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ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 gooのサービス終了に伴い移行を迫られているところ、推奨移行先の一つの "Hatena Blog" に本年8月の間に移行中です。移行先のアドレスは:
https://site2508epsilon.hatenablog.com/ となります。(2025年8月記)

 動物の生活様式の本質は遺伝因子に刻まれており、ヒトにおいても難しいことをせずにそのような生活様式を取り入れてみることが健康への第一歩と思います。なぜなら、生物の進化を眺めると、生息環境内で成り立ち得るある種の特徴を持った生態系があり、そこに依存する姿・形が想定する生活様式に倣うことが最も簡単と考えるからです(姿・形は生物側による長期間にわたる最適な変化の蓄積の賜物。例:チンパンジーはツル植物に覆われた密林での果実食に適応し、そのために手及び口の形や移動方法もこれに対応)。
 動物であれば何を食べて生きていくのかということが課題で、生活様式を変えようとすると、野生動物の場合は形質形態を変えるべく遺伝因子の変化を伴います。ヒトはいつの頃からか文化を持つようになり道具・技術を進展させてきましたが、これまでの生活様式を反映した遺伝子による自動制御を活用しないのは勿体ないと思います。(2024年9月記)


 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)


 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。
 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。
 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)
 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

〔メモ〕 冬季うつ病

2013年01月26日 |  今日のメモ

 うつ病の流れで、誤認誘導の香りも漂い何故か気になるので、メモしておこう。

 先ずは少し脱線して、チェルノブイリ事故の影響について1990年8月にNHKで放送された映像

汚染地帯で何が起きているのか チェルノブイリ事故から4年
http://www.youtube.com/watch?v=6RgYpXH92ts

をみる機会があったので、事故後4年経過した時点での貴重な記録であり、特に健康影響の部分についてメモしておこう(予め断っておくと動画の質は少しよくないが・・・)。文字起こしは他力本願で、ブログ「憂鬱亭非日常」から、

NHKスペシャル「汚染地帯で何が起きているのか チェルノブイリ事故から4年 」(1990年)文字起こし その7
2013.01.04
http://plaza.rakuten.co.jp/shunsoku2002/diary/201301040006/

N [白ロシア]放射線医学センターは、チェルノブイリ事故による患者を治療するために、一年半前に作られました。・・・

N チェルノブイリ事故以降、神経系の病気、血管障害、胃や腸の潰瘍、肝臓病などが増加しています。

(目を半分閉じて背中に聴診器をあてられている男児目の周囲には、明らかな隈がある)
N この医学センターでは、甲状腺の障害が、事故により増加したと見ています。 (「N」はナレーションの意。強調は引用者)


 ソ連邦が崩壊しつつある中で援助を期待して海外取材に応じたといった事情もあると思うが、4年経過時点で既にいろいろと出ているということが明らかだろう。ここでの「神経系の病気」が何を意味するかは、必ずしも明らかではないが、うつ病などの精神疾患も含まれるのではないだろうか。


 本題に戻ると、仮に●の影響によって精神疾患、特にうつ病が増えるとすれば、次のようの病気も増えているのではないだろうか。昨年のクリスマスの日付だが、何故か年明けて成人の日前後にアクセス数が伸びてランクインしていて(同新聞のサイトにて)気付いた記事である。東京新聞から、

冬季うつ病 人工的な光浴び改善 外出や早寝も効果
2012年12月25日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2012122502000127.html

 冬季うつ病は、季節性感情障害ともいわれる。通常のうつ病と同じく、気分の落ち込み、集中力や意欲の低下、疲れなどが見られる。特徴的な症状は過食と強い眠気だ。・・・

 患者は女性に多い。症状は十月ごろから始まり、三月には快方に向かう。これが二年以上続くと、冬季うつ病の可能性が高くなる。進行すると、夏は軽いそう状態になり、買い物をし過ぎたり、普段よりも社交的になったりする。・・・

 冬季うつ病の原因は、日照時間や日の出から日没までの日長時間の短さに関係している。目が感じる光の刺激が減ると二種類の脳内ホルモン、セロトニンとメラトニンの分泌量が変化する。

 精神を安定させるセロトニンは減って脳の活動が低下し、うつ状態を引き起こす。一方、セロトニンの生成に必要な糖質を取ろうと、炭水化物を中心に食欲が強くなる。睡眠を促進するメラトニンは増えて、睡眠時間が長くなる。

 このため、緯度が高く、曇りや雨、雪の日が多い地域で起こりやすい。北欧ではよく知られた病気で、日本でも北海道や東北、北陸地方の日本海側に多く見られる。

 治療法は、明るい光を浴びる「高照度光療法」が有効とされている。・・・ (強調は引用者)


 前々回の記事(ココ)では、動物実験により

体内のホルモンの乱れ →脳内の神経伝達物質の乱れ →精神症状

という経路があると報告されている点に触れたけど、この流れ自体はそう難しい話でもないだろう。特に女性なら、月の周期でホルモンが変動しているので、多少の経験はあるのではないだろうか。

 注目すべは点は、マウスの実験で示されたようにホルモンの乱れが長引くと、精神症状が一過性のものでなく、不可逆的になり得るという点であろう。特に、コルチゾールの場合は、強力な作用を有しているので、その過剰は問題化し易いと考えられる。


 ホルモンのバランスを崩れにくくするには、冬季うつ病の治療法とも繋がるけど、遺伝子に優しい生活が必要であろう。つまり、早寝早起きによる規則正しい生活である。早起きすれば、必然的に明るい光を最大限に浴びることもできるだろう。我々現代人の持つ遺伝子には約1万年前の生活パターンが組み込まれているとされているようなので、これが一番「のり代」を広く確保できると考えられる。


P.S.
 ついでに、冒頭の動画で出てきた健康影響の話を追加で2点メモしておこう(子供の異常、出産の異常)。繰り返しになるが、これらは、4年経過時点で判明していたということになるだろう。同じくブログ「憂鬱亭非日常」から、

NHKスペシャル「汚染地帯で何が起きているのか チェルノブイリ事故から4年 」(1990年)文字起こし その7
http://plaza.rakuten.co.jp/shunsoku2002/diary/201301040006/

