秀でた人物は死後も生きている者を恐れさせると云うこと。
孔明は諸葛亮の字。仲達は司馬懿の字。
五丈原で魏の将軍、司馬懿との対戦中に病没した諸葛亮は、自分が死んだら、
それを敵に知られぬよう撤退せよとあらかじめ指示していた。
諸葛亮が送った使者に逆に諸葛亮の生活ぶりを聞き、死期が近いことを悟った司馬懿は退却した蜀の軍に諸葛亮の死を察し、
追撃したが、 蜀軍が旗を返し、鼓を鳴らして反撃の姿勢を見せたので、諸葛亮がまだ生きていると思い、
計略にかかることを恐れて追撃を止めた。その隙に蜀軍は渓谷に入り、そこで孔明の喪が発表された。
人々は死せる孔明、生ける仲達を走らすと噂し合い、ある者がこれを伝えると、司馬懿は苦笑して言った。
「吾はすなわち生きるを料りて、死するを料らざる故なり(生きている人間なら、わしも何とかできるが、死んだ相手ではどうしようもない)」
*画像 まだ孔明は生きているに違いないと逃げ出す司馬懿
諸葛亮孔明の図
五丈原の戦い(第5次北伐) 関連地図
五丈原(陝西省)諸葛亮廟
諸葛亮の墓 諸葛亮の遺言により、
墳墓は棺が入るだけの小規模なもの