昔はいいとされていてよかろうと思ってしている人がいるかもしれませんが、よくないのでやらないように。
つい最近も、TVで視力がよくなるということでスプーンを温めて、目の周りを擦ったり、叩いたりする方法が紹介されていましたが、暖めるのはいいでしょうが、目の近くを叩いたりは危ないかも。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181215-00187173-diamond-bus_all
● 「眼トレ」で網膜剥離を 起こす患者が急増
10年以上も前に、ある精神科の医師がテレビで提唱しはじめた「眼球の体操」なるものがありました。今でも「眼トレ」として流行っているようです。目を上下左右に激しく動かすことで、目の健康と老化防止を図る、というものです。ところがこれは、じつは目の素人が雰囲気だけで考えた、とんでもない行為なのです。
しかし、これを真に受けたかなりの中年女性が、目の老化を防ごうとして、この運動を実行してしまいました。
結果はどうなったかというと、この運動によって目の中の硝子体線維が強く揺れ、その線維の端に付着した網膜が引っ張られて破け、網膜剥離になる方が続出
しました。
目を激しく動かして硝子体線維が揺れると、線維が引っ張っている網膜がより強く引っ張られます。この力が網膜周辺部に網膜の裂け目を作るのです。 さらに、この運動を続けることで、その線維の断端にある網膜の小さな裂孔が引っ張られ、より大きく裂けます。そして、裂け目から目の中の水が網膜下に入り、網膜剥離が起きるのです。
中年以降の方は、硝子体が収縮して水と入れ替わっていますので、とくに硝子体線維が揺れやすいのです。この硝子体線維は網膜に線維を張っているため、揺れと引っぱりが網膜剥離につながります。
現に私のクリニックには、その運動を真面目におこなって網膜剥離になってしまった中年の患者が何人もやってきました。網膜剥離の緊急手術を何件も実施して治療しています。まったく人騒がせなデタラメ運動療法です。ぜったいにこんなことは行ってはいけません。
一般の人にとっては、「目を激しく動かすこと」は、「走ることで健康になる」のと同じ類の運動だと思えるのでしょう。ところが、激しく目を動かす行為は、目の中の硝子体線維を激しく揺さぶる行為であり、目の健康増進や目の老化防止などにはまったく役に立たない
ばかりか、網膜剥離の原因にすらなるのです。このことを、ぜひ肝に銘じていただきたいと思います。 参考記事
3Dアートをいくら眺めても
目はよくならない?
● 目は「むき出しの臓器」 叩いたりこすったりは厳禁
書店には、眼球運動だけでなく、『〇分で目がよくなる』などと称して、お手軽な目の健康法なるものが書かれた本がありました。内容を読んでみると、目やその周辺部分を叩いたり、こすったりするといったやり方が述べられていました。
不思議なことに、こんな本が売れているようです。私からすれば、目に障害を与えるだけの、信じられないような内容の本があるのです。毒にも薬にもならない内容なら、私も気にしません。ところが、この通りのことを真面目にやると、目に障害が来る可能性があるのです。ですから、看過できないのです。
目は「むき出しの臓器」です。目は光をできるだけ直接、中に取り込むために、「むき出し」のままであり、骨には守られていません。外からの力に対してはまったく無防備
なのです。そのことをよく理解してください。 健康を得るためのものに、お手軽なものなどないのです。お手軽本など信用しないことが、自分を守る一番大事なことと知るべきです。
● 目は「むき出しの臓器」 叩いたりこすったりは厳禁
書店には、眼球運動だけでなく、『〇分で目がよくなる』などと称して、お手軽な目の健康法なるものが書かれた本がありました。内容を読んでみると、目やその周辺部分を叩いたり、こすったりするといったやり方が述べられていました。
不思議なことに、こんな本が売れているようです。私からすれば、目に障害を与えるだけの、信じられないような内容の本があるのです。毒にも薬にもならない内容なら、私も気にしません。ところが、この通りのことを真面目にやると、目に障害が来る可能性があるのです。ですから、看過できないのです。
目は「むき出しの臓器」です。目は光をできるだけ直接、中に取り込むために、「むき出し」のままであり、骨には守られていません。外からの力に対してはまったく無防備
なのです。そのことをよく理解してください。 健康を得るためのものに、お手軽なものなどないのです。お手軽本など信用しないことが、自分を守る一番大事なことと知るべきです。