(画面切り替わって、白衣の女性)
テロップ「児童血液研究センター マヤ・パブロワ所長」
翻訳音声「私達は、汚染地帯の子ども、3000人以上を検査しました。その結果として、子ども達の腎臓から、放射能の一種である、セシウム137が検出されました。
 また、血液の中にも、様々な放射性物質も含まれていることも分かりました。さらに染色体につきましては、普通の子どもの2倍から7倍もの異常が発見されております。これらは皆、白血病の原因となるものばかりです。しかし、チェルノブイリ原発事故によって、白血病が増加したと、今の段階で言い切ることは難しいことです。
 しかし、事故の後の様々な状況を考慮すると、原発事故と、子ども達の白血病の因果関係は、きわめて高いのではないかと考えています。」

NHKスペシャル「汚染地帯で何が起きているのか チェルノブイリ事故から4年 」(1990年)文字起こし その8
2013.01.04
http://plaza.rakuten.co.jp/shunsoku2002/diary/201301040007/

(画面変わって、白衣の男性)
字幕「ゴメリ州立病院産婦人科 アナトリー・ワシレツ部長」
翻訳音声「私達の病院で見てみますと、チェルノブイリ原発事故が起こった後に目立ってきた現象としましては、次のようなことがあげられます。
 まず第一に出産時の異常出血が事故の前に比べて2.5倍に増えました。さらに、胎盤が剥離状態に陥ってしまう症例も、以前に比べて3倍に増加しています。また、出産後の中毒症状も2倍になっています。

 最近、この種の異常の増加は、一見、落ち着きを見せています。しかし、これと引き換えに、母親の子宮の中の赤ちゃんの異常が、以前に比べて2.5倍にも増加しています。
 この病院では、チェルノブイリ原発事故の後、超音波で子宮の中を観察できる超音波診断機を導入しまして、妊娠期間中に2度ほど母親のお腹の中を診察し、赤ちゃんの様子を見ています。妊娠28週目までに何らかの異常が見つかった場合には、中絶の手術を施すようにしております。」

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〔メモ〕 「震災うつ」

2013年01月23日 |  今日のメモ

 こんな用語があるとは、知らなかった。

 昨日の記事(ココ)と関連していると考えられるし、精神症状に悩んだ著名人がカミングアウトしてくるのは全快したとき位しかなく珍しいだろうから、メモしておこう。日刊スポーツから、

元キャスター丸岡さん震災うつ明かす
[2013年1月20日7時9分 紙面から]
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20130120-1074265.html

 丸岡さんは、日本テレビ系「news every.」でキャスターを担当していた11年3月、東日本大震災を取材。以降、誰にも会いたくなくなる精神状態に陥ったという。「自衛隊のどの現場よりも凄惨(せいさん)な現場を見てしまったんです」(有村氏)。

 同年4月、2人は知人の紹介で知り合った。しかし、丸岡さんは震災のショックで仕事も手に付かず、同年8月30日以降、同番組を降板。療養のため徳島県の実家に戻った。・・・


 人間であれば、悲惨なことをみたり、悲しいことがあれば、気分は落ち込むのは当然だろう。人類の進化の歴史で行く度々なく経験されてきたことなわけで、健康な人であれば、普通は、時間の経過とともに乗り越えられることが多いはずだろう。

 「凄惨な現場」をみて落ち込むのは当然として、現役報道キャスターともなれば3.11当事は心身ともに健康だったはずだし、多少の覚悟もあったはずで、ここまで病的なものに発展するものだろうか、との疑問が残る。

 凄惨な現場に接したことと●の影響との合わせ技と考えた方がシックリくるような気がする。仮にそうであれば、療養を西日本(徳島)ですることにしたといのは良い判断だったのかもしれない。

 この件は、●の影響下ではうつ病が出やすくなる傾向の一例ではないかと疑われるが、どうだろうか。

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〔メモ〕 眉毛の抜け落ち

2013年01月21日 |  今日のメモ

 少しサボり過ぎだが、暑いのも駄目だけど寒いのも慣れないようで・・・
 リハビリとストレス関連のおさらいをかねて、短く。

 産経デジタルのサイト「zakzak」で現在掲載されている連載に

今日のストレス 明日の病気
http://www.zakzak.co.jp/society/rensai/society-r13669.htm

というのがある。この連載が何時から始まったかは知らないが、連載で言及される病気の一覧はなかなか興味深いものになるのではないかと思われる。この点はいずれかの機会にして、今回は同連載の記事から、

33歳女性、目覚めたら「右眉ない!」 ストレスで抜け毛
2013.01.09
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130109/dms1301090712007-n1.htm

 商社勤務のH子さん(33)はその日の朝、顔を洗って鏡を見た瞬間、目を疑った。右の眉毛だけがきれいに抜け落ちているのだ。自分で抜いたわけではない。その証拠に左の眉はちゃんとある。ならば誰かが抜いたのか。

 「ストレスが抜いたのでしょう」と語るのは東邦大学医療センター大橋病院皮膚科教授の向井秀樹医師。続けて解説する。

 「精神的なストレスで円形脱毛症ができることは知られていますが、脱毛の対象は頭髪とは限りません。眉やまつ毛、ひげが抜け落ちることもあります」


 脱毛・抜け毛で直ぐに思い出すのは、この人。朝日新聞から、

山本太郎落選、人生初の円形脱毛症
2012年12月17日8時4分
http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201212170007.html (写真あり)

 選挙戦に突入後、円形脱毛症になった。後頭部右側の髪が500円玉大にわたって抜けた。「こんなことは初めて。悩みごとがないつもりでしたが…」。・・・


 この例の場合は、明らかに心理的社会的ストレスが原因の可能性が高いと思われる。人前に出ることに慣れていても、選挙となると事情が全く違うだろうし・・・

 彼の例はいわば例外的なものだと考えており、現状では●の影響下にあることを考えると、脱毛・抜け毛がみられたら、先ずは甲状腺の異常を疑うべきだろう。某掲示板の放射能板から、

932 名前:名無しに影響はない(関東地方) 投稿日:2013/01/10(木) 19:53:47.21 ID:uFRvYJhN
  ふくいち爆発後ある朝起きたら両方の眉が半分無くなって焦ってた人が取引先にいたと安全厨の旦那から聞いた。
  医者行ったら甲状腺疾患の疑い有りと言われ検査になったそうだ。
  その後どうなったか知らないけど。


