サムズアップ
指し降ろされた親指」 ジャン=レオン・ジェローム画 (1872年)
拳を握った状態から、親指を立てて上に向ける。
サムズアップと呼ばれるジェスチャーで、日本では「グッドラック!」や「いいね!」など、
相手に好意的な態度を示す時に使われるが、その歴史は血に塗れた闘技場にあるという。
サムズアップと呼ばれるジェスチャーで、日本では「グッドラック!」や「いいね!」など、
相手に好意的な態度を示す時に使われるが、その歴史は血に塗れた闘技場にあるという。
それは、コロッセウムにおかける殺し合いの場面で使われていた。
勝負が終わり、2人の剣闘士が勝者と敗者に分かれた時、敗者の生死を左右するのが観客の反応だった。
敗者、特に無様な負け方をした者に対して観客は「敗者を殺せ!」と叫び、親指を下に向け振り下ろした。
拳を握り、親指を下に向けるのは「敗者を殺せ」を表すのである。
では、反対の仕草はどうなるかというと、意味合いも逆になる。
拳を握り親指を上に向けた時、それは「敗者を許せ」という意味になるのだ。
観客は剣闘士が懸命に戦ったと判断すれば、助命されることも少なくなかった。
ただ、近年はこの定説も違うのでは、という研究者もおり、ハッキリしたことは分かっていない。
一説によると「親指を上や下に向ける」のではなく、
「親指を曲げる」「親指を逆にする」というのが文献などで用いられる表現で、
これでは上なのか下なのか明らかでないというのが理由であるようだ。
ちなみにこのサムズアップは、外国に行った場合無暗やたらと連発するのは宜しくない。
日本やアメリカでは好意的なジェスチャーだが、
中東や南アメリカなどの地域では相手に対する侮辱だと捉えられてしまうし、
ヨーロッパなどでは卑猥な意味を持つともいう。十分に注意したいところだ。
教科書も間違っていた 歴史常識のウソ
行事・慣習のウソ