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“町”は「まち」か「ちょう」か…調査して分かった東日本・西日本での傾向 境界線らしき川が長野にあった(東海テレビ) - Yahoo!ニュース
【画像20枚で見る】 「まち」と「ちょう」の境界線は長野か 県内唯一「ちょう」と読む町で真相に迫る 愛知県「設楽町」や岐阜県「北方町」、三重県「菰野町」といった“自治体の『町』”を「ちょう」と読むか「まち」と読むか…。全都道府県の自治体を調べてみると、北海道や九州など例外はあるもの、大まかに東日本は「まち」、西日本は「ちょう」と読むところが多いことが分かりました。
■「まち」か「ちょう」か…日本列島色分けすると東西に分かれる結果に
愛知県には、確かに幸田町(こうたちょう)や設楽町(したらちょう)など、町を「ちょう」と読む自治体が多くあります。「ちょう」と読むか「まち」と読むかは、地域によって傾向があるのか調べました。
まずは市町村の情報がまとまっている「全国市町村要覧」をもとに、47都道府県すべての自治体を読み方で色分けすることにしました。
全て「まち」と読む都道府県を青で、全て「ちょう」と読む都道府県は赤で塗っていきます。どちらも存在する場合は、「まち」が多ければ青の斜線を、「ちょう」が多ければ赤の斜線を、地道に日本地図を塗っていくと…。
まずは東北から見てみると、「まち」ばかり…。投稿にあった福島県の浪江町(まち)をはじめ、東北は「まち」が優勢のようです。関東もほぼ「まち」の青で塗りつぶされました。
北海道は、「ちょう」が多いものの、東日本に「まち」が多く、東海3県を含む西日本に「ちょう」が多い、西日本と東日本に分かれる結果となりました。
■「まち」か「ちょう」かの境界線は長野か…県内唯一「ちょう」と読む町へ
ここで注目したのが、真っ青な「まち」の関東と、真っ赤な「ちょう」の東海地方に挟まれた長野県。長野県は、「まち」が22で、「ちょう」が1という内訳。長野県で唯一「ちょう」と読む町は、県南部の「阿南町(あなんちょう)」です。
名古屋から車で走ること2時間、すぐ南は愛知県豊根村という、人口4372人(7月1日時点)の阿南町。町内には、県内最大級といわれる全長15メートルの「阿南関昌観音」がそびえたち、JAをのぞいてみると名物のスモモなどが並んでいました。
「ちょう」と「まち」の境界線上にあるともいえる阿南町(あなんちょう)。なぜ、長野でここだけが「ちょう」なのか、地元の人に聞いてみると…。 女性: 「『まち』の方がしっくりくると思ってたけど、なんで『ちょう』なのかってずっと感じていました」 男性(70代): 「ちょっと変わっているなと、呼び方が。それは疑問に感じましたけど」 長野県の中で、ここだけ「ちょう」と呼ぶことに違和感を持ってはいるものの、理由については分からないようです。しかし、気になる話が…。 男性(50代): 「『あなんまち』と小さい頃は言ったり。『あなん“ちょう“』って言うのか、『あなん”まち“』って言うのか、小さいころはその認識もなかったんですよ」
昔は「まち」と言っていたという情報が得られたため、手がかりを求めて阿南町役場へ。
■阿南町は当初から「あなんちょう」も…「まち」と「ちょう」混在して読む人も
町役場で昭和32年に3つの村が合併した際の資料があるとのことで見せていただくと、そこには町ができた当初から、すでに「ちょう」であったことが示されていました。
しかし、町の人で、昔は読み方が「まち」と「ちょう」が混在していた人がいたことを伝えると…。 阿南町役場の担当者: 「そんな印象ありましたね。阿南町郵便局があるんですけど、阿南“まち”郵便局と呼んでいたのを、途中で阿南“ちょう”郵便局っていう風に変えたという…」
「まち」を「ちょう」と読むようになった理由は、何だったのでしょうか。
■町長「愛知県の色が強かった」…愛知の文化が県境を越え「ちょう」と読むように?
代々この地で育ってきたという勝野一成町長に話を伺いました。 阿南町の勝野一成町長: 「やっぱり愛知県の色が強かった…。植林を促進したのが愛知県の人間で、ずっとこっちまで降りてきた…」
戦前の昭和初期に愛知県から来た林業の指導者が、この地でヒノキの植林を指導したという歴史があり…。さらに、愛知県の東栄町(ちょう)や設楽町(ちょう)など県をまたいで愛知の人との結婚も多かったといいます。 勝野町長: 「(愛知の文化が)阿智川を境にして入ってきたんですよ」
県境を越えて愛知の文化が入ってきたため、「ちょう」と呼ぶようになったのではないかという見解でした。
東日本は「まち」、西日本は「ちょう」の傾向が強い中、長野県阿南町の北側を流れる阿智川に「ちょう」と「まち」の境界線があるのではないかということがわかりました。
コメントから
なかなか面白い記事ですね。
ただ、この手の調査は、市町村合併や市制施行が進んだ昨今はかなりやりにくいのではないか?と思います。
一例を挙げると、この記事では京都府では現存する町の読みは「ちょう」となっているとありますが、向日市の市制施行前の読みは「むこうまち」でした。JRの駅名や公共施設等に残っていますね。
なので個人的にはこの記事にあるような傾向にはあるのだろうとは思いますが、単純に語呂が合うように(読みやすいように)読まれている(?)地域もあるのだろうな、と思っています。