https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170701-00000020-pseven-lifeから抜粋
「女性の場合、平均約50歳で迎える閉経に向けて、40代後半から急激に女性ホルモンの量が減る。なので更年期障害はこの時期に集中します。
一方、男性は特定の時期にホルモン量が減るわけではないので、症状が出るタイミングに個人差が大きい。40~60代に多いと思われますが、70代、80代の方もいる。そのため更年期障害と認識されず、見落とされていることが多いのです」
代表的な男性ホルモンであるテストステロンは精巣(睾丸)で作られ、性欲を高める、筋肉や骨格をつくる、活力を増すなどの働きをする。しかし分泌量は20代をピークに徐々に減り、重度のストレスがかかるとさらに低下する。その影響で男性更年期障害が引き起こされる。
症状としては、「眠れない」「動悸がする」「汗をかきやすくなった」「倦怠感」などで、女性の更年期障害と共通する特徴が多いが、男性更年期外来を設ける医療法人社団医新会の横山博美理事長はこう話す。
「男性に特徴的なのは“朝勃ちしなくなった”といった性機能の衰えや、“緊張したり、夜中になると尿意をもよおす”などの排尿の不調です。これは睾丸の働きの低下が前立腺に影響することで起こります。いずれも口に出しにくい症状で、男性の更年期が広く認知されていないこともあり、カミングアウトできない“隠れ更年期障害”は多い」
横山氏によれば、男性更年期には3回のピークがあるという。最初は厄年に当たる42歳前後で、性機能の低下や排尿障害、動悸や過呼吸などの症状を引き起こしやすい。2回目のピークは50歳前後で、「休み明けに仕事に行きたくない」「思うように仕事がはかどらない」といった気力の低下が見られやすいという。
「見落としがちなのが3回目のピークである60~65歳です。定年退職を意識し始める時期で、“何にも興味が持てない”“何が楽しみで生きているかわからない”といった燃え尽きタイプの症状が現われます」(横山氏)