太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

12分が3時間になった話

2024-05-14 07:22:28 | 日記
ハワイ諸島は今、たっぷり水を含んだスポンジ状態じゃないかと思うほど雨が降っている。指で押したらチューっと水が出る、きっと。
日本の梅雨のようにジトジトと際限なく降るのではなく、バケツをひっくり返したかと思うと青空が見え、止んだかと思うとプールを逆さまにしたような雨が来る。その繰り返し。

オアフ島の東側に横たわるコオラウ山脈は急峻で、降った雨は滝となって海に流れ出る。その山と海の間に人が住んでいるわけで、こんな降り方をされたら当然、水が溢れる。
だから、こういう雨が降ると、「大水警報」がすぐに出る。

職場の近くに、簡単に冠水する要注意箇所があり、そこは1本道なので、冠水すると通行できなくなる。
そこを通らねば家に帰れないので、大雨になるたびにヒヤヒヤしている。
昨日、お昼ぐらいまでは小雨が降ったりやんだりで、青空すら見えていて、大雨は案外あっさり去ったもんだと思っていたら、午後からとんでもなく降ってきた。

要注意箇所はすぐに通行止めになり、冠水してしまって動けなくなった車が数台放置され、警察官たちは腰まで水に浸かって交通整理。
私たちは店に水が浸水しないように、ずぶ濡れになって格闘し、通行止めでお客もそれほど来ないし、早じまいをすることにした。

しかし家に帰るといっても、いつ通行止めが解除されるかわからない。
1日、2日の雨なら、1時間も時間を潰せば水が引いていくのだけれど、この雨は既に1週間は降っている。
選択肢は2つ。

1.いつ解除されるかわからないのを、ひたすら待つ
2.ノースショアを通って帰る

1も嫌だが、2も嫌だ。
なぜなら、果てしもなく遠回りになるからだ。地図で説明しよう。



青い星印が職場、黄色い〇が我が家。
本来なら、★から〇まで12分で行ける。
それを、ノースショアを回っていくと、こーんなに遠くなる。
しかし昨日は、こっちを選ぶしかなかった。
腰より上までの水が、いったいいつ引くのかわかったもんじゃない。他の同僚たちも渋々ノースショア回りで帰った。

バス通勤の同僚を一人乗せ、職場を出たのが3時15分。

サンセットビーチの手前あたりから、渋滞で車がほぼ動かなくなった。
自転車のほうがずっと速い速度で進む。
ノロノロのままハレイワを過ぎ、ちょっとの間だけ快適に進めたかと思ったら、再び渋滞。
ドールプランテーションをゆっくり通り過ぎ、一面のパイナップル畑を見ながらアリの行列。
職場より北には行ったことがないという同僚が、「個人ツアーみたい」と喜んでいたのはよかったけど。

普段、渋滞しなければ、職場からハレイワまで50分もあれば行けるのに、
ハレイワまで1時間半以上かかった。
H2というフリーウェイにまず乗って、次はH1、そしてH3に乗り換えるのだが、最初のH2に乗るまでに既に2時間がたっていた。

フリーウェイに乗れば、時速100キロぐらいで走れるのだけれど、時々ワイパーもきかないほどの雨、パッと晴れて虹、再び大雨、虹、という中を走り続け、同僚をバス停で降ろし、這う這うの体で家に着いたら6時過ぎていた。

12分が3時間になった話。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