ロール状になった、紙ナフキンのようなもの。
日本に住んでいたとき、これは「キッチンペーパー」だった。
家族も友人も、みんなそう呼んでいたと思う。
試しに検索をかけてみたら、
ほらね、こんなにはっきり書いてあるから、静岡弁ではなく全国区で通用するということだ。
キッチンでよく使うからキッチンペーパーで明快、それはアメリカでも同じだと思っていたのだが、違った。
職場では、とてもよくこれを使う。
5,6年前になるが、同僚に、
「キッチンペーパー、取って」
と言ったら、ポカン顔をされた。
「今、なんて?」
「キッチンペーパーだってば。ほら、そこにあるやつ」
「キッチン、What?」
「ンもう!自分でとるからいいワ」
それを手にした私に、同僚は言った。
「ああ、ペーパータオルのこと?」
紙のタオルだから、ペーパータオル。
なるほど、言われてみればこちらも明快。
「ところで、さっき何て言った?」
「日本じゃキッチンペーパー、って言うのさ」
「へえー、不思議ー、英語なのに英語じゃない」
確かに。
半年ほどかけて、私はようやくキッチンペーパーと言わなくなった。
我が家にはティッシュペーパーがなく、代わりにペーパータオルである。
以前はティッシュペーパーを使っていたのだが、鼻をかむと細かい繊維の屑が出るし、強度も頼りない。
こぼしたものを拭く、ササっと掃除をする、食事の時に口や手を拭く、そういうときにはペーパータオルのほうが断然いい。
屋根裏には、出番のなくなったティッシュペーパーの箱がいくつもある。
腐るものではないけど、どうしたものやら・・・
英語だと思っていて、そうじゃなかったという言葉はけっこうある。
たとえば車のフロントガラス。
これも通じない。英語ではウィンドシールドという。
しかし、同じ英語でも、地域によって使う言葉が違ったりすることもよくある。
昨日、職場にかかってきた電話をとったら、
「Do you have interesting?」
何にインタレスティングなのかわからん。
何度も聞く。
「Interesting??」
「Yes」
ますますわからん。
近くにいた同僚に、
「What is interesting?」
同僚も、 interesting、 interesting・・と言いながら、
「あ!!Entrance?????」
「ああ!Entrance Fee????」
私が知っている単語は、Admission。
美術館などに入るのに払うお金のこと。
エントランス フィーもわかるけど、あまりここでは使わないので思い浮かばない。
それを早口で言うものだから、私にはインタレスティングに聞こえてしまうというわけ。
「ま、そう聞こえても仕方ないって、落ち込むなー」
同僚に慰められた。
英語は難しい。電話はもっと難しい。
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