 その次に疑うべきあたりが、ストレスになるだろうか。冒頭のzakzak記事に戻ると、この後半の指摘はほぼ同意できる内容なのだが、

 「ストレスが抜け毛を誘因するメカニズムはわかっていません。精神的な抑圧から自己免疫異常の状態に陥った結果、生じる症状の1つとして“抜け毛”がある-というのが現状での医学的説明となる」と向井医師。

 ストレスで交感神経が刺激され、末しょう神経や毛細血管が収縮すると、毛髪の育成が妨げられる。彼女の眉毛も、そうした一連の流れに巻き込まれたと考えるのが自然だ。


 ここでの疑問は、どのようなストレスなのか、ということだろう。ストレスも結局足し算だろうから、その総量が問題となると思われる。

 ●の影響の場合、物理的ストレスの一種であって、細胞レベルでは酸化ストレスという形態になると考えられるが(この点については過去記事のココココ)、他の種類のストレスとの相違の特徴は、

(1) 外部被曝の場合、ストレスの軽減には転地(場所変え)が必要となる。
(2) 内部被曝の場合、ストレスが時間経過によって減衰しにくい(他の種類のストレスに比較して)。

あたりであろうか。(2)については、体内に取り込まれた核種は時間経過によって一定率しか排出されないし(放射性セシウムで体内半減期約100日ほど)、あるいは核種によってはほぼ減少しないものもある(放射性ストロンチウム90で体内半減期約50年ほど)ということである。この場合は、継続的に一定量を摂取していれば、時間の経過も意味がないものとなってしまう。

 また、心理的社会的なストレスであれば、気分転換(例えば運動、入浴、趣味に没頭など)をすれば、その期間は少なくともほとんど忘れて消失してるものと思われるが、●の影響の場合は、物理的なストレスなので転地とか時間の経過がないと軽減されないものとなっていると考えられるだろう。

 ●の影響下にある場合は、酸化ストレス分が各人が持つであろう病気にならずに処理可能なストレス量を減少させてしまうと考えられるので、●の影響下にない場合よりもストレスの影響が出易くなるものと考えられる。

 冒頭の商社勤務の女性にもこのような事情が働いていたのかもしれない。

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〔メモ〕 子供の学力の変化を今後みていくには・・・ 

2012年12月12日 |  今日のメモ

 師走に入り更新週2ペースに落ちサボリ気味だが、リハビリを兼ね短く。暑いのも駄目だが、寒いと何故か時間がとれないな・・・


 ●の影響によって子供の学力が低下するという説がある。よく知られているのは、アーネスト・スターングラス氏の指摘したもので、大気圏核実験の世代において、高校卒業程度の学力に低下がみられたという報告ではないだろうか。

 チェルノブイリ事故の世代でも、ウクライナかベラルーシかはうろ覚えなので定かではないが(手抜きでスマン)、子供達の集中力が低下したため時短授業制を導入したということがあったらしい。

 我が国でゆとり教育が本格的に導入されたのは、高校レベルでは2003年度からで、ほぼ1987年生まれ(1986年は多くは胎児)からが対象となっている。偶然だと思うが、ゆとり教育自体は、いわば授業時間はそのままにしつつ中身を間引いたものなので、「形の変わった時短授業」ともとらえることができるだろう。

 以上のような背景があって、子供の学力の変化をみるための指標を探していたのだが、次の調査は使えるのかもしれないので、メモしておこう。東京新聞から、 
 
小学生 理数学力が向上 脱ゆとり教育の効果か
2012年12月12日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012121202000100.html

 国際教育到達度評価学会(IEA、本部アムステルダム)は十一日、二〇一一年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表した。日本の小学生は平均得点が前回調査の結果を上回り、現行方式の調査で初めて学力向上の傾向を示した。文部科学省は「学習指導要領改定で授業時間が増えたのが背景」としており、「脱ゆとり教育」の効果を強調している。

 ・・・

・・・現行方式になった九五年以降、小四の平均得点は下落か横ばいが続いており、目に見える形で上昇したのは初めて。中二は数学が五百七十点(前回と同じ)、理科五百五十八点(四点増)だった。


 ただ、この調査は4年に1度ものなので、タイムリーに変化をとらえるのは難しいだろう。また、前回調査方式を変更したのが、多分これも偶然だとは思うが、チェルノブイリ後に生まれた子供が調査対象となる直前に行われているようで(1995年なので小学4年生は1985年生まれだろうか)、継続的な変化をみることが難しくなっているようだ。

 やはり余り期待できないのかもしれない・・・

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〔メモ〕 福島の甲状腺検査への批判

2012年11月30日 |  今日のメモ

 手抜きで短く、他力本願でメモを。

 福島県が「県民健康管理調査」において実施している甲状腺検査については、様々な批判が出されている。以前の記事では市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝問題研)が作成した公開質問状について触れたけど(記事はココ)、今回は、別の似たような批判をメモしておこう。ブログ「安禅不必須山水」の記事から、

甲状腺検査「福島県立医大メソッド」について
2012/11/19
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/2931269/


【緊急資料11月16日】
甲状腺検査・診断における
「福島県立医大メソッド」について

2012.11.16 田島直樹
一般市民、市民と科学者の内部被曝問題研究会医療部会員

 私[田島氏]は、これまでの鈴木眞一氏講義を視聴して、甲状腺検査・診断における「福島県立医大メソッド」には、多大な疑問をいだくようになりました。・・・

 有識者や医師の皆さんの中には、鈴木眞一教授の説明を、あたかも専門的かつ技術的なもので、純粋に学問的なものだという人がいます。しかし私が精査した限りでは、決してそのようなものではありません。

“ 福島の子どもたちにはチェルノブイリのような放射線を原因とした甲状腺がんは決して起きないんだ ”

という結論ありきのもので、行政的な判断を優先させて、住民に押し付けるものです。 これでは、子どもの健康を憂慮する保護者の方々の安心・安全には程遠いものといえましょう。・・・

 長編であり部分的に引用も難しいので、詳細は、上記記事にて確認してほしい。


 甲状腺検査については、各方面からいろいろ批判を受けたためなのか、福島県側は、今年10月になって住民説明会を企画したようだ。来年3月までに10か所程度で実施するらしい。福島県のサイトから、

