書いてあります。
内側の点線が20km、外側の点線が30kmです。
今回の事故を受けて日本の政府は一番始め、
半径3kmの人達に非難しなさいと指示を出しました。
「バスを差し向けるから、そのバスに乗って避難所に行きなさい」と言いました。
しばらくしたら、10kmの人達に対して
「万一の事を考えて非難しなさい」という指示を出しました。
バスが迎えに行って避難所に運びました。
しばらくしたら今度は日本の政府は
「万が一のことを考えて20kmの人は非難しなさい」という指示を出しました。
そして指示を受けた住民たちは、迎えに来たバスに乗って避難所に行きました。
それからしばらくして、日本の政府は
「半径30kmの人は自主避難しなさい」という指示を出したんです。
自主避難って、出来ると思いますか?みなさん。
3月11日に巨大な地震があって、津波に襲われて、地域がもうボロボロにされている。
電気すらが来ていない。
お店も閉まっている。
ガソリンスタンドだって閉まっている。
道路はほとんど通れない。
そういう時にバスが迎えに来て避難所に連れて行ってくれるのならば、
まだ、避難できるかもしれないけれど、
「勝手に逃げろ」と言われたって、逃げる手段すらない。
行く場所すらがないとなったと思います
それがこの半径30km、点線の外側位。
しかし、実際に事故が起きてしまえば原子力発電所を中心にして均等に汚染が広がるわけではありません。
要するに風に乗って流れるわけです、汚染は。
「運で決まってしまう」という事になります。
ほとんどの、たぶん放射能は西風、偏西風に乗って太平洋に落ちたんだと私は思いますが、
ある時は北風が吹いていました。
その時には原子力発電所から放出された放射能は、南へ流れて行きました。
福島県の浜通りという一帯を放射能汚染が巻き込みました。
茨城県の県境を超えて茨城県を汚染した。
しかし一時期放射能の雲は海へ出て行きました。
そして茨城県の南部でまた陸に戻ってきて、
霞ヶ浦の周辺を汚し、千葉県の北部を汚し、そして東京の下町を汚しました。
ある時は、南東から風が吹いている時があって、放射能の雲が北西に流れてきました。
赤、黄色、緑と色が塗ってあるところを分かって頂けると思いますが、
モーレツな汚染です。
数字を言って恐縮ですけれども、
1㎡当たり60万ベクレルを超えて汚れている」というのが、この赤黄緑のところです。
分かって頂けると思いますが、半径20kmなんかでは到底止まらない。
30kmだって止まらない。
40km、50km先まで、猛烈な汚染が襲ってしまいました。
何の警告も住民たちは受けないまま、汚染の真っただ中に捨てられてしまうということになりました。
この40km50km離れた黄色緑のところは、福島県の飯館村という村です。
原子力発電所からは何の恩恵も受けない、
ビタ一文の金も貰わない、
自分たちの村は自分たちで良い村にしようとして長い間努力をしてきました。
日本一美しい山村と言われるほどの村にして、誇りを持って生きてきた村ですけれども、
その村が猛烈な放射能に襲われて、全損離村になってしまいました。
ここまで放射能が流れてきた時に風向きが変わりました。
北風が吹いてきて放射能は南へ逃げて行きました。
青い帯になっているのが分かって頂けると思いますが、
ここは福島県の中通りと呼ばれている地域です。
東側には阿武隈山地が並んでいます。
西側には奥羽山脈が並んでいます。
両側を山に挟まれた平坦地です。
大変住みやすいということで、北側から福島市・二本松市・郡山市・白河市というような
福島県内の人口密集地がずらりと並んでいる。
そこを放射能が舐めるように襲っていきました。
栃木県との県境に行きましたけれども、
放射能からすれば県境なんて全く意味がありません。
やすやすと乗り越えて、栃木県の北半分を汚染しました。
さらに群馬県の県境も越えて群馬県の北半分を汚染しました。
さらにまっすぐ行けば長野県だったのですが、
群馬県と長野県の間には高い山が連なっています。
その山を風が超える事が出来なくて、風は今度は山沿いに南下をしました。
群馬県の西の半分をずーっと汚染に巻き込んで、
埼玉県の西部と東京の奥多摩を汚染するという事になりました。
先程、赤黄緑のところは1㎡当たり60万ベクレルの放射能で汚れていると私は聴いていただきました。
そして今、今現在この赤黄緑のところは住民が強制的に避難させられている地域で、
到底人が住めるようなところではないと私は思いますし、
日本の政府も、この赤黄緑のところから人々を追いだしています。
面積で言うと約1000平方キロメートルです。
日本一大きい湖が琵琶湖ですけれども、
