ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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BMI と尿酸濃度 (10) 緩めの糖質制限の詳細

2015年02月10日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2021-7-24、2021-8-1追記〕

 

 前回記事のグラフに関する事項を列挙しておこう。

 

1. 最近のBMI・尿酸値・糖質の制限状況など

下記(2)の時点の特異値を除くと、緩めの糖質制限食下でも従来のBMI-尿酸値のトレンド線に戻った感じがする:

(1) BMI18.5 -尿酸値6.0(従来、普通の糖質食でカロリー低め)
(2) BMI18.2 -尿酸値7.7(糖質制限3か月経過、
多分PFC=23:55:22でC=80g/day)
(3) BMI16.6 -尿酸値5.6(今月糖質制限11か月経過、PFC=17:57:26でC=92g/day)

尿酸関連の特記事項:
(1)の頃:体調良好。サプリなし、毎日飲酒。
  BMIからの推計尿酸値は6.4。

(2)の頃:体調良好でない時あり。ナイアシン500mg/day(皮膚症状対策)

  毎日飲酒(すこし増えたかも)
  BMIからの推計尿酸値は6.3。

(3)の頃:体調良好。アンセリン40mg/day、チーズ20g/day、

  毎日飲酒(元の量に戻ったかな)。肝機能少し悪くなる。
  BMIからの推計尿酸値は5.7。

 

2. 体感からの推論
 
(1)上記1.(2)の時点
 次の二つの主因で尿酸値が1.4ほど推計値から上昇したのかもしれない :

(ア)主燃料の変更(糖質から脂肪酸へ)・変更直後の燃焼非効率性(糖質メインから脂肪酸メインへの 設定変更に時間を要し、変更当初は非効率の故、無駄炊きが増える)により酸素消費が亢進し抗酸化物質である尿酸の需要が上昇(山勘だと、0.5-1.0くらい?)
(イ)ナイアシン摂取(下肢全体に出た皮膚症状への対策のため摂取し、著効)による尿酸値の上昇(山勘だと、0.5-1.0くらい?)

 この頃は、痩せすぎないように、また、江部康二氏によれば「尿酸値が上昇するのは 摂取エネルギー不足のことが多い」で、かなり食べていたところ 。結果としては、食べ過ぎであった感じ(糖質制限だと食べ過ぎでも太らないので、すぐに分からないのだろう) 。

(2)上記1.(3)の時点
 上記のア・イの要因はなくなったので、推計値付近に回帰したのかもしれない。

 タンパク質の割合を減らしたのは、お腹の調子が悪いことが多くなってきたため。変更直後の燃焼非効率性が解消されると、タンパク質を燃焼する機会・量が減たのかもしれない。このため、タンパク質が吸収されず、腸内の有害菌の餌となり、悪さをしていた可能性が高い。

 実際、タンパク質摂取を体重1kg当たり1.2g/dayだとほぼ問題がなく((3)の頃の数値)、体重1kg当たり1.35g/dayだとだいたい問題が出て、その間だとマチマチの感じ。

 BMI18.2から16.6の低下は、快食・快便になるようタンパク質の摂取量を減らした(ついでに食物繊維は増やした)結果であって、摂取量を守る以外なんの努力もしていない(空腹感もほとんどなし)。
 
(3)現状
 現状では、タンパク質の摂取量を減らして体重1kg当たり1.0g/dayにして、アンセリン摂取を取りやめて観察中。

 

3. 体感からの体質の分析

 全体を整合的に説明できそうなのは、自分の体質は、糖質制限の際に

補酵素NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)の酸化還元リサイクルの脆弱性が露呈し易い

ということかもしれない。

多くの人にとっては、訳の分からんリサイクルとは思うけど、このリサイクルは個人的な理解だと、
「空きっ腹で酒を飲むと、悪酔いし易い」
という酒飲みにとっての定説?に関連している気がしている。
 
 NADの酸化還元リサイクルは、次のような感じ :

還元型NAD(NADH2+):電位が高くエネルギーを持ちこれを放出して元に戻る
↑(注1)   ↓(注2)
酸化型NAD(NAD+)

注1:アルコールの代謝(エタノール分解、アセトアルデヒド分解)、脂肪酸の代謝(β分解、燃焼)
注2:糖質の代謝(呼吸鎖)
 

 空腹時だと、酸化型NADが減りすぎてアルコール代謝が滞り、エタノールやアセトアルデヒドがいつもより長く漂うことになるので、悪酔いし易くなるのだろう。
 
 飲酒する人が糖質制限をすると、脂肪酸代謝の亢進、糖代謝の低下がおこるから酸化型NADが更に不足し易くなるようだ。

 酸化型NADがかなり不足すると、皮膚症状(色素性痒疹様、悪化したとこはペラグラ様)が出る体質のようで、糖質制限開始後(ナイアシン摂取中止後も)2週間半くらいで問題が出始めた。

 ナイアシンは体内で酸化型NADに代謝されるので、摂取するとボトルネックが解消されることになるのだろう。実際、ナイアシン摂取中は「ナイアシンによるウワバミ化」が起こっている感じでかなりお酒に強くなったところ(採血の前には酒量を落としたけど) 。

 直近の肝機能が少し悪かったのも(酒にも弱くなっている、「糖質制限による下戸化」)、酸化型NADの不足だろうとみている。 (追記:脚注1)
なので、酒量を減らすか、糖質を増やすか、ナイアシンを摂取するかが必要がなりそうだが、タンパク質の役割がよく分からないので、タンパク質の量を減らして様子をみているところ。
 
 
4. まとめ(あとに続く人へ)