平成24年10月22日 県民健康管理調査「甲状腺検査」説明会開催について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/241022koujousensetumeikai.pdf (pdfファイル)

県政記者クラブ各位

県民健康管理調査「甲状腺検査」説明会開催について

平成24年10月22日
福島県    
福島県立医科大学

  「甲状腺検査」住民説明会の開催日程は以下の通り決定しました。この説明会は、現在実施している「甲状腺検査」の内容、甲状腺に関する医学的特徴等を紹介、説明するものであり、甲状腺検査の理解促進を図り、もって、小児甲状腺がんに対する県民の不安の軽減に資することを目的としています。
 今回日程決定した3都市以降も順次、開催地を拡大し、最終的には年度内に10回程度の開催を予定しています。

1 名称
  県民健康管理調査「甲状腺検査」説明会

2 開催日時と場所
 ・郡山市11月4日(日)
 13:30~15:30 ビッグパレットふくしまコンベンションホールB
 ・福島市11月10日(土)
 13:30~15:30 福島県文化センター小ホール
 ・南相馬市11月18日(日)
 15:30~17:30 ロイヤルホテル丸屋

3 対象
  甲状腺検査対象となった子どもの保護者等、県民
[以下略]


 説明会の模様についての報道は、例えば、毎日新聞から、

東日本大震災:子どもの甲状腺検査、初の説明会 不信抱く保護者「安全訴えは本末転倒」−−郡山
毎日新聞 2012年11月05日 地方版
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20121105ddlk07040128000c.html

 「なぜもっと早く説明会を開けなかったのか」「どのくらい被ばくしたら危険なのか」。4日に郡山市であった、子どもの甲状腺検査に関する初の説明会。開始から1年後の開催に、参加者からは改めて批判の声があがった。一方で、内容は不信感を抱く保護者の求めとズレがあり「不安は解消されなかった」との不満が残された。県立医大は「今後の検査や説明会の課題にする」と受け止めていた。【栗田慎一】

 

 新聞報道では福島県立医大による説明内容がよくわからなかったのだが、今月10日の福島市における説明会での質疑応答部分を文字化してくれた記事があり、これを読むと福島県側の現在の対処方針が個人的にかなり明解になったので、紹介しておこう。ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」から、

「日本の子どもはチェルノブイリとは違ってヨウドが過剰だから大丈夫!」県民健康管理調査『甲状腺検査』説明会 11/10鈴木眞一氏質疑応答(内容書き出し)
2012-11-16
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2542.html (リンクはココ

 この中で最も気になったのは、鈴木眞一氏(福島県立医科大教授。甲状腺検査の責任者)の回答の次の部分だろうか。

鈴木眞一:
・・・日本における、
今までの日本における小児の甲状腺がんにかんしては、先程治療で難渋されたという症例がありますけど、
それもガイドラインに書いてありますけど、一見進行して見える、我々もそうです。
肺転移までしててもう、むしろ甲状腺がんが大変だなと思った時期がございますが、
実はその人たちも適切な治療をすれば長期の生存ができて、予後は良いというのは、
大人よりも予後がいいというのがわかっているということで、
ガイドラインにはそれを書いております。

ただ、チェルノブイリ型、それよりも激しい癌が、
もし、もっと、我々の知らない位の大量のヨウ素の被ばくをしてて起こるという事になれば、
それはまた違うだろうと思いますけど、
それに関しては我々は全くそういう事は認識していませんけど、
そういうことが起これば、それはまた違ったがんとしてここで説明をしなければいけないと思います。 (強調は引用者)


 結局、チェルノブイリ型というか、放射線起因の甲状腺がんは起きないという前提で、甲状腺検査の制度自体が設計されているし、その他の様々な判断も同じ前提で行われているということだろう。

 上記の「もっと、我々の知らない位の大量のヨウ素の被ばくをしてて起こるいう事になれば」というフレーズの裏には、福島県側が知っているヨウ素の被ばくというのがあるはずだろう。それはどうも、昨年3月末に政府が行った1,150名の子供の調査らしい(但し、条件が整い測定できたのは1,080人)。朝日新聞から、

福島の子ども、半数近くが甲状腺被曝 政府調査で判明
2011年8月17日
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108170394.html

 東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐり、政府の原子力災害対策本部は17日、福島県の子ども約1150人を対象にした甲状腺の内部被曝(ひばく)検査で、45%で被曝が確認されていたことを明らかにした。17日、同県いわき市で開かれた説明会で発表した。すぐに医療措置が必要な値ではないと判断されているが、低い線量の被曝は不明な点も多く、長期的に見守る必要がある。


 この調査については、かねてより信頼性に問題があると指摘されている。前出のブログ「安禅不必須山水」から、

3月末に行われた児童の甲状腺検査について
2011/09/01
http://ni0615.iza.ne.jp/blog/entry/2425894

3月末に行われた児童の甲状腺検査について

2011.8.29 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)

 3月24日から3月30日にかけて、原子力安全委員会の依頼をうけた原子力災害現地対策本部は、いわき市、川俣町、飯舘村の1,080名の児童の甲状腺検査を実施しました。その概要は5月12日原子力安全委員会のウェブサイトに発表されましたが(1)、検査を受けた児童と保護者への説明は大幅に遅れ8月となりました。朝日新聞は8月18日、一面トップで「45%が甲状腺被曝」と伝えましたが、いずれも「健康に影響がないレベル」と説明されました(2)。検査のやり方には疑問が残りました。・・・


 最近の別の例だと、おしどりマコ氏が講演会(2012年10月28日に東京・東村山市にて)で批判を行っていたようだ。「youtube」から、

"おしどりマコ・ケン"さんのお話 in 東村山
http://www.youtube.com/watch?v=-Dpvoa_jL4k&t=17m27s (時間指定でリンクはココ。関係部分は、20:17辺りまでの3分弱)


 このままだと●の影響による小児甲状腺がんの増加を誤魔化せなくなった後に、福島県立医大の担当者達が「我々の知らない位の大量のヨウ素の被ばく」をしていたことが確認された、と宣伝して回ることになりそうだと予測するのは、余りに悲観的過ぎるだろうか。

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〔メモ〕 流れが早くて・・・

2012年11月04日 |  今日のメモ

 新しい情報のフォローをサボって与太話を書いていると、いろいろあったようで、忘れないようメモしておこう。いつもはブックマークでためているけど、未整理のまま千件を超えたので探す手間を考えると・・・