琵琶湖が1.5個入ってしまうと言うほど広大な地域が、無人になってしまうという事になりました。
ではその外側の汚染はどんな汚染になるのか?ということですが、
この青い帯のところ、薄い青と濃い青がありますが、
薄い青のほうが汚染が強いところです。
10万ベクレルから30万ベクレル汚れているという所というのがこの薄い青のところ。
そして、濃い青のところは6万ベクレルから10万ベクレル汚れていると日本政府が言っています。
さらにその外側にくすんだ緑のところがあります。
あちこちにありますね。
北の方から言えば、岩手県にも宮城県にもあるし、福島県の安芸の方もそうです
栃木県群馬県にも広範に広がっている地域、茨城県千葉県、あるいは奥多摩という所にもあるんですが、
そこは、3万ベクレルから6万ベクレル汚れているという範囲です。
でもみなさんは、1㎡当たり3万から6万、
あるいは10万という数字を聞いてもピンとこないと思いますので、一つ例を聞いていただこうと思います。
私は京都大学原子炉実験所という所で、原子炉や放射能を相手に仕事をしています。
ただし私は被爆をしたくありません。
出来る限り被ばくをしないように常日頃から気を付けています。
普通仕事は、自分の研究室という所で、放射能が全くない、汚染の無いところで仕事をしています。
それでも仕事がら放射能を使うという事はあるわけで、
そういうときはどうするかというと、放射線管理区域というに入って仕事をします。
みなさんは入ってはいけない場所です。
私のように特殊な人間だけが、
特殊な仕事をする時に限って入って良いというのが放射線管理区域です。
私が放射線管理区域に入った途端に、私は水を飲むことが許されなくなります。
食べ物ももちろん食べられません。
そこで寝てもいけないと、仕事が終わったらさっさと出て来いというのが放射線管理区域ですが、
でも、簡単には出られないのです。
私は仕事を終えてなるべく早く管理区域外に出たいと思いますけれども、
管理区域の出口に行くと、扉が閉まっていて開かない。出られない。
その扉をあけるためには一つの手続きをしなければいけせん。
扉の前に放射線汚染の検査装置が置いてあります。
「その検査装置でお前の身体が汚れていないかどうかを測れ」ということになっている。
しかし私は放射能を使って仕事をしたわけですから、
私の衣服が放射能で汚れているかもしれない。
私の手が放射能で汚れているかもしれない。
汚れたまま管理区域の外側に出てしまえば、普通のみなさんが生活をしているわけで、
普通のみなさんを被曝させてしまう。
それはやってはいけない事だから、ちゃんと測って、
衣服、手、足などが汚れていないかどうかを確認しなければドアが開かないという、
そういう仕組みになっている。
では、その時にドアが開く基準はいくつか?というと、
1㎡当たり4万ベクレルです。
もし私の実験着が1平方mあたり4万ベクレル以上で汚れていれば、
私はその実験着を管理区域の中で脱いで放射能で汚れたゴミとして捨ててこなければいけないのです。
私の手が1平方m当たり4万ベクレルの放射能で汚れていれば、私は出られないのです。
管理区域から。
管理区域の中に流しがありますので、そこで手を洗って、手を綺麗にしろ。
水で洗って落ちなければお湯で洗って落とせ。
お湯で洗って落ちないなら、石鹸を付けて洗って落とせ。
それでも洗って落ちなければもうしょうがないから
手の皮膚が少しぐらい破れても良いから薬品で落とせという、
1平方m当たり4万ベクレルを下回らない限りは、管理区域の中から外へ出られない。
それが基準だったのです。
この青のところは少なくても6万ベクレルを超えて汚れている。
その周りのくすんだ緑のところだって、3万ベクレルから6万ベクレル汚れている。
私の実験着が汚れている、私の手が汚れているという事とは違うのです。
大地がみんな汚れている。
メチャクチャな汚染だと、私は思います。
福島県の東半分、
宮城県の南部と北部、
茨城県の北部と南部
栃木県・群馬県の北半分、
千葉県の北部、
埼玉県・東京都の一部、
あるいは新潟県の一部であるとか、
岩手県の一部。
そんなところまでが放射線の管理区域にしなければいけないというほどの汚染を受けているのです。
何度も言いますが、放射線管理区域というのは、
私のような特殊な人間が特殊な仕事をする時に限って入って良いという場所なのです。
普通の人は入ってはいけないし、子どもなんている事は到底許されないという場所が
こーんなに、広がっている。
ということです。
埼玉県&千葉県&茨城県&栃木県の汚染地図(文部科学省)
東京都&神奈川県の汚染地図(文部科学省