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がん細胞は,休眠状態に入ることで治療薬の効果を回避する厄介な能力がある。その厄介な能力を逆手に取って休眠状態を持続させれば,それ以上がんが浸潤したり転移することもない…。 がん細胞を強制的に「眠らせる」薬剤を発見!
がん細胞を強制的に眠らせることができるようです。 米国マウントサイナイ医科大学(ISMMS)の研究で、活発に増殖する危険ながん細胞を強制的に休眠状態にする薬剤が発見されました。 がん細胞の厄介な能力として、休眠状態に入ることで治療薬からの攻撃をやり過ごす能力があります。 しかし研究チームは、むしろ積極的に休眠状態を誘発し、がん細胞を生涯にわたって「眠らせたまま」にすれば、結果的にがんで死ぬことがなくなる、と考えました。
また、新たに発見された薬剤「C26」を投与したマウスでは、がん細胞が深い休眠状態に移行し、増殖と転移が完全に封殺されたことが確認されました。 がん細胞を殺すのではなく、患者が老衰や他の原因で死亡するまで「眠らせる」という共存戦略は、がん治療の将来におけるスタンダードとなるかもしれません。 研究内容の詳細は、2021年11月23日付で科学雑誌『Journal of Experimental Medicine』に掲載されています。