 とりあえず、某掲示板の緊急自然災害板でみかけた出来事の一覧をおいておくと、

612 名前:地震雷火事名無し(千葉県) 投稿日:2012/11/04(日) 17:47:10.18 ID:tc/T8Egc0
  なんか、ここに来てどさどさと悪いニュースが入ってくる
  整理する

  (1) 南相馬、浪江町の避難民の死亡率が桁違い(政府も福島に偏っていることを認める)
  (2) コロンビア大学の教授「去年の夏以降、福島の子供だけ疾患率が有意な上昇を示している。驚異的なハイペースだ」
  (3) 福島イタイイタイ病 「体が痛くて起きれない。鬱病も併発。仕事も辞めた」という人が出ている
  (4) 東日本でマイコプラズマ肺炎が大流行。史上最大の去年を現時点で超える
  (5) 岩手県汚染地帯で子供の9割からセシウムが検出。最大で6ベクレル(チェルノブイリ膀胱炎のリスクが高い)
  (6) 子供の視力が驚異的に低下している(フジテレビのニュース)
  (7) 福島市の大原総合病院で心疾患が1・6倍(12年は半年の間に10年の心疾患数を上回っている)

  は~、暗いニュースばっかだ

619 名前:地震雷火事名無し(千葉県) 投稿日:2012/11/04(日) 18:19:52.49 ID:tc/T8Egc0
  すまん
  コロンビア大学教授のやつは、病気になった子供の数じゃなくて、「病死者数」だわ
  つまり、死んだ子供の数・・・

  訂正
  (2) コロンビア大学の教授「去年の夏以降、福島の子供だけ病気による死者数が有意な上昇 を示している。これが続くようなら、驚異的なハイペースといえる」

  (1)の福島の避難地域における死者数の増加と(7)の福島市における心疾患の増加は、なんとなく重要と思われる。それぞれの項目について、同掲示板の関連レス及び元ソースを付けておくと、(1)については、

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/433
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/550
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/553
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/556
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/558

あたりで扱われたもので、元ソースは、11/2の報道:

復興庁、震災関連死の詳細公表 最多は南相馬の336人
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012110201001400.html


(2)については、

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/603

が関連する模様で、元ソースは、中山憲氏(コロンビア大学医師)の5月のニューヨーク講演だろうか。


(3)については、

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/595

が関連し、元ソースは、噂話のレベルだけど、ブログ『福島県は「放射能死灰の町」となった』の11/2記事:

福島イタイイタイ病が拡大。原因不明で寝たきり。
2012年11月02日
http://blog.goo.ne.jp/fukushine777/e/6584924fbe0641ef39290c34b5925f50


(4)については、

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/607-608

が関連し、元ソースは、サイト「島根県感染症情報センター」で11/3に公表された模様のデータ:

マイコプラズマ肺炎  2012年 第43週(10/22~10/28)全国定点当り報告数
http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/dis/teiten/j904dt.htm


(5)については、元ソースは多分少し古くて、サイト「放射線被曝から子どもを守る会・多賀城」の3月の記事:

岩手県の尿検査、子ども9割からセシウム検出
2012-03-02 21:30:28
http://ameblo.jp/tagajyomiraie/entry-11181104138.html


(6)については、このブログでも記事にしたところ:

〔メモ〕 子供の視力低下  2012/10/23
http://blog.goo.ne.jp/site_epsilon/e/c5002ae01978f34edce78c35862bf235 (リンクはココ

(7)については、

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/156
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1351534405/537

が関連し、元ソースは、福島民報の10/31記事:

【震災関連死対策】遺族「遅すぎる」 定住先整備急げ 心疾患増え死者増懸念
2012/10/31 11:31
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/10/post_5401.html

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〔メモ〕 被災地の高齢者における歩行困難の増加

2012年10月30日 |  今日のメモ

 手抜きで、ちょっとメモをおいておこう。

 3.11の被災地において、高齢者の歩行困難が増えたとの報道をよくみかける。宮城の南三陸町については、「47news」と朝日新聞から、

仮設住宅の高齢者の3割歩行困難 宮城・南三陸町の町民調査
2012/02/06
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012020601001146.html (リンクはココ

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町で、仮設住宅に住む65歳以上の高齢者の3割が震災後に新たに歩行困難となり、その後回復していないことが、町が全町民約1万6千人を対象に行った調査で6日までに分かった。・・・

被災障害者の2~4割、前より歩行困難に 南三陸町調査
2012年9月24日
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201209210745.html (リンクはココ

 東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町の調査で、障害がある人の2~4割が、震災前より歩くことが難しくなり、7カ月後の時点で回復していなかったことがわかった。津波で仕事がなくなるなどし、外出して社会参加する機会が減った影響とみられる。・・・


 岩手の大槌町については、読売新聞から、
 
仮設の高齢者 運動不足で心身不調
2012年4月6日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=56982 (リンクはココ

 東日本大震災を機に仮設住宅で暮らすようになった岩手県大槌町の高齢者の4割以上に、体を動かす機会が減ったために、心身機能が低下する生活不活発病の疑いがあることがわかった。・・・


 仙台市については、産経新聞から、

生活不活発病? 震災10カ月後も回復せず 高齢者2割歩行困難 仙台
2012.6.25
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120625/trd12062508220003-n1.htm (リンクはココ

 東日本大震災で被災した、仙台市の65歳以上の高齢者の2割が震災後に新たに歩行困難になり、10カ月後にも多くが回復していないことが、仙台市医師会と国立長寿医療研究センターの大川弥生生活機能賦活研究部長の高齢者1万人を対象にした調査で25日、分かった。・・・


 いずれの調査も、大川弥生氏(国立長寿医療研究センター 生活機能賦活研究部長)が関与したもののようである。

 上記報道によれば歩行困難の原因は、「『生活不活発病』が原因とみられる」(47news、産経)、「生活不活発病の疑いがある」(読売)などと分析されていている。

 ちなみに、用語「生活不活発病」の意義については、gooヘルスケアから、
  
生活不活発病
http://health.goo.ne.jp/medical/mame/word/657.html (リンクはココ

 体を動かさない状態が続くことが原因で心身の機能が低下していく病気。・・・高齢者や持病のある人に起こりやすく、寝たきりの原因にもなる。安静状態を続けると、筋力が低下したり関節が固まるなどの運動器官の機能低下だけでなく、心肺や自律神経、精神・知能にも低下がみられる。・・・


