「風邪かと思ったら…関節に激痛が」堀ちえみ、リウマチとの戦いを語る(女子SPA!) - Yahoo!ニュース
「身体がダルい」ちょっとした異変を無視していた
――堀さんがリウマチに関する異変に気付いたのは、どんなことからだったのですか? 堀ちえみさん(以下、堀):リウマチと診断されたのは2016年なのですが、その数年前から「身体がダルいな」「ちょっと熱っぽいな」「身体がところどころ痛むな」「肩凝りがひどいな」といった感覚が続いていたんです。あと、日によって足首に少し腫れが出たりして、靴が当たったりすると「痛い!」と感じたり。 ただ、10代のころから人目に触れて、歌ったりする仕事をしていたものですから、いま挙げたような症状に慣れっこになっていたんですよね。 私の仕事は、緊張感や長時間の拘束、不規則な生活リズムが付きもの。だから、無意識のうちに身体に変な力をかけてしまったりする。ステージで歌うのも全身運動ですし。仕事が終わったときに身体のどこかが痛かったり、強い疲労感がドッと押し寄せてきたりすることなどは日常茶飯事でした。肩凝りなんて、高校生のころからありましたから(笑)。 そんな生活を続けていたので、「ちょっと痛いな」「身体中がこわばるな」と思いながら、定期的に整体に通って、しのいでいたんです。
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――リウマチと診断されたきっかけは? 堀:たまたま、身内が膠原病(こうげんびょう)を持っていることがわかったんです。そのことを人間ドックの際、先生に伝えたら「身近な親族に膠原病の方がいた場合は、念のため膠原病関連の数値も調べておくほうがいいですよ」と助言されました。それで、血液の検査項目をオプションで追加してもらったところ、リウマチ因子と炎症反応が示されたんです。 「堀さん、あなたは膠原病のひとつである、リウマチです」と先生に言われて、「えっ、リウマチ?」と。最初は意味がわからなくて。略
――年をとると眠りが浅くなって疲れがなかなか抜けない、といった話もありますからね。 堀:ええ。「もう年だからなぁ」と考えて、つい放置してしまう。ただ私の場合、以前は寝起きが悪くなかったのに、朝、身体がダルくてなかなか起きられなくなって。とにかく、寝ても寝てもダルいんです。これは少し「変だな」と思っていました。 でも、ダルさとか、凝りとか、痛みとか、まるで風邪の初期症状みたいじゃないですか。あと、天候とか気温によっても症状が変わってくるし。リウマチに関する知識がないと「年のせいかな」「風邪かな」「身体が冷えたのかな」「ここのところ雨続きで、ちょっと気分が沈みがちだったし、運動不足だったかもな」なんて、つい軽く考えてしまう。
堀さん流、リウマチとの付き合い方
――痛いこともあるけど、それはそれとして自分なりに対応していくと。 堀:そうですね。私は、自分がガンだとわかったとき、「徹底的に戦おう」「絶対に打ち勝ってやる」という意気込みでガンと向き合いました。でも、リウマチはちょっとニュアンスが違うんです。愛おしい……というと少し奇妙ですけど「これも自分の身体の個性」と捉えて、根気強く付き合っていくしかない、みたいな感覚でしょうか。“敵対”ではなく“共存”なんですよね。 もちろん、そんな悠長に構えていられない日もあります。骨の内側を叩かれているような、関節を削られるような、強い痛みを感じることもある。それで動悸がしたり、疲れ切ってしまったり、イライラしたりする場面も少なくありません。そういうときは無理をせず、痛み止めを飲んで、ベッドに横になったりして身体を休める。そうしたことを重ねていくなかで、自分なりにリウマチとの付き合い方を見つけていくしかない。私はそう考えています。 ※本記事では患者さんの体験談として、関節リウマチの症状を含め記載していますが、これらの症状をもって確実に関節リウマチであると判断するものではありません。気になる症状があれば、早めに専門医に相談しましょう。
関節リウマチってどんな病気?
関節リウマチは、全身のさまざまな関節に痛みや腫れを生じ、しだいに関節や骨がこわれていく病気です。少し前までは、関節リウマチは一生痛みが続き、関節がだんだんと変形していく病気などと考えられていましたが、今はできるだけ早い時期に治療を開始し、痛みや腫れなどの症状がおさえられ、関節がこわれていかない状態を目指すことが理想的です *1)。 関節リウマチの症状*1) 1.関節の痛みや腫れ 関節リウマチの主な症状は、関節の痛みや腫れです。また、左手の関節が腫れたら右手の関節も腫れた、というように、左右の関節で対称的に症状があらわれることがあります。治療せずに放置しておくと、関節や骨がこわれて変形し、日常生活での動作に支障が生じることがあります。 2.朝のこわばり 関節リウマチでは、朝起きてからしばらく手を動かしにくい、足がうまく動かない、ということがあります。これは「朝のこわばり」とよばれる症状です。 3.疲れやすい/だるい 関節リウマチでは、疲れやすい、だるいといったからだ全体の症状がみられることがあります。 *1)松田剛正他: 関節リウマチのトータルマネジメント.(公財)日本リウマチ財団 監, p20-96, p102-126, 医歯薬出版, 2011