(あ)BMI-尿酸値の関係は、緩めの糖質制限によってその傾向が変わらないのだろう
(い)糖質制限の導入期の色素性痒疹には、高容量ナイアシンが著効するかも
(う)糖質制限食がしっくりこない時は、江部康二氏の言説を当てにしない方がよいかも
(え)糖質制限の導入により尿酸値が上昇した後下がらない時は、タンパク質の摂取量を管理するとよいかも
 

(あ)については、Cが90g/dayの緩めの糖質制限だと、BMI-尿酸値の関係のトレンドは変わらないのではないかと思われる。但し、糖尿人がやるような厳しめの制限ならトレンドが変わり、新境地が開けるのかもしれないという可能性は残っている。

 自分はもともと痩せガリの家系の人のようで、BMI 21-22だと尿酸値7.3-7.7くらいと推計される。 肥満の痩せガリの体質の者が緩めの糖質制限を始めたとしても、トレンドは変わらないといことなら、BMI 21-22に落としても高尿酸を脱出するのは難しそう、ということを意味する。

(い)については、既出の説明があるので省略。
なお、国内サプリメーカーのビタミンB群を日量3倍増し(ナシアシン120mg/day)では効かなかった点は補足したおこう。

(う)糖質制限の第一人者と言えば江部康二氏だろうけど、彼の経験は、膵臓が疲弊した集団に対し糖質制限を実施した場合のものだろう。同集団は普通の人々(糖質食に適応が進んでいる人々を含む)に比較すると糖質食は向かずに糖質制限食に対応し易い可能性があるだろう。江部氏の言説は大筋は問題ないけど、より細かい話は当てにしても仕方がないことも多いだろう

(え)これは山勘の類だけど、当初減らした糖質をタンパク質で置き換えるイメージで糖質制限を始めたけど、上手くいかなかった。多分、減らした糖質を脂質で置き換えていくというイメージ(タンパク質をそれほど変えない)の方が回り道をせずにすんだのではないかと思っているところ。

 

5. その他雑感

(a) 脚の攣り(課題)
 糖質制限開始後2-3週して明け方にふくらはぎ・足が攣ることが多くなったためサプリ(マルチミネラル)服用開始し、ほぼ防止可能へ。今はサプリ日量の1/3で対応しているが、豆腐製造用のにがりを小まめにとってサプリの代わりにしたいところ。

(b) 体重維持が糖質食より楽
 糖質食だとBMI18.5を維持するのは楽ではなかった。一つには、糖質食のカロリー制限だと消費カロリー>摂取カロリーにする必要があって、そのため、
   基礎代謝の低下→食べる量が同じでも体重増加→食べる量を減らす
という「楽させないぞスパイラル」に陥っていたためだろう。糖質制限食に切り替えると、基礎代謝が上がってそのまま安定化した感じで、強い空腹感を感じることも稀。

 また、糖質制限食だと、脂質割合が5-6割を超えてくるので脂質は必要な量しか吸収されない (脂質は血液に混ざらないので、血液中を移動するには脂質を運ぶ船に乗る必要があるが、船の数は有限で必要数しかない。不要分は排泄へ)ためか、「カロリー計算論」は破綻する感じかな(不要分が出る状態が「高栄養食」で、この状態だと基礎代謝は高いまま調節され、糖質食は「低栄養食」なので状況によっては基礎代謝を低下させる印象)。

(c) 耐寒・耐暑性の向上
 多分基礎代謝の上昇によるものだろう。糖質制限を開始後2-3日で手先・足先がポカポカして喉あたりが張る感じ(甲状腺でホルモン増産のためか)。制限開始前はカロリー制限していたので四肢の血流を絞って省エネしていたのだろう。冷えが解消し冬期間過ごしやすくなる。
夏は、血流増加で散熱もよくなり、皮膚でミネラル分が再吸収されてか汗もサラサラ化して過ごしやすくなった感。
 
(d) 検査数値が多数改善
 8年前くらいの数値に改善した感じ。血圧、ヘモグロビンA1c、眼底、 クレアチニン、心電図(洞性頻脈が所見なしへ)。なお、血圧と心電図は、(3)の頃は運動不足を反省し、 室内体操10分/day(歩くより息があがる程度)を取り入れたため好転したのかもしれない。

(e) エンゲル係数
 当初は高タンパク質の食事なのでかなり上がって何とか給付金が食費に化けた感じがするけど、今は従来と同程度のたんぱく質量なので元に戻ったか、少し高いかくらいだろう。

(f) 痩せた
 現状夕食後だとBMI 17.1くらい。糖質食の集団から導き出した結論を気にしても意味は薄いだろう。体調は良いし、太るよう元に戻す方法も分かっているから、まあいいかという感じ。

(g) タンパク質の計算が面倒(課題)
 タンパク源によって含有量がかなり違うので、暗算が難しい。新しい知見が得られなくなって人体実験を止める頃には、感覚的にはじき出せるようにしたいところ。
 
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注1)いろいろ調べると、酒量は関係なくて、主燃料の変更に伴う燃料貯蔵システムの必然的な変化によるものかもしれない。とりあえずの仮説としては、
 
・主燃料が糖質から脂肪酸に変化した
・痩せて内臓脂肪が一定量以下になった
 
ような場合には、従来の燃料(糖質)貯蔵システム(グリコーゲンの貯蔵)が十分機能しない可能性に備えて異所性脂肪による燃料(脂肪酸)貯蔵システム(脂肪肝、脂肪筋)が稼働し出す感じで、貯蔵された脂肪滴の利用は、各組織でのリポファジー(選択的オートファジーの一種)によるのだろう。
 この線の見立てが合っているとすれば、いわば「善玉脂肪肝」であり肝機能の数値の多少の悪化は気にしなくてよいということになりそう。
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