 3.11の場合は、「体を動かさない状態が続くこと」に先行して、かつての震災ではみられなかった要因によって、筋力低下があったり、強い倦怠感があったりした可能性もあると思うのだが、そのような点は上記の原因分析において考慮されたのであろうか。

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〔メモ〕 福島の甲状腺検査に対する質問状

2012年10月27日 |  今日のメモ

 超手抜きで、かつ、他力本願で。

 市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝問題研。サイトはhttp://www.acsir.org/index.php)が公開質問状を作成して送付したらしいのだけど、良くできているのでリンクを貼っておこう。

鈴木眞一氏に対する公開質問状 -「福島県民健康管理調査」9月11日の記者会見について
2012年10月15日
http://www.acsir.org/info.php?9-11-25 (リンクはココ

  [前文、質問項目省略]

 私ども内部被曝問題研究会は、今回、甲状腺がんと分かった患者さんが、福島第一原発の放射能を原因とするものであるかどうか、1個の事例によって分かるものではないと考えています。

 しかしながら、貴検討委員会の発表記事を読ませていただくと、否定材料が乏しいだけでなく、否定材料としてあげられているものが、山下教授のチェルノブイリ診療報告やチェルノブイリ現地の医師たちが発表した科学的報告に、悉く乖離するものです。否定なさることが却って、疑いを増す結果となっていることを申し上げないわけにはまいりません。・・・


 締め切りを10月25日に設定して投げつけたようだけど、検討委員会側はどういう対応をとるのだろうか。

 無視されても困るので、せめて読者の方々には紹介しておこう。

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〔メモ〕 子供の視力低下

2012年10月23日 |  今日のメモ

 超手抜きで短く、かつ、他力本願で。

 22日夕方、フジテレビのニュース番組(スーパーニュース)で、視力が低下し診察を受ける子供が増加している、と報道されたらしい。ブログ「日々雑感」から、

深刻・・・「子供の視力低下 1.0未満 驚きの増加。」との報道・・・それって・・・
10月22
http://hibi-zakkan.net/archives/19222935.html (リンクはココ


 上記ブログ記事からでは、この報道の主題や背景がよくわからないのでアレだけど、上記リンク先でも指摘されているように、チェルノブイリ事故の際も、子供の目の異常について報告がなされている。過去記事から、

目の異常 〔YNNチェルノブイリ報告から〕  2012/4/15
http://ameblo.jp/ak-47-feb11/entry-11223217570.html (リンクはココ

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〔メモ〕 内部被曝に関する研究報告をみかける機会が多いが・・・

2012年10月20日 |  今日のメモ

 手抜きで短く、気になっていることをメモしておこう。先ずは、今週みかけた内部被曝に関連する報道をみておこう。読売新聞(関西発)から、

広島被爆者がん死要因「初期放射線30%以下」
2012年10月18日
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121018-OYO1T00394.htm

 広島原爆の爆心地から近距離で被爆した人ががんで死亡する確率(死亡リスク)を高める要因のうち、爆発直後に放出された初期放射線の占める割合は30%以下にとどまることが、広島大原爆放射線医科学研究所の大瀧慈(めぐ)教授(応用統計学)らの解析でわかった。従来は初期放射線の影響が大きいとされ、原爆症認定の基準となる被曝(ひばく)線量の計算式でも重視されている。大瀧教授は「計算式の見直しが必要だ」としている。・・・


 内部被曝に関連する報道は、以前にも幾つかみかけていた。例えば、今年5月の毎日新聞の記事を、これを引用したブログ「放射能に汚染されたがれきの拡散には断固反対です」の記事から(「毎日新聞 広島原爆 黒い雨の下、がん死リスク1.8倍」 2012/6/8(金) http://blogs.yahoo.co.jp/nogareki/5693800.html。リンクはココ)、

広島原爆:黒い雨の下、がん死リスク1.8倍 放射性降下物の影響か--爆心地北西・広島大解析
毎日新聞 2012年05月29日 大阪朝刊

 広島原爆で被爆した人が、がんで死亡するリスクは爆心地から北西方向で高くなることが、大瀧慈(めぐ)・広島大原爆放射線医科学研究所教授らの研究で分かった。これまでは爆発時に放出された放射線の線量を基にしており、爆心地からの距離が遠くなるとリスクが下がるとされてきた。北西方向は、放射性物質を含んだ「黒い雨」が降った地域と重なる。研究グループは「放射性降下物などの影響が示唆された」と分析している。6月3日に長崎市である原子爆弾後障害研究会で発表する。・・・
 

 別の9月の読売新聞の記事だと、これを引用した「ピースメディア」の記事から(「[BM] 原爆 入市被爆者のがん死亡…広島大が統計解析 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」 2012.09.26 http://peacemedia.jp/hatena-bm/bm-370.html。リンクはココ)、

原爆 入市被爆者のがん死亡…広島大が統計解析
2012年9月12日  読売新聞

 原爆投下後の広島市に入り放射線を浴びた入市被爆者のうち、投下3日目までに入市した人は、それ以降に入った人に比べ、がんで死亡する確率(死亡リスク)が、被爆時20歳の人が75歳時点で男性は13%、女性は8%、それぞれ高いことが、広島大原爆放射線医科学研究所などの統計解析でわかった。残留放射線によるがんの死亡リスクが数値で示されるのは初めて。・・・

 グループは、同研究所が追跡調査している約24万人の被爆者のうち、1970年時点で生存した入市被爆者4万7144人について、2010年末までの固形がん(白血病を除く)による死亡者数を調べた。その結果、6139人のがん死亡者のうち、投下3日目までが4830人を占めるなど、この日を境に大きく異なっていた。・・・


 多分いずれも同じ研究グループの成果物のようで、学会・研究会などの際に少しづつ公表されているのだろう。


 さて、内部被曝に関しこのような報告が公表されだしたのは、何故だろうか。個人的には、次の着地点の地盤整備だろう、ととらえている。

 現状、広島・長崎被爆者調査に基づく「100mSv以下では影響は確認されていない」というのが国内専門家の間では多数説になっていて、この多数説を基礎にして政府の方針が策定されていると理解している。

 しかし、ウェッブ上でいろいろな健康報告を眺めていると、チェルノブイリの被害とほぼ同じような経過をたどっているように見受けられる(もしかするとチェルノブイリより進展が早いのかもしれない)。仮にそうだとすると、少なくとも福島周辺では3~5年後にかなり危機的な状況がおこることとなり、現在の政府の方針は放棄せざるを得なくなるだろう。その際には、新たな政府の方針を支えるために、新たな学説が必要となるのではないだろうか。

 このような事情から、現在の多数説を突き崩すための材料をコツコツと蓄積しているのかもしれない。新たな学説のキャッチフレーズが「3.11後に判明した研究成果を盛り込んだ」とでもなれば、誰も責任を問われない可能性があるのだから・・・

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〔メモ〕 被災動物でのコルチゾールの過剰

2012年10月12日 |  今日のメモ

 のろのろ書いていると良いこともあるのだろうか。昨日このブログ的には重要な報告について報道があったようだ。

 現在、コルチゾール過剰原因説(関連記事はココ)に基づいて一連の記事を書いている途中だが、被災動物(犬)でストレス性のホルモンの過剰が確認されたらしい。定期巡回ルートにある東京新聞のサイトから、

大震災、犬の心にもストレス ホルモン通常の5~10倍
2012年10月11日 22時41分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012101101001802.html (リンクはココ

 東日本大震災後に福島県内で保護した犬から、ストレスを感じると分泌されるホルモンが犬の通常の5~10倍と高い濃度で検出されたと、麻布大(相模原市)のチームが11日付英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。

・・・チームの茂木一孝准教授は「時間がたってもストレスが大きいままという結果が出て驚いた。犬は人との密接な関わりの中で過ごすのが幸せで、大震災で突然、飼い主との絆が断ち切られたのが影響しているのだろう」と話している。


 とりあえず麻布大学のサイトを探すと、次のプレスリリースがあった。関連するホルモンは、予想どおりコルチゾールらしい。

プレスリリース:「被災地の犬は強いストレスを受けていた」
2012年10月11日 22:00
http://www.azabu-u.ac.jp/topics/2012/10/post_361.html

【発表内容】
 麻布大学獣医学部動物応用科学科では・・・2011年度からは、3月11日の震災発生を受け、被災地から犬をできるだけ多く受け入れ、新しい家庭へと譲渡しております。・・・その過程で、被災地から引き取った犬と、震災前に神奈川県の保護施設から引き取った犬の実習期間中における、ストレスの指標である尿中のコルチゾール値と行動特性を調べました。その結果、被災地から引き取った犬では、震災前に引き取った犬よりも尿中コルチゾール値が5から10倍高く、また学習能力や愛着行動が低下していることがわかりました。これらのことから、被災地からの犬は非常に強いストレスを経験していたことが明らかとなりました。・・・ (強調は引用者)


 実証にかかわった犬の頭数がないかとググッてみると、産経新聞の記事から、

大震災、犬の心にも深い傷 ストレスホルモン5~10倍 福島で保護17匹を分析 麻布大チーム
2012.10.11 22:48
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121011/dst12101122510012-n1.htm

 チームは2011年5月と11月に、震災後に福島県内をさまよい同大で引き取った犬17匹の尿を分析。震災前に神奈川県内の保護施設から引き取った犬8匹と比較したところ、福島の犬のコルチゾール濃度は神奈川の犬の5~10倍だった。


 被災犬(昨年5月及び11月、震災後に福島県内をさまよい引き取った犬)が17頭で、比較対照群(震災前に神奈川県内の保護施設から引き取った犬)が8頭らしい。極端に少ない頭数ではないようであり、ある程度信頼性があるものと考えられる。

 冒頭引用の談話によると、担当研究者(茂木氏)は飼い主との絆を問題にしていて、「時間がたってもストレスが大きいままという結果が出て」無邪気に驚いたらしい。

 別の原因の可能性(例えば内部被 曝とか)を考えれば驚きも生じない気がするのだが、そのような可能性は検討したのであろうか。仮にしたのであれば、その可能性を排除した理由を知りたいものだ。

 最後に、報道の見出しでは、茂木氏の談話に基づいて「心にもストレス」「心にも深い傷」となっているが、同大のプレスリリースの方では、ストレスとは言っているものの、その種類には言及がない点が興味深いであろう。

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〔メモ〕 1人増えたのか・・・

2012年10月08日 |  今日のメモ

 手抜きで短く。昨日の記事に関連する報道があったので、メモ。

 今年の死者数が1人増え、計10名になった可能性があるのかもしれない。時事通信及び毎日新聞から、


弁当食べ253人食中毒=89歳死亡、因果関係調査-埼玉
2012/10/08-18:36
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012100800299 (リンクはココ)


食中毒:弁当で253人が腹痛など訴え 埼玉・深谷
2012年10月08日 19時55分
http://mainichi.jp/select/news/20121009k0000m040024000c.html (リンクはココ)

 埼玉県は8日、深谷市内の3~89歳の男女253人が、9月30日に自治会が配った弁当が原因で下痢や腹痛など食中毒の症状を訴えたと発表した。大半の患者の症状は軽かったが、89歳の女性が発症直後に急性心不全で死亡した。県は食中毒と死亡との直接の関連は不明としている。・・・

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〔メモ〕 ヒト・ヘルペスウイルス3型 (VZV)

2012年09月24日 |  今日のメモ

 涼しくなったらペースを上げようかと思っていたけど、10日の週に少し無理をし過ぎたらしい。やむを得ず帯状疱疹(関連記事はココ)の薬を飲み始め出したこともあり、睡眠時間を確保して免疫力を強化したいので、多分2週間程ペースを落とさざるを得ないだろう。

 恐るべし、易感染性。

 3.11前のような無理はきかないようなので、読者の方もお気をつけ下さい。

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〔メモ〕 冷え性で免疫力は低下するけど・・・

2012年09月05日 |  今日のメモ

〔更新履歴:9/23追記〕

 

 今日は手短に。よくわからない「奇説のたぐい」と感じるので、とりあえず記録しておこう。先日のNHKニュース(あさイチ)から、

“節電反動冷え”に注意を 
9月4日 7時59分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120904/k10014757011000.html (リンクはココ

・・・節電で冷房を控える代わりに冷たい飲み物や食べ物をとりすぎて体調を崩す人が相次いでいるとして、専門家は、こうした夏バテのことを「節電反動冷え」と呼んで、注意を呼びかけています。

   [中略]

 川嶋[朗 医師(東京女子医科大学の准教授)]によりますと、この「節電反動冷え」は、胃腸が直接、急激に冷やされることで、血液の流れが悪くなり、消化吸収の力が低下して、下痢などの症状が出るということです。
 また、細菌などから体を守るリンパ球の働きが悪くなって免疫力が低下するため、従来の夏バテよりも感染症にかかるおそれが高まるということです。
 さらに、冷たいものが原因だという自覚がない患者が多いということで、・・・


 たぶんこの記事で一番重要な点は、記事には書かれていない記事の前提部分ではないだろうか。つまり、ちまたで免疫力の低下が広まっている雰囲気が存在して、それを番組制作者側が認識しているという点である。

 次に、とりあえず上記記事の内容で違和感を感じる点を2つ指摘しておこう。

(1) 「節電反動冷え」なるものは、何故か従来の夏バテに比べ免疫力の低下をより強力に招くらしい。
(2) 冷たいものが原因だという自覚がない患者が、何故か多いらしい。

 それぞれの項目について補足しておこう。(1)については、何故より強力に低下させるのかが今ひとつよくわからない。

 先ず、典型的な夏バテについてみておくと、武田薬品工業のサイトから、

夏バテ http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=natsubate (リンクはココ


 夏バテの主な症状は、倦怠感・疲労感、食欲不振らしい。この場合は、倦怠感・疲労感に寄与している睡眠不足と食欲不振による栄養バランスの崩れによって、免疫力が低下という経路であろうか。

 「節電反動冷え」なるものは、冒頭記事によれば「下痢などの症状」とされているので、寝冷えなどと同じたぐいなもののはずで、ほとんどは一過性のものではないだろうか。そうであれば、冷物摂取を止めれば、冷えは容易に回復するはずであろう。だとすると、これが免疫力の低下と強力に結びつくとは余り思えない。

 また、慢性的な冷え性であれば免疫力の低下と結びつくと考えられるが、本来一過性とみられる 「節電反動冷え」なるものが何故慢性的になるかの点については説明がなく、理解し難いと感じる。

 (2)については、冷物摂取による冷えであれば、ほとんどは一過性のものと考えられ、自ずと原因に思い当たることが多いのではないだろうか(個人的な経験だと、自覚がないことはほとんどない気がするが・・・)。冷たいものが原因だという自覚がない人々が多いということは、そもそもそれが原因ではないのではないか、という疑問が沸き起こってくる。


 違和感を感じた点について解答がないかとググッてみると、「血めぐり研究会公式サイト」なるものを見つけた。冒頭記事に登場する川島氏は、同研究会の代表で、冷え性の専門家のようだ。血めぐり研究会公式サイトから、

血めぐり先生のメッセージ - 川嶋朗先生
http://chimeguri.com/interview/kawashima.html (リンクはココ


 川島氏は、昨年の夏から「内臓冷え」について、今年の夏はシーズン前から「節電反動冷え」について類似の分析・解説をしていたようだ。しかし、一過性の冷えの話と慢性的な冷えの話が混ざっているようで、一過性の冷えが慢性的な冷えになぜなるのかについては、相変わらず説明がないようだ。

第5回 節電の夏、「内臓冷え」に気をつけて!
2011.7月頃?
http://chimeguri.com/special/special_vol5.html

第10回 2012年夏、「節電反動冷え」にご用心!
2012.07.10公開
http://chimeguri.com/special/special_vol10.html

 別の「奇説のたぐい」にあたりそうだが、こんな分析・解説もあるようだ。 

第11回 夏の不調が秋まで続く、新型「秋バテ」にご注意!
2012.08.30公開
http://chimeguri.com/special/special_vol11.html

 冷え性の専門家だとやはり夏や秋は暇なのかもしれない、と大声で言うのは気が引けるので、ブログ記事に小さく書いておこう。

 かつては、チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出るとか、扇風機に当たりすぎると突然死するとか、いろいろ奇説があったやに聞いている。「新型○○」というのは、新たな科学的な発見である可能性は否定しないが、個人的には、●の関係分野においては疑ってかかった方がよいのではないかと感じている。

 さて、上記の説は、今後どのような展開をみせていくのであろうか。


・9/23追記:
 「節電反動冷え」が出てきた背景は、原因不明の下痢があるということではないだろうか。だとすれば、こういう関連も論じる必要があるだろう。ツイッターから、

@olivenews
■鎌田七男医師、斎藤紀医師、肥田舜太郎医師。三名とも入市被爆(にゅうしひばく)と似ていると話している。原爆の直接的な外部被曝ではなく、原爆投下後一定期間経ってから被爆地に入った人々、つまり内部被曝した人々の症状が、下痢から始まっている。
7:11 PM - 9 Sep 12

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〔メモ〕 福島県立医大の放射線研究新センター構想

2012年07月23日 |  今日のメモ

 久々の更新。短い記事の紹介。東京新聞から、

「低線量被ばく明らかに」 福島県立医大の新センター
2012年7月22日 20時12分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072201001658.html (リンクはココ

 福島県立医大(福島市)は22日、東京電力福島第1原発事故による県民健康管理調査や、放射線研究に取り組む新センターの基本構想の素案を取りまとめた。菊地臣一学長は「低線量被ばくのデータを明らかにして、人類の財産にしたい」と意欲を示した。

・・・新センターは健康調査の他に、被ばく線量モニターの開発など最先端医療機器の整備、早期診断による早期治療、産業界と協力して新薬の開発、放射線被ばくを含む災害医療に関する人材育成の計五つの役割を持つ。・・・ (強調は引用者)


 さて、どちらが関係者の本音なのだろうか。従来から県民に説明している内容(100mSv以下の安全性を強調)か、あるいは記事にある内容か。

 5つの役割とやらを読むと、何も無いとは思えないのだが・・・(例えば、景気もよくないのに、何も無いを前提に投資する産業界があるのか